救出④
『ようやく戦う気になったようね。』
『私の力も知らないくせに、大口ばかり叩き、ホント生意気なガキだわ。あんた、ホントに勝てると思ってるの。』
『思ってるよ。私、強いもん。』
『あんたが強いのは知ってるけど、それは今までの相手が弱かっただけ。私があんたの気ごと丸呑みしてやる。』
『いいよ。やってみて。』
俺は、オーラを出した。黄金のオーラだ。それを見たかぐや姫が、慄いている。
『そんな、バカな。まさか、こんな小さな子供が黄金のオーラを身に纏っているなんて。ダメだわ。勝てない。私には無理。能力が違いすぎる、、、、、そうか、その手がある。』
かぐや姫は、孝を抱きしめ、瞬間移動した。逃すものか。俺は後を追った。
降り着いたのは、相模原のロッジ。彩先生が監禁されている場所だ。なるほど、自分では勝ち目がないと判断し、桃太郎の家来たちに俺と戦わせようと考えたのだな。しかも、孝と彩先生を人質にすれば、俺が怯むと思ったのだろう。ならば、俺も援軍を呼ぼう。
『戻ったよ、彩先生。孝さんは無事よ。隣の部屋で、敵に捕まっているけど、分身仏が付いているから大丈夫。敵が勢ぞろいしています。一緒に戦って下さい。』
『信じてたよ、ちひろ。あいつら、絶対に許さない。』
彩先生は、二階の床を叩き割り、一気に奴らの元に向かった。
『ちひろ、容赦しないでいいから。大暴れを許可するわ。』
『桃太郎、あの二人の正体こそ、鬼よ。今こそ、憎き鬼を退治するときよ。』
『かぐや姫さん、了解です。この世に悪をもたらす鬼たちよ。我らが成敗してくれる。お前たち、出番だ。』
鳥居、犬飼、そして猿橋。3人が臨戦体型に入っている。
『おい、ちひろ。歯向かうなよ。歯向かえば、この男の命ないと思いなさい。』
かぐや姫の槍先が、孝の首元に置かれている。
『孝、孝、たかしー!』
彩先生が泣きながら叫んだ。孝は涙をポロポロと流している。
『えーん、えーん、彩様。彩様。ぐしゅん。』
子供が泣きじゃくるように、大泣き状態になった。
『ちひろ、お願い。歯向かわないで。孝が、孝が、殺されちゃう。』
彩先生も泣いている。
『彩先生、大丈夫。私を信じて。もうすぐ、終わるから。』
そう、間もなく結末を迎える。
『さあ、お前たち、その二人を始末、、、。』
かぐや姫の言葉が止まった。彼女の背後に大きな影。そして、横には黒のオーラの女が立っている。阿修羅大王とシェリーだ。
『ちひろちゃん。お、ま、た、せ。』
シェリーがウインクしてきた。
『観念せい。わしが案内してやろうぞ。地獄まで。ちひろ殿、感謝する。これで閻魔大王と和解が出来るわ。ガハハハ。』
阿修羅大王はかぐや姫を連れて、消えていった。孝はシェリーに抱えられている。
『これから先は見ない方がいい。』
俺は孝に駆け寄り、手のひらを頭に当てた。孝は、ゆっくりと眠りについた。
『おい、見たか。鬼が、かぐや姫を連れていった。やはり、こいつらは鬼の仲間だ。退治するしかない。』
確かに、阿修羅大王を見れば、鬼と見間違えても不思議ではない。人は、見かけに騙されるものだ。それについては責めはしない。ただし、腐った心は覚まさせないといけない。俺は気を入れ直した。




