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【夕刊シチ】デイリー両晋南北朝  作者: ヘツポツ斎
【〇四月】三六五年〇八月~三九四年〇三月

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110/131

【19日 382年09月】前秦激論! 呂光は西に

【382年09月】

資治通鑑原文2693文字(162/365位)


【登場人物】

・メインキャスト

 3/4-慕容垂-5/3

 3/15-苻堅-4/22

 3/26-謝安-4/22

 3/29-謝玄-4/25

 4/7-拓跋珪-5/17

・準メインキャスト

 3/17-姚萇-5/1

 3/24-呂光-5/7

 4/3-慕容徳-5/13

 4/9-桓玄-5/11


【あらまし】

 呂光、西方に出立。この遠征の目的のひとつが鳩摩羅什獲得であったはずが、くの字も出ず、西方諸国王からの救援依頼に応えた、とのみ記されます。そして桓沖の北伐を受け、苻堅自身が南征の軍を興し、出陣。次回、ついに淝水の戦いです。



【できごと】

 長安に西方からの使者がやって来、西方討伐の軍を興してほしいと懇願。苻堅は苻融の涙ながらの反対を無視し、呂光を西方に派出します。なお資治通鑑はこの出征の目的に鳩摩羅什があったことに触れません。これは俄かに将来の仏教まわりの描写が楽しみになって参りました。司馬光さん、政治に仏教混ぜ込むのがとてもお嫌いそうです。


 あと先にこちらの話もしておきましょう。前年に前秦軍を退けた桓沖が、今度は十万の軍を率い、北伐を開始します。この動きを受け、苻堅は襄陽に慕容垂を、蜀に姚萇を配置します。二方面から荊州を締め上げる、空恐ろしい戦略です。


 そして、この二点以外についてはほぼ、自ら南征に乗り出そうと言い出す苻堅と、それに猛反対する臣下たち、賛成して煽る臣下たちとのやり取りで染まり上がります。ここの内容はめちゃくちゃ面白いのですが、紹介するだけで一週間ぶんの時間をいただかねばなりません。なので泣く泣くカット。ここでは反対者と賛成者の名前を挙げるだけに留めましょう。


 賛成者は朱肜、群臣たち、慕容垂、姚萇、功名を焦る良家の子弟たち。


 反対者は権翼、石越、群臣たち、苻融、王猛、苻宏、釈道安、張夫人、苻詵。


 さて、省略せずに書きました。ここで見てほしいのは「群臣たち」です。どのようにも書けます。主立ったメンツの名前は確かに挙がっているのですが、ではたとえば鄧羌と張蚝はどう考えていたのだろう、とか考えてみると、「本当に反対多数だったんですか?」みたいなものはちらりと考えたくもなっています。なお個人的には張夫人の諫言がずば抜けてキレッキレなのに対して苻堅が「女が口を出すな!」で封殺したところが好きです。苻堅、杓子定規のゴリ押しです。論破されたに等しい暴挙と言えるでしょう。なお張夫人は不安に駆られ、その南征に随行します。


 出征に際し、苻堅は「司馬曜、謝安、桓沖らがこちらへ来る日は遠くないから、あらかじめ屋敷を建てておくように」と命じました。と言うわけで五胡十六国時代最大のギャグ、じゃなかった大決戦、淝水の戦いが幕を開けます。

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