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09-1 宿主、倒産目前な鍛冶っ子

前後編の前編です。後編は夜に更新です。

 修行先の師匠は悪くなかった。


 店の前評判は先代の父親の功績があった。


 悪いのは女にも出来ると無駄な努力をした私だ。


 今なら店を売れば戻れる。


 未練? 違う。私は鉄を打つ音の響くこの我が家(工房)を失いたくないだけ。これは未練じゃない。守る戦いだ。


 女の私でも出来ると証明する戦いだ!



  *  *  *



 前世はイベント盛り沢山だったな。結局、娘っ子と魔法少女の待遇を求めて、王の兵士10人と、公爵の私兵5人に、1日ずつ称号「勇者」で付き合ったが、結果はお察しだ。


 外しても雷を使えたのは1人のみ。威力は飾りのただ見た目が格好いいだけ。しかしまあ、王の騎士団の長が格好いいと張りが出るようだな。公爵んとこは細マッチョのみの1対1でバランスが取れた感じだった。逆に細マッチョの株が上がったって公爵の娘が張り切ってたよ。


 やはり称号「勇者」は封印の方向かな。ちゃんと対価(ギフト複写)は貰ったから、ギフトコレクターとしては善きかな。おニューなのは列挙しようか? いらない? 気になる? コレクターは見せるのも好きだ。ほれ。


称号

・称号「兵士」→称号「騎士」+5

・称号「美女」

魔法

・魔法「火+2・水・風・土+2・氷」

感覚

・予測

人型技能

・剣術+8

パッシブ

・技術強化+5

・魔術強化


 称号「美女」は薄幸美人のギフト。容姿に補正がかかるが燃費悪い。この称号で薄幸美人は常に相手の理想像へと微量ながら姿を変えていた。先に雰囲気が変わり、徐々に見た目に影響するゆっくり効果なギフトだ。


 ギフトも鍛えれば昇華するらしい。元称号「兵士」だったのが称号「騎士」へと昇華していた。基本性能アップに微量に魔法へも適正が生えるらしい。勇者の劣化版?


 剣術はポピュラーだな。しかしこのギフト、鍛えれば様々なスキルを生むからギフトがポピュラーでも持ち主の努力次第でピンキリ。流石のトップ集団だ。スキルは強そうなのが多かったぞ。


 変わり種の予測に、魔法使い系も雷魔法目当てで来たので、火魔法と、技術強化の魔法版の魔術強化を手に入れた。予測は成長を見定めるためだったが効果はなかった。雷魔法も新人坊主でも習熟に時間がかかったんだ、結果はなぁ。


 ちなみにギフトのプラス計算だが、◯◯→◯◯+2と、元は+1が省略されている。なので◯◯+10は◯◯ギフト10個分だ。


 うーん、巫女の啓示無しでも魔法少女が僕を探すと言っていたのが気になるが、転生先は選べない。あっちも諦めない。魔法少女も別の幸せを探してほしいものだ。



  ○  ○  ○



 コレクション自慢が先行したが、今世も宿主は女性だ。元男の心境では当たりだよね。ぽよぽよタイムがあれば尚よい。が、今の宿主には余裕がないんだよね。だって。


「今日もお客が来ない。はぁ~」


 とまあ、鍛冶屋を継いだっぽいのだが、プロローグを読むには、ああ、何となく読めるようになったんだよ。突っ込みは受け付けません。


 流れでは、跡継ぎになるため別の鍛冶屋で修行、父親が急死、修行を投げて後を継ぐ。本来なら、修行を明けて、父親の技術を学んで、継承、という流れの筈がプッツンと切れて今の状況だ。


 顧客はいたが、全く別の鍛冶屋になったのだ。だって、父親の技術を継承していない。修行先の技術も半端。ろくに武具が打てないのだ。形にはするが粗悪品。一気に客は引いたね。


 今は武器の砥屋と化している。先代の父親に恩のある客が同情で仕事を与えているだけだ。最近は砥の評価も上がっているぞ。ギフトで『技術強化+5』を付けているからな。大分客が離れた後だがな。


 資産的に父親の財産で後1年か。先は短いぞ。



  ○  ○  ○



(と言う訳だ)


「すっ飛ばした説明をありがとうございます。協力して貰えると言うことですね」


(放置は忍びない。悪用するような人格でもない。そう判断したので今世では協力しよう)


「かの有名なスライムさんは、実際にどのような協力をして下さるのですか」


(そこだが、『技術強化+5』は適応している。鍛冶屋で求められるギフトは所有していないと思われる。列挙しよう)


「お願いします」


 称号からパッシブまでギフトを自慢……説明した。


「ふぇ~。本当にパチッてした。勇者だ!」


(その程度は称号「勇者」があれば出来るが、スキルにするのは困難だろう。将来性のあるスキルへと昇華する方向で考えるのだ)


「私のギフトは魔法鍛造です。スキルとしては魔法付与がポピュラーですが、私のギフトの方が付与効率が違います。欠点として一から武具を打たないといけないことです。雷、いいなぁ」


(欲張るな。適正がある新人坊主でも長い間の訓練をしたぞ。実戦でな。戦えるのか?)


「無理ですね。鍛冶師のひよっこです。サポートはしても、戦いには出ませんよ」


(よく考えたら、鉄は火で鍛え、水で冷ます。火には風も必要で、金属は鉱石であり広義で言えば土だ。魔法鍛造用の魔法取得の練習にもなっていいではないか? 鍛冶には体力も筋力も必要で、魔法を駆使するなら……ふむ、盛ってみるか)


「はい?」


 セット、『称号「騎士」+5』、『魔法「火+2・水・風・土+2・氷」』、『鑑定』、『予測』、『剣術+8』、『身体能力強化(統合)』、『魔法能力強化(統合)』。どうだ!


「すごっ! 奥から沸き上がる全能感。今なら何でも……きゅうぅ~」


 ああ、一気にセットしたから容量(キャパ)オーバーか。そう考えると、新人坊主に魔法少女は素質があったんだな。まあ、盛る量も増えてってるからな、僕のギフトコレクションは。



  ○  ○  ○



 徐々に慣らす方向で決まった。称号の騎士は様々な武器に精通しているので知識として。剣術は剣の扱い方を知ればと、これも知識のため。予測で作り上げる武具の良し悪しを見極め技術の向上へ。鑑定は結果を知るため。


 魔法全般は今は鍛冶の補助だ。一振りの剣を打つのもコストがかかる。燃料費の節約だ。あと、火や水の細かい温度調整にも適している。その全てを支えるのがパッシブの強化系だ。


 一日一振り。兵士の補助武器であるショートソードを打つ。メイン武器にしている冒険者も多い。


 基本的に森に生息する獣やクリーチャーは多い。人間も木材はいる。森があれば水源も豊富。生息域が被れば森での戦闘は増える。小回りが効き、ある程度の間合いのあるショートソードは人気商品だ。


 残り10ヶ月。300本のショートソードを打つ。財産は尽きるだろうから来る常連客へと期待するしかない。ちぃーと博打。砥の常連客が評価してくれるかが勝負だろう。


 鍛冶っ子の鍛冶師運命を賭けた勝負が始まった。


 お、プロローグに繋がったな。よしよし。

スライム歴 8年12月~


レビューいただきました♪

ありがとうございます。


誤字報告、ありがとうございます。

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