第三話 ディエラside
アスカさん
それが私の好きな人の名前
この地域では聞かない名前なので遠い地域の出身なのかと思う
アスカさんは教えてくれないけれど
でもアスカさんが何者だっていいのです
私は優しくて強い貴女に恋をしたのだから
初めて逢ったのは私が城下町にきていた時ふと目についたこの店に入った時です
店のドアを開けるとチリンチリンとベルの音がなり
「いらっしゃいませ」
そう声をかけてきたのはフードを被り顔の見えないアスカさんでした。
その時私は綺麗な声だな~ と思ってたんです。
男性とも女性とも取れる声で凛とした透き通った声だったんです。
アスカさんに言うとちょっとズレてると言われましたけど
顔を隠しているくらい気にすることでもありませんし・・・
アスカさんの性別は女性だと教えていただきました。
それからアスカさんと話をしたり店の商品を見せてもらったりして
すっかり「黒猫」 が気に入って
城下町に来るたびに寄って、そうしているうちにアスカさんを好きになった。
でも好きになればなるほど自分は男だと言い出しにくくなっていった。
言えば嫌われるんじゃないかと思ったら怖くて怖くて仕方なかった。
ずっとこのままでいたいと思ったけどやっぱりそう上手くはいかなくて
ある日おこった事が切欠で男だとばれてしまいました。
アスカさんは私が男だと知っても何も変わらず接してくれた。
それが嬉しくて仕方なかったけど私は男として意識されていないのだと痛感しました。
自分でも男らしいとはお世辞にも言えません。
ですから性別がバレたその日から私は少しずつ男らしくなるための勉強を始めました。
目指すは父様のようなカッコイイ男性です。
アスカさんに好きになってもらうのが最大の目標です。
久しぶりすぎる投稿・・・