Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #140
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #140
病院3階 VIPルームとでもいうべき上客が泊まる個室が続く 部屋の中にはベッドが一つ 大きさは2階のものと変わらない こことは反対 西棟はリドルルーム 間違うと即死するトラップルーム 一度クリアすると何ともなくなるが…こちらは男性患者ばかりが棲む この病院、女性患者専用の入院施設がない 西棟がそうかもしれないが…女性入院患者は出現しない
ものすごく 遠回りをして本来到達すべき3階へ 得たものはほとんどなく、失ってばかりの…嫌気がさすが嫌いではない
通常 3階にはエレベーターで来る 1階でサルどもを離して、その隙に もしくは地下から配膳用エレベーター 西棟奥の一般用以外のエレベーターは、非常電源を入れた後でないと動かない どちらも地下に行かなければならない
ガソリンのある地下倉庫 そこの鍵は院長室を開けないと手に入らない つまり……
ドアを閉める いまオレには武器らしい武器がない 階段の途中まで…下がって どうするか思案する
入院患者はドアを開けない 鍵も だから閉めたドアを、患者の容体を心配したナースが力任せに叩くように、叩かない こじ開けない…が、体力があり、奇妙な動きをする 腕を大振る まるで腕が取れたらお母さんの方が困ることになるよ! とでもいうような癇癪を起す子供みたいに
このダメージが結構痛い それにふらつき属性でも付加されているのか…何回か喰らうと、行動不可を貰う その間に集られると…死亡回避はほぼ無理
ただ…奇妙な動きをする 目の前にいるのに素通りする 攻撃の途中で、不意に違う方向へ向いて、うろうろし出す 行動が読めないがラッキーと考えるべき行動 現に階段のドアはピクリとも動かない
階段の途中まで下がったのは、こいつらが階段を降れないから ちょうど手を伸ばして、足元に攻撃が当たるような位置から、階段の足場でうろうろしているこいつらを、一方的に叩くことができる ある意味、雑魚なのだが 目の前の奴は、エレベーターホールに引き込んで、捲いてからでないと行えない 元のゲーム 3階のナースセンターはカウンターがあっても小さく、人が通れる隙間がない 資料室は…回り込めない
仕方がない…4階と3階の間の…そうとしかいえない 足場まで一旦戻る 先の瓦礫 そこの…石を拾う 鉄筋でも外れてくれればいいのだが…それはムリだった 動いたのは角のある、不規則な形のこぶし大の瓦礫のみ 無いよりかはまし、というシロモ…!
足元が揺れる 小さな地震 ぱらぱらと踊り場から欠片が落ちていく 天井からものが落ちてきて直撃…なんてことはないが…絶体絶命と死のような挙動 このままいたらここが崩れて落ちる…かと思いきや、揺れはすぐに収まり、鎮まる 本震はこの先 階段を上がり、ドアを開ける
まったく 前回と同じように音が鳴り 同じように男性入院患者がそれに気づいて、まったく同じ動作で振り返って、ややゆっくり目のヘッドバンキング 男性に対しての挙動は少ない やはりきれいなお姉ちゃんの方がユーザー受けもいいし、作り手も喜ぶか 男と扉の間は少しだけ、隙がある ドアを抜けて…わざとこちらへと来るように仕向ける このドアの横 男子トイレとの間には車いすが置かれて、階段ドアは開き切らない
「ぐぅうわあぁああせぇええええぅうおぉおおおおおっ」
身体を小刻みに揺らしながら ぼさぼさの髪を振り回し 手足の先 入院服が千切れた裸足のやせ細る、まるで自分自身を見ているような…いやオレに髭はない…ちっ を、誘導する 扉の前で待ち伏せ ゆっくりと後退る こっちへ来い……




