公爵夫人
アドリスとその妻エディットへの贈り物について、公爵も公爵夫人も「それは良い。」と言ってくれた。
それだけではなく、アポイントメントを取り、会えるようにしてくれたのだ。
「テレーゼ、良いことですよ。
是非、お会いして渡しなさい。」
「はい、公爵夫人。」
「まぁ………テレーゼ、貴女はもう私の息子に嫁いで来たのですよ。
だから、貴女から『お義母様。』と呼んで欲しいわ。」
「宜しいのでございますか?」
「勿論よ………貴女、まさか、カールに公爵夫人と呼ぶよう言われたのですか?」
「いいえ、そのようなことはございません。」
「もし、カールがそう言ったとしても、従う必要はありません。」
「宜しいのでございますか?」
「勿論ですよ。
愛妾と違って妻は皇帝陛下の御裁可があったからですよ。
皇帝陛下の御裁可を無下になど誰にも出来ません。
胸をお張りなさい。
貴女はカールの妻なのです。
そして、カールが公爵になれば貴女は公爵夫人なのですからね。」
「はい。」
「さぁ、お義母様と呼んでください。」
「はい、お義母様。」
「それで良いのです。うふふっ……嬉しいわ。」
カールはテレーゼと一緒に行かないとハッキリ言った。
テレーゼもカールと行くつもりは無かった。
一人でアドリスとエディットに会いに行く。
心は浮き立った。
⦅また、アドリスと会えるわ。
あの日の……私を牢から出して共に逃げようとしてくれたアドリス。
あの時のアドリスの瞳を私は忘れられなかったわ。
エディット様と仲良い夫婦になって欲しいわ。
この世界では幸せな夫婦……幸せな結婚。
アドリスには………。⦆




