【21日 500年05月】潘金蓮! 蕭衍キレる
【500年05月】
資治通鑑原文6235文字(39/365位)
【登場人物】
・メインキャスト
8/3-蕭衍-10/14
・準メインキャスト
8/18-元恪-9/5
【あらまし】
金瓶梅の主人公として知られる「潘金蓮」の元ネタとなった東昏侯の贅沢・色狂いエピソードが炸裂します。さらに東昏侯は蕭衍の兄である蕭懿を自殺に追い込みました。ここに蕭衍が、ついに南斉打倒のため立ち上がります。
【できごと】
突然ですが、みなさま四大奇書をご存知でしょうか。『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』です。ここで最後の金瓶梅はいわゆる俗悪エログロ小説として知られており、そのヒロインの名前が、潘金蓮。そしてこれは、誰あろう東昏侯が、寵妃たる潘氏に金でできた蓮の上を歩かせた、という説話をもとにした名前となっています。実話かどうかはわかりません。が、東昏侯ならこんな贅沢遊びだってしただろう、ということですね。
この当時南北ともにグズグズであったとは言え、比較的北魏のほうが統率も取れていました。このため北魏はなんだかんだで南侵を進め、ついには淮水をも突破します。その上で南斉国内では内乱も頻発していたわけで、国体がここで崩壊していなかったのは奇跡としか言いようがなさそうです。そして、その奇跡の一端を担っていたのが、蕭懿。蕭衍の兄でした。次々に起こる内乱を鎮圧、頼れる南斉の盾として活躍します。ともなればグダグダ極まりない南斉にあって「次なる権勢者候補」と見られ、警戒されるわけです。こうした事態の推移を受け、蕭衍は幾度となく兄に向けて「官を辞すべきです!」と訴えましたが、聞き入れられませんでした。結果蕭懿は政変を企んだと讒言を受け、自殺を強要されます。これに蕭衍がブチギレて襄陽で挙兵、江陵を確保した――のですが、結果からすれば「蕭衍のもとに挙兵のための大義名分が転がり込んできた」ことを強く見るべきだとも感じています。
さらに言えば「こののちに蕭衍が革命に成功している」ことが、南斉末期の情勢に対する演出につながっているのでしょう。ともあれ蕭衍は江陵で東昏侯の弟である蕭宝融を擁立します。和帝です。ここで南斉は、史書上では東西に割れたことになります。たぶん実態は東西に分割で片付けられるほどシンプルではなかったんだと思うんですけど。ともあれ、ここで蕭衍とともにこの人の名前も現れます。韋叡。南朝屈指の名将のひとりです。
一方、ここで北魏です。孝文帝崩御後も引き続きじわじわと南征を進めつつあったわけですが、このときの宣武帝はまだ十六歳。どれだけ才覚があったとしても、軍政を主導できるとは到底思えません。そして孝文帝時代の軍略が普通に継続されている以上、それらを孝文帝主導と考えるのもまたありえない、とすべきなのでしょう。このあたりにも、何か微妙に史書からは見えない力学が働いていそうで気になるところです。




