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異世界リデザイン【完結】  作者: 忘却セミコロン


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12/18

光の沈む先


魔族たちが一斉に停止し、その場で立ち尽くす。


まるで時間そのものが凍りついたかのように。




戦場に異様な静寂が降りた。




「な……なんだ?」


「どうなってる……?」


騎士達が構えた剣をわずかに下げ、困惑の声を漏らす。




魔族たちはピクリとも動かない。


ただ、その濁った眼球だけが不気味に左右へと蠢いている。




司は流れ落ちる汗を気にもせず、不規則に明滅する魔法陣を凝視していた。




『人間の神経パターンを検知し、魔族因子を除外する』


その“人間“と“魔族“を入れ替えた。


ただ、それだけだった。




hostile_signature {

detect demon_factor

detect mana_resonance

exclude neural_pattern

}


カチリ。


そんな音がするかのように、明滅していた魔法の光が⸻ハマった。




次の瞬間、地獄が再び動き出す。




オークの斧が、隣のオークの肩口を叩き割り、咆哮があがる。




猛獣型の魔物が味方だった群れへ飛びかかり、飛竜が地上の魔族ごと焼き払う。




理性の欠片もない純粋な殺戮が、戦場を埋め尽くした。




戦況は呆気なく反転した。




騎士たちは剣を構えたまま、顔面を蒼白にして言葉を失っていた。


何人かは膝をつき、肩を震わせている。




レグナードは馬上でその光景を呆然と見つめ、戦慄しながらも口の端を歪めた。


(これが……この男の力) 




魔族たちは互いを敵と認識し潰し合いながら、色とりどりの光となって崩れ落ち、大地へと還っていく。




勝利を確信したレグナードが、剣を掲げて叫んだ。


「全軍、撤退!!!!」




号令と共に、城門がゆっくりと開かれた。




安堵の空気が広がる中、司はただ呆然と平野を見つめていた。




無数の光が次々と、根の張り巡らされた大地へ吸い込まれていく。




その景色はまるで——




世界そのものが、飢えに喘ぎながら命を貪っているように見えた。




次の更新から不定期となります

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