8・零の登校
学校に向かっている途中、横断歩道を待っていると直人に会った。
「おーす。零、おはよー」
「あぁ、おはよ」
直人は、サッカー部で朝練があるため早く登校することが多く、零とよく登校時間が一緒になる。
「零は今日も生徒会の仕事か?」
「そうだよ、仕事が溜まってるんだ」
零は1年生の頃から生徒会にスカウトされ、2年生になってからは副会長を務めている。
「生徒会の仕事で毎日こんな朝早く行くのも大変だな」
「なんか会長が早く来いって呼び出すんだよ。仕事あるときはいいけど、仕事ないときまで呼び出されるからな……」
「あぁー、そういうことね」
「なにが?」
直人は何かを察したように遠いところを見たが、零には何がそういうことなのかさっぱり分からなかった。
そしてふと、今日からツキが同じ学校に通うことが頭に浮かび、アクロスのガチファンである直人がその事実を知るとどうなるか想像した。
「てか、直人。詳しくは言えないけど、多分今日お前の命日」
「えっ!? ど、どういうこと!? 俺、お前になんかした!?」
零の突然の発言に直人は驚き固まった。
「まぁ、いずれわかるよ」
学校に到着すると2人はわかれ、直人は部室へ、零は生徒会室へと向かった。
ガラガラ。
生徒会室の扉を開けると、1番奥にある生徒会長の机にはすでに1人の生徒が座っていた。
「おはよ、生徒会長。今日も早いね」
座っていた生徒、生徒会長はプリントから顔をあげ、零の方を見て挨拶をした。
「おはよう、東雲くん。早速だけど仕事を頼めるかしら?」
真顔でプリントの束をこちらへと差し出してきた生徒会長に零はそのプリントを受けとりながら了承した。
「了解。ちゃっちゃっと仕事片付けよ」
2人はほとんど喋ることなく、生徒会の仕事を行い、時間は8時になった。
「仕事だいぶ片付いたから俺は教室に行くよ。またね生徒会長」
「えぇ、ありがとう」
零は生徒会室を後にしようとした。
すると、生徒会長はこちらを見ずにプリントを見ながら再び声をかけてきた。
「東雲くん」
部屋から出ようとした零は、足を止め生徒会長の方へと振り返った。
「なに?」
「今日、転校生が来るらしいの。知ってた?」
零はツキのことかと思いつつも、知り合いだとバレると面倒なため知らないフリをすることにした。
「いや、初耳だ」
そう言い残し、零は生徒会室から出ていった。
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