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リライト・デッドエンド  作者: 未確定ログ
第1部 欠けた世界編 -観測-
3/56

第三話 空を見るな

朝。


神崎悠真は、いつも通り教室にいた。


昨日までの違和感は、まだ消えていない。


むしろ“薄くなっているのが怖い”。


まるで誰かが上から上書きしているように。


昼休み。


玲司がスマホを見せてくる。


「これ、最近ちょっと流行ってるやつ」


画面には短い動画。


夜の空。


だが途中で映像が乱れる。


黒いノイズ。


そして空の中心に、明らかに“異物”がある。


黒い染みのようなもの。


コメント欄は異様だった。


『見たら終わる』

『空を見るな』

『消えたやついる』


悠真は眉をひそめる。


「ただの釣りだろ」


しかし玲司は笑わない。


放課後。


教室。


同じ話題が複数のグループで同時に出ている。


「空見ると消えるやつ」


誰も発信源を知らない。


なのに“同じ内容”を話している。


悠真は違和感を覚える。


“これは流行じゃない”


その夜。


結衣がぽつりと言う。


「最近さ」


「変な夢見ない?」


悠真は反応する。


「どんな」


結衣は少し間を置く。


そして言う。


「赤い空とか……黒い海とか」


悠真の頭にノイズが走る。


見たことがないはずの風景。


だが“既視感”だけがある。


翌日。


クラスで一人欠席者が出る。


誰も名前を覚えていない。


悠真だけが違和感を持つ。


「昨日までいたはずだ」


しかし誰も同意しない。


名簿にも、写真にも、存在がない。


その日の帰り。


玲司が言う。


「なあ」


「最近さ、“思い出せないやつ”増えてないか?」


悠真は黙る。


言語化できない違和感が、確かに増えている。


夜。


SNSで再びその言葉を見る。


“空を見るな”


だがそれは単なる都市伝説ではない。


誰も発信していないのに、皆が知っている。


悠真は気づく。


これは情報ではない。


“条件”だ。


帰宅途中。


雨。


街灯。


そして空。


悠真は無意識に空を見る。


その瞬間。


空に“黒い点”がある。


まるでこちらを見返すように。


瞬き。


消える。


しかし“見られた感覚”だけが残る。


その夜。


スマホに通知。


【視認ログ:1件検出】

【対象:神崎悠真】


悠真は息を止める。


意味が分からない。


だが理解してしまう。


「今、何かにカウントされた」


夜。


部屋。


結衣はすでに寝ている。


静寂。


窓の外。


そこに“影”が立っている。


顔がない。


しかし今回は消えない。


動かない。


ただ見ている。


スマホが鳴る。


玲司からのメッセージ。


「お前、今日空見たか?」


送信直後。


画面がノイズに変わる。


そして一瞬だけ表示される。


【観測対象:神崎悠真】


悠真は理解する。


これは偶然でも都市伝説でもない。


そして――


自分はすでに“観測される側”になっている。

読んでいただきありがとうございます。

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