第30話 QUEST募集掲示板
赤の新しい剣を買い終えた私たちは、次にQUESTを探すことにした。
私はてっきり、アルセウスで見たような依頼を扱う場所へ行くのだと思っていたけれど、オラクルが向かったのは冒険者向けの店ではなく、大通りから少し外れた広場だった。
「QUESTって、どこでも同じ場所で受けるんじゃないの?」
歩きながら尋ねると、オラクルは煙草を咥えたまま首を横へ振った。
「街や国によって違う。専用の受付があるところもあれば、酒場に依頼が集まるところもあるし、役所が管理してるところもある。アデューは人の出入りが多いから、誰でも確認できる募集掲示板が何か所か置かれてるんだ」
「そんなに違うんだ」
「旅を続けるなら覚えとけ。新しい街に着いたら、宿とQUESTを受けられる場所を先に確認しとくと楽だぞ」
その横で緑が急に立ち止まり、本を開いて何かを書き始めた。
「緑、何してるの?」
「メモでぷ。『街によってQUESTを受ける場所が違う。到着したら確認する』でぷ」
「そこまで書くの?」
「大事なことは忘れないようにするでぷ」
緑は真剣だった。
オラクルも少し感心したように、「いい癖だな。情報は覚えてるつもりでも抜けるからな」と頷いた。褒められた緑は少し嬉しそうに本を閉じたものの、それを見た黄色が「お金の相場も書いておくといいでぷ」と言い、赤まで「美味しいお肉の店も書くでぷ」と加わったので、最後には二人まとめて無視していた。
しばらく歩くと、目的の広場が見えてきた。
広場の中央には大きな木製の立て看板が何枚も並び、その表面は大小さまざまな紙で埋め尽くされている。新しく貼られたばかりの綺麗な依頼書もあれば、何日も残っているらしく端が丸まったものまであり、依頼内容や報酬、依頼主、集合場所などが細かく書かれていた。
「これ全部QUEST?」
「そうだ。気になるのがあったら、報酬だけじゃなく内容までちゃんと読めよ」
オラクルが黄色を見ながら言った。
「何で俺を見るでぷ?」
「一番金額だけで選びそうだからだ」
「そんなことないでぷ」
黄色はそう言いながら、すでに報酬の欄ばかり見ている。
私は一番手前の掲示板へ近づき、目についたものから読んでいった。
《荷物運びの手伝い》
報酬――五銀B。
「荷物運ぶだけで五銀B?」
「量が多いんじゃねえか。ほら、商会の倉庫から市場まで大型荷物十五箱って書いてある」
「十五箱か……それなら大変そう」
隣には、まったく違う依頼が貼られていた。
《家出したタヌキを見つけてください》
報酬――七赤B。
それを見つけた赤が、すぐに紙へ顔を近づける。
「タヌキが家出するでぷ?」
「飼ってるタヌキじゃない?」
「何で家出したのでぷ?」
「それは見つけてタヌキに聞かないと分からないよ」
赤は本気で理由が気になったらしく、しばらく依頼書を眺めていた。
さらに上には、ほかより大きな紙が貼られている。
《隣国までの護衛》
報酬――十六銀B。
それを見つけた瞬間、黄色の目が輝いた。
「十六銀B! これがいいでぷ!」
「報酬だけで決めるなって言ったばっかりだろ」
オラクルがすぐに止めた。
依頼書をよく読むと、商人と荷馬車を隣国まで護衛する仕事で、何日も掛かるうえ、道中には魔物が出る地域もあるらしい。
「報酬が高いQUESTには、それなりの理由がある。金額だけ見て飛びつくと痛い目見るぞ」
「でも十六銀Bでぷ……」
黄色は名残惜しそうに報酬の文字を見つめていた。
掲示板にはほかにも、薬草採取や倉庫整理、迷子になった家畜探し、街道周辺に出る魔物の討伐、商人の護衛など、数え切れないほどのQUESTが貼られている。簡単そうなものから、私たちだけで本当にできるのか不安になるものまであり、これだけ選択肢があると逆にどれを選べばいいのか迷ってしまう。
でも、私が驚いたのは依頼の数だけではなかった。
掲示板の周りには私たち以外にも大勢の人が集まっていた。大きな剣を背負った男や杖を持った女性、重そうな鎧を着た集団が依頼書を見比べ、仲間同士で報酬や行き先について相談している。
その中には、QUESTではなく手配書ばかり確認している人たちもいた。
「あの人たちは?」
私が小声で尋ねると、オラクルも声を落とした。
「賞金稼ぎだろ。普通のQUESTで稼ぐ奴もいるが、手配されてる犯罪者を捕まえて賞金を狙う連中もいる」
「賞金稼ぎ……」
聞いたことはあったけれど、こうして実際に見るのは初めてだった。
腰に何本も短剣を下げた男が、手配書に書かれた賞金額を一枚ずつ確認している。その隣では、大きな傷のある女が仲間と何かを相談していた。
そんな人たちを眺めていると、すぐ近くで護衛QUESTを見ていた冒険者たちの会話が耳に入った。
「また護衛の募集増えてんな」
「最近は街道も物騒だからな。TIMEの連中が動き始めてから、商人が護衛なしじゃ移動したがらねえんだよ」
TIME。
その名前を聞いた瞬間、私は思わずそちらを見た。
三人組の冒険者だった。こちらには気づかず、掲示板に貼られた依頼書を見ながら話を続けている。
「西のほうでも出たんだろ?」
「ああ。何人だったかは知らねえけど、夜にそれらしい連中を見たって話だ。別の街じゃ、厳重に保管されてた品が朝になったら消えてたらしいぞ」
「それもTIMEがやったって?」
「噂じゃな。今じゃ何か起きるたびTIMEの名前を出す奴もいるから、どこまで本当か分からねえよ」
私は黙って話を聞いた。
全部が本当とは限らない。それでも、TIMEという名前が私たちの知らない場所にまで広がっていることだけは分かった。
すると、少し離れたところで手配書を見ていた賞金稼ぎらしい男まで会話へ入ってきた。
「目撃情報なら北の街道でも出てる。黒っぽい服の連中が夜中に移動してたって話だ」
「TIMEだって確認されたのか?」
「そこまでは分からねえ。ただ、そいつらが通ったあとに騒ぎが起きたってんで、今じゃ賞金稼ぎが何人も向かってる」
別の男が鼻で笑った。
「よく行く気になるな。金は欲しいが、俺はTIME本人と鉢合わせするくらいなら普通の護衛やってるほうがいい」
「俺もだ。昔は護衛なんて安くてやってられなかったけど、今じゃ報酬が上がってる。危険が増えたのは困るが、仕事としてはありがたい話だ」
「依頼人の前で言うなよ」
男たちが笑った。
別の場所からもTIMEについて話す声が聞こえてくる。
「この前は南へ向かう商隊が、TIMEらしき連中を見たって引き返してきたらしいぞ」
「また『らしき』かよ」
「仕方ねえだろ。近づいて顔を確認する馬鹿がいるか?」
「違いねえ」
噂はどれも曖昧だった。何人いたのかも、どのTIMEだったのかも分からない。盗まれた品が本当にTIMEの仕業だったのかさえ、話している人たちは知らないようだった。
それでもTIMEは、私たちが遭遇したあの場所だけにいるわけではない。いろいろな土地で名前を聞かれ、姿を目撃され、そのたびに商人や旅人が警戒するようになっている。
護衛QUESTが増え、報酬まで変わるほどに、その存在が人々の生活へ影響を与え始めていた。
「TIMEって……私たちが思ってたより、ずっといろんなところに出てるんだね」
私が小声で言うと、オラクルが煙草の煙を吐いた。
「噂を全部信じるなよ。こういう話は人から人へ伝わるうちに尾ひれがつく。実際にTIMEがやった事件と、名前だけ勝手に使われてる話が混ざってるはずだ」
「じゃあ、どれが本当なの?」
「分からねえ。だから情報は一個だけで決めつけない。別の場所でも同じ話が出てるか、実際に見た奴がいるか、そういうのを重ねて判断するんだ」
緑がすぐに本を開いた。
「それもメモするでぷ」
「何て?」
「『噂は一個だけで信じない』でぷ」
「それは覚えといて損ねえな」
オラクルはそう言うと、掲示板の端を顎で示した。
「ただ、あれだけは噂じゃねえ」
視線を向けると、QUEST募集の紙とは少し離れた場所に、何枚もの手配書がまとめて貼られていた。
私は無意識にそちらへ近づいた。
紙の上部には大きく《WANTED》と書かれ、その下に人相や特徴、懸賞金、注意事項が並んでいる。新しいものもあれば、雨に濡れたのか端が波打っているものまであり、その前には何人もの賞金稼ぎが集まっていた。
その中に、見覚えのある文字を見つける。
《TIME》
一枚だけではなかった。
組織そのものへの警告を記した大きな紙を中心に、何枚もの個人手配書が並んでいる。ただし情報は揃っておらず、顔がはっきり描かれたものもあれば、横顔だけのもの、フードや髪で顔の一部が隠れているもの、似顔絵すらなく身体的な特徴だけが記されたものまであった。
「こんなに……」
順番に見ていった私は、その中の一枚で足を止めた。
忘れるはずがない。
小柄な身体に、白に近い髪。
似顔絵は完全ではない。それでも、私はすぐに同じ人物だと分かった。
手配書の上には、大きく記されている。
《TIME No.1》
その下には、現在判明している情報が並んでいた。
《性別・詳細不明》
《白系統の髪、小柄な体格との複数証言あり》
《各地で目撃情報あり》
そして最後に、ほかより太い文字で注意書きがあった。
《遭遇時の単独追跡を禁ず》
「……この人」
オラクルが隣から覗き込む。
「知ってんのか?」
「会ったことある。前に遭遇した《1》だよ」
あのときのことを思い出すだけで、身体が少し強張った。姿を捉えることさえ難しく、何をされるのか分からなかった。あの静かな怖さは今でも忘れていない。
「単独追跡禁止……」
私が注意書きを読むと、オラクルの表情から軽さが消えた。
「まともな情報すら揃ってねえ相手だからな。お前らも次に見かけたからって追うなよ」
「うん」
私は素直に頷いた。
その隣にもTIMEの手配書があった。
《TIME No.4》
《1》よりは顔の特徴が詳しく描かれ、下には複数の地域で目撃されていることが記されている。ただし何をした人物なのかについては断定されておらず、《危険人物》《発見時は接触を避け、最寄りの兵士・衛兵所へ報告すること》という注意書きが目立っていた。
さらにその隣にもTIME、その先にもTIMEと続いているものの、すべての番号が揃っているわけではなかった。情報の少ない人物については紙そのものが簡素で、顔の部分へ大きく《情報不足》と記されたものまである。
私は並んだ紙を見ながら、ある共通点に気づいた。
「この人たち、みんな番号が付いてる」
「TIMEの連中が番号で呼ばれてるって話は、賞金稼ぎの間じゃ有名だ」
オラクルが答える。
緑がすぐに尋ねた。
「数字が小さいほうが偉いとか、強いとか、そういう意味でぷ?」
「知らねえ」
オラクルは即答した。
「分からないことを勝手に決めつけるな。番号に意味があるのか、ただの識別番号なのか、それすら確定してねえ情報だ」
緑は頷き、その言葉まで本へ書き込んだ。
私はさらに手配書を見ていく。
その中の一枚には、似顔絵の代わりに目撃証言がまとめられ、最後にこんな注意書きがあった。
《TIME構成員と思われる人物の左手甲に数字の刻印を確認したとの証言あり》
「……数字」
私は無意識に自分の左手を見る。
あの《1》にもあった。
「フールちゃん?」
赤に呼ばれ、私は顔を上げた。
「ううん。前に会った《1》にも、左手に数字があったなって思って」
手配書を見ているうちに、黄色は当然のように別の場所へ注目していた。
懸賞金だ。
「結構高いでぷ……」
「黄色」
「見るだけでぷ!」
まだ何も言っていないのに先に答えた。
黄色はTIMEの手配書に書かれた金額を眺めながらも、さすがに捕まえようとは言わなかった。
少し離れた場所では、賞金稼ぎたちもTIMEの手配書を見ながら話している。
「この番号、また目撃場所増えてるな」
「でも確定情報じゃねえだろ?」
「だから現地まで行って確認するんだよ。本人ならでかい」
「生きて帰れりゃな」
笑いながら話している賞金稼ぎたちを横目に、私はもう一度TIMEの手配書を端から端まで見渡した。
名前が判明していない者もいれば、顔さえ分からない者もいる。どんな力を持ち、何を目的に各地へ現れているのかも、今ある手配書からはほとんど読み取れなかった。それでも、TIMEが実在し、この世界のいろいろな場所で動いていることだけは疑いようがない。
私たちが遭遇した《1》も、この中の一人だ。
あのときは逃げることしかできなかったし、今こうして手配書を見ても、戦ってどうにかできる相手だとは思えない。さっき聞いた噂がすべて本当ではないとしても、TIMEという名前が広い範囲で警戒され、商人が護衛を増やし、QUESTの報酬まで変わり、賞金稼ぎたちまで目撃情報を求めて動いている。
「……また会うのかな」
私が《TIME No.1》の手配書を見ながら呟くと、オラクルが隣で煙草の灰を落とした。
「旅を続けてりゃ可能性はあるだろうな。ただ、会いたい相手じゃねえだろ?」
「うん」
そこは迷わなかった。
「だったら今は気にしすぎんな。TIMEを追うのは兵士や賞金稼ぎの仕事だ。俺たちには別の目的がある」
その言葉で、お父さんとお母さんのことを思い出した。
顔も名前も居場所も分からず、どうやって探せばいいのかさえまだ分かっていない。そんな状態でTIMEを追いかけている場合ではない。
「そうだね」
私は手配書から離れ、QUESTが貼られている掲示板へ戻った。
◇
「フールちゃん、これがいいでぷ!」
戻ってみると、赤はまだ《家出したタヌキを見つけてください》を指差していた。
「まだそれ気になってるの?」
「何で家出したのか知りたいでぷ」
「QUESTの目的、そこじゃないと思うよ」
その隣では、黄色が十六銀Bの護衛QUESTを名残惜しそうに見つめ、緑は比較的安全そうな魔物の調査QUESTを本へ書き写していた。
見事に全員ばらばらだった。
オラクルは三枚の依頼書を順番に確認すると、私たちへ振り返った。
「報酬や安全さだけじゃなく、今の目的も考えろ。QUESTで金を稼ぐのも大事だが、フールの親について情報も集めるんだろ? だったら今は、無理なくできて、なるべく人と関われる仕事を選んだほうがいい」
言われてみれば、その通りだった。
顔も名前も居場所も分からない両親を探すには、まず何か一つでも手掛かりを見つけなければならない。荷物運びなら商人と話せるし、護衛なら旅人から別の土地の話を聞けるかもしれない。どのQUESTが両親につながるかは分からなくても、人と関わる機会が増えれば、それだけ情報を得られる可能性も増える。
「じゃあ、報酬だけじゃなくて、いろんな人と話せそうなQUESTを探そう」
「それがいい。ただし、今のお前らで無理なくできるやつな」
オラクルが念を押すと、黄色は十六銀Bの文字から渋々目を離した。
それから私たちは、条件に合いそうな依頼をもう一度探し始めた。赤もようやくタヌキから離れ、緑は気になった依頼だけをメモし、黄色も今度は報酬額だけでなく内容まで読むようになっている。
私も掲示板を見上げた。
ここにはたくさんのQUESTがあり、その周囲には冒険者や賞金稼ぎが集まっている。すぐ隣にはTIMEをはじめとする犯罪者の手配書が並び、少し耳を澄ませるだけでも、自分たちが知らなかった土地や事件の話が聞こえてくる。
旅を始める前の私は、こんな場所があることすら知らなかった。
もしかすると、お父さんとお母さんへつながるものも、こういう場所のどこかにあるのかもしれない。
そう思いながら依頼を見ていると、隣にいた赤が突然「あっ」と声を上げた。
「今度は何?」
「これ、まだ誰も見てないでぷ!」
赤が指差したのは、掲示板のかなり下だった。
ほかの依頼書が何枚も重なり、ほとんど隠れている。紙の端が僅かに見えるだけで、立ったままでは題名すら読めなかった。
「誰も見つけてないQUESTでぷ!」
赤が嬉しそうにしゃがみ込む。
「いい依頼かもしれないでぷね」
緑も興味を示し、黄色はすぐに報酬を確認しようと横から覗き込んだ。
「高いQUESTなら誰にも取られてないでぷ!」
「そんな都合よくいく?」
「見るだけならタダでぷ」
それはそうなので、私も赤と一緒にしゃがんだ。
上に重なっている依頼書をそっと持ち上げると、かなり古びた紙が一枚、ようやく全部見えた。
「何て書いてある?」
オラクルまで後ろから覗き込んでくる。
私はQUESTの内容を読もうとした。
ところが最初に目へ入ったのは、依頼の題名ではなかった。
紙の隅に、大きな文字が書き足されている。
《募集期限終了》
「…………」
五人で黙った。
赤がもう一度、紙を上から下まで確認する。
「……終わってるでぷ?」
「終わってるね」
「報酬はいくらでぷ?」
黄色が横から聞いてきた。
「そこ確認する必要ある?」
「気になるでぷ」
仕方なく報酬欄を確認すると、そこにはかなり良い金額が書かれていた。
黄色の顔が一気に曇る。
「もっと早く見つけたかったでぷ……」
「期限切れなんだから、私たちがアデューに来たときにはもう終わってたかもしれないよ」
緑は紙の端を確認しながら納得したように頷いた。
「古い依頼の上に新しい依頼が貼られて、それで隠れてたみたいでぷね」
赤は少し残念そうだった。
「じゃあ、誰にも見つかってなかったQUESTじゃないでぷか?」
「たぶん、もう用がなくなったから誰も見てなかっただけだな」
オラクルの一言で、赤の肩が分かりやすく落ちた。
私は思わず笑ってしまった。
「そんなに上手くいかないね」
「残念でぷ……」
赤は期限切れの依頼書を元の位置へ戻した。
結局、次に受けるQUESTはまだ決まっていない。赤はタヌキを探したがり、黄色は高額報酬が欲しくて、緑は安全な依頼を選びたい。オラクルは情報を集められる仕事を勧めていて、私もできるだけ多くの人と関われるQUESTがいいと思っている。
意見はまだばらばらだったけれど、焦って決める必要もない。
両親を探すための旅だからこそ、何でもいいから受ければいいというわけではないのだ。
私はもう一度、たくさんの依頼書が貼られた掲示板を見上げた。
「もう少し探そうか」
「今度こそいいQUEST見つけるでぷ!」
赤が元気を取り戻し、黄色もすぐに報酬欄へ目を走らせる。緑は本を開き直し、オラクルはそんな三匹を見ながら呆れたように笑った。
「今度は期限も見ろよ」
TIMEの噂や、賞金稼ぎたちが見ていた手配書。数え切れないほど並んだQUESTに、私たちの知らない土地や人々の話。
この広場へ来ただけでも、旅に出る前には知らなかったことをたくさん知ることができた。
そのどこかに、お父さんとお母さんへつながる小さな手掛かりが隠れているのかもしれない。
でも、私たちが次にどのQUESTを選ぶのかは――もう少しだけ、考えることになった。




