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第二話

突然現れた白い衣装を着た謎の少女に連れられて、

突然とんでも無い場面に居合わせてしまった少女と、

どうやらマスコットに転生したボクはコーヒー屋へやって来た。


白い衣装の少女は、コーヒー屋に来る前に一瞬光に包まれたかと思うと

普段の服に変わっていた。


挿絵(By みてみん)

自己紹介を始める白い衣装の少女


「まずは自己紹介からね。

 私は白咲カレン。隣町の中学三年生よ。

 二年前に突然マスコットから頼まれて魔法少女を始めたわ。

 もちろんいきなりそんな事受け入れられなかったけれど、

 魔法少女になって今この町に増え始めているヨクボーンを倒せば

 何でも願いが叶うと言われて始めたの。

 ほら、最近ニュースでよく見るでしょ?

 欲望の赴くままに暴走している人の事件。」


ピンク髪の少女が答える。


「あぁ、何だか最近本当に多いですよね。

 特に変態系の事件が多いような気がします。

 あ、私は桃峰さくらと言います。

 この町の中学二年生です。」


「よろしくね、さくらさん。

 そうね、ヨクボーンの中でも今主に活動しているのは

 性犯罪に関する『ヒワイダー』というグループなの。

 他にも破壊衝動の『ハッカイ』やお金関連の『マネカネ』等がいるわ。」


「あー、だからさっきの男性、ヒワイダーって言ってたのか。」


ボクが口を挟む。

するとカレンはボクに対して質問をして来た。


「そうね。ところであなた、さっき言ってた話、

 工場で働いていたら金型に押しつぶされて、

 気が付いたらその姿という事は、転生、みたいな感じかしら?」


「いやぁ、それがサッパリ、いきなりの事過ぎて・・・。

 と言うより、転生を受け入れたとしてもその次の情報量が多過ぎて。」


「あなた、元々はいくつだったの?」


「45歳。」


「えぇ!? 私達よりも、随分おじさんじゃないの。」


「え、だって仕方ないじゃん。

 別に望んでこうなったんじゃないんだし。」


「まぁ、そうだけれど・・・。随分と幼い印象なのよ、あなた。」


「それは見た目が・・・」


「違うわよ、あなたの話している内容や感じる雰囲気が、よ。

 まぁ良いわ。言ったってどうなるものでも無いもの。」


そこへ、さくらが口を挟む。


「あの、ところでそのカレンさんのマスコットはどこに?」


「死んだわ。」


「え?」


「私に色々な魔法少女に関する事を伝えて、共に戦いながら成長した。

 だけど私のマスコットは、戦闘中に敵の攻撃を受けて死んだの。」


「そんな・・・。じゃあ、カレンさんはたった一人で戦いを?」


「そうよ。まだまだ聞きたい事や知りたい事もあったけれど、

 そんなのお構いなしに彼は動かなくなったわ。」


ボクが口を挟む。


「え、そんな・・・。じゃあ、ボクもそうなる可能性が?」


「ゼロじゃないわよね、同じマスコットなのだし。

 だけど彼は魔法少女や敵組織に関する事を色々と知っていた。

 あなたは人間からマスコットに転生したばかりで何も知らない。

 そんなあなたが彼のようにしばらく立ち回れるかと言えば、

 私は正直、フォローはしきれないわ。

 だって自分の事で精一杯だし、もしさくらさんが魔法少女になれば

 本当にあなたに構っていられないもの。

 そもそも何の知識も無い、ただ守られるだけのマスコットなんて、

 今の私には全然必要無いの。あなたには悪いのだけど。」


「そんな・・・ヒドいよ。ボクだってなりたくてこうなったワケじゃない。

 それに、ボクがいる事で何か役に立つかも知れないじゃないか。」


「あのねぇ・・・・。

 じゃあ、その何かってナニ?

 あなた、そんな体で私達を守ったり、戦ったり、敵の弱点とか、

 本当に何か役に立てると思うの?自信は、根拠は?」


矢継ぎ早に質問されて、ボクは口を閉じた。


さくらが間に入って助け舟を出す。


「カレンさん、ま、まぁまぁ、この子・・・子?だって、

 今転生したばかりで困ってるんだし、そんな言い方しなくても。

 もしかしたらこれから一緒に頑張れば、良いパートナーになるかも、

 だよ?」


「・・・・・・・。

 さくらさん、あなたソレ、本気で言ってるの?

 と言うより、あなた魔法少女になるの?

 ヨクボーンを倒せば願いが叶うのは本当。

 だけどそこまでの道のりは本当にたくさんの危険があるの。

 マスコットに限らず、魔法少女だって命を落しかねない。

 それだけの叶えたい何かがあなたには、あるのかしら。」


「私、ね。お兄ちゃんがいたんだ。

 とっても優しくて大好きだったんだけどね、

 突然、いなくなっちゃって。

 今でも行方不明で捜索願は出されたまんまなんだけど、

 もし叶うのなら、お兄ちゃんと会いたい。

 生きていれば、だけどさ。」


「そうなのね、それは本当に・・気持ちがわかるわ。

 私も弟がいたのだけどね、同じように突然消えたの。

 何だろう・・・どうして同じ境遇なのかしらね。

 こうして同じ家族を生死もわからない状況で失い、それが願いだなんて。

 だって普通に暮らして一緒にいれば、

 わざわざ魔法少女になんてならなくたって、

 危険を冒さなくたって良いのに。

 運命、・・・なのかしらね。」


ボクは二人の境遇を知り、本当に可哀そうだなと感じた。

だけど今はそれ以上に自分のこの状況が現実だと理解し始めて、

更にはどうやらこのマスコットの体のアイデンティティである

魔法少女のマスコットとしての知識や立ち居振る舞い、

その他あらゆる事が何もわからない状態で、しかも彼女達も

ボクを飼ったりパートナーにする気が無さそうな事に

これからどう生きれば良いのかと絶望さえも覚えた。


「キミ、行く所、無いんだよね?」


さくらがボクに聞いて来た。


「うん、ボクの実家に行ってもどうせ絶対、元のボクの体は死んでいて

 そこへこんなワケのわからない姿で行っても追い返されるだけだし。」


「だったら、ウチに泊めてあげようか?

 さすがにこのまま放っておくワケにはいかないよ。

 だけど喋ったりしている所をママ達に見られたら困るから、

 ちゃんとぬいぐるみのフリ、出来る?」


「うん、ちゃんと出来る。」


そこへカレンが口を挟む。


「やっぱりアナタ、何だか幼いわね。

 45歳と言う過去の自分を忘れて、その見た目なりの新たな人生で

 そのキャラに合った人格を作っていけば良いと思うわ。」


「まぁ、でも私まずどうやって魔法少女になれば良いかもわからないしさ、

 とりあえずカレンさんと連絡先交換して、まずは魔法少女にならなきゃ。

 アナタも一緒に頑張ろうね!

 え~っと、名前は・・どうしよう? 元のお名前は?」


「高井田勲。あだ名はオタポンだったよ。」


「へぇ~。おじさんだけど、可愛いあだ名だったんだね!

 オタポン、見た目的にも良いと思うよ。

 それじゃあよろしくね、オタポン!」


「うん、よろしくだポン!」


つい嬉しくて、語尾に謎にポンを付けてしまった。

それを見てカレンが言った。


「うわ・・・。

 二人の間では何だか盛り上がってるみたいだけど、

 正直私はちょっとドン引きしてるわ。

 どうせそのオタポンってあだ名も、イジられたものでしょ?

 オタクっぽさとキャラ的な感じで。

 やっぱり、幼いからナメられてたのね。」


カレンの言葉は何だかいちいち棘があるように感じた。

工場で働いていた時にも、事務のお局の社員が丁度こんな感じだった。

とてつもない既視感でカレンの事が嫌いになりそうになったが、

そこはグッと堪えて、ツンデレと言う事にした。

いつデレてくれるのかはわからない。

だけどボクがこの姿でちゃんと可愛く振る舞い、

そしてマスコットとして正しく知識を学べばきっと

カレンもボクを認めてデレてくれるはずだ。

せっかく元のボクでは出来ないこんな美少女達との生活、

ボクは全力でこの転生人生をやり直して、

この子達とムホムホパラダイスを築く事を期待するのだった。

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