この世界で生きる
いつ眠ったのか分からなかった。
私は震えながら泣きながら寝てしまったようだった。
朝、目覚めたら、そこは……やはりニューヨークではなかった。
戻りたかったのに、戻れなかった。
あの部屋だった。
「お嬢様、お目覚めでございますか?」
「……………その、お嬢様っての止めて下さい。」
「何を仰います。」
「私は平凡な家の娘よ。
「いいえ、伯爵令嬢であらせられます。」
「……そう……もう……アン・スミスには戻れないのね。」
「お嬢様……お嬢様はアン・スミス様ではございません。
お嬢様がお倒れになられてからも……いいえ、御生まれになられた時から
旦那様も奥様もお嬢様を愛しておられます。」
「そう……なのね。」
「どうか元のお嬢様にお戻りくださいまし。
お願いでございます。」
「………………。」
「旦那様も……奥様も……昨夜はお傍に居られたのでございますよ。
お嬢様が寝付かれるまで……。」
「そうなの。」
「はい。」
「心配掛けたのね。」
「…………はい………お嬢様………。」
私は諦めた。
もうニューヨークへ……は、戻れない。
そう諦めた。
これから私はテレーゼとして生きる。
でも、あの斬首刑だけは避けなければ!
テレーゼのことを知らなければ、この家のことも、そして、この国のことも……。
そして、一番知りたいのは、あの斬首刑の時に見た男女。
誰なのか、テレーゼとどういう繋がりなのか調べなければ……!




