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それはそうと、砂漠のレアアイテムに採取も楽しみで、このダンジョンで図鑑の2割は埋まったんだよね。へへへ。砂漠はどれだけアイテム採取できるのか今からテンションが上がる。今日は旅支度に力が入りそうだ。
防具店やアイテムショップによって、ギルド長ご指示のとおり、防塵シリーズを手に入れて、作りすぎて余っている魔法陣や、各種回復薬を買い取ってもらうと、残高がかなり増えていく。
「テント」で寝泊まりして、必要なものはだいたい自分で採取して錬金しているので、こっちに来てから支出がかなり少なくなっている。
貯金の残高を気にしなくて生きていけることも本当にありがたい。ふと。残高を見ながら、ギルド長と二人で旅をするのなら、少し贅沢もしてみるかと、この辺では採取できない物をいくつか購入しておく。
マキノのバッグはアイテムボックスではないので、図鑑に載っているかどうかで荷物の量が変わってくる。図鑑に載っているアイテムであれば、タブレットが収納してくれるので、マキノ一人の時には図鑑アイテムのみで大抵過ごしているが、ギルド長にそれを強いるわけにはいかないだろうな。
素材やアイテムではない食料の大半は、タブレットに収納できないが、そこを何とか腕の見せ所。向こうの世界の出張で培った収納術を使ってパッキングする。
ついでにいるかどうかわからなかったけど、ギルド長専用の「テント」も作成。
町の外れに張った「テント」を拠点に夜と早朝しか採取できないアイテムも採取できて、この町を出発する準備できた。さて、そろそろギルド長室に行こうかな。
と、マキノがさぁ砂漠に行こうと準備が終わった、前日の話。
「ローズ!!マキノ見た!!アイテムショップから出てくるとこを見た!!」
「ついに、とうとうマキノダンジョンから出てきたのね。」
「待ったかいがあったわ。」
ローズたち3人はマキノが諦めきれず、ダンジョン近くの町ウーライでマキノが出てくるまで1週間足止めしていた。その間、隣町で発生していたMP回復薬も無事にこの町で手に入れられ、周りの熱い視線を躱しながら、町で情報収取に励んでいたのである。
「マキノが出た後、アイテムショップの人にさりげなく聞いてみたら、マキノ防塵シリーズ買い揃えていたみたい。予定通りだよ!」
「キャッシー偉い!」
「じゃ、やることはわかっているわね。砂漠へ先回りよ。マキノは絶対レアアイテム「砂漠の薔薇」を採取しにくるはず。場所もだいたい教えておいたし、ここから2日のオアシスまで先に辿り着いておいて、偶然ねって出会う作戦よ。」
「「「おー!!」」」
慣れた様子で宿を後にすると、その日のうちにローズたちは砂漠のレアアイテム生息の地オアシスを目指した。
1週間滞在していたローズたちが旅立ったのを聞いたウーライの冒険者たちが、がっくりしていた頃、できるだけこっそりマキノはギルド長室に侵入していく。
別に普通に行けばいいんだけど、いつ何時知らない人に理不尽なことで話しかけられるかもしれないと思うとつい身構えてしまう。習性だから仕方がない。
「ギルド長~いますか?行きますよ~。」
いつもなら座っているソファーにギルド長が座っていなくて少しきょときょとしていると、いつもの冒険者風の服装にいつもは持っていないバッグを肩から下げ、立派な剣も身に着けている。
おお、結構カッコいい。ギルド長は40歳前後だと推定。そのわりには引き締まった体、長めの足、いつもの全体的に砕けた緩い感じが、今日はきりっとしているので違和感がある。どうしよ。緊張してしまう。
「よ、マキノ、おはよ。準備は万端か。じゃ行くか。」
話だすといつものギルド長で少し安心する。
「ギルド長、砂漠まではどう移動される予定ですか?」
「俺はマキノが戦うところだけ見たいだけなんでどうでもいいんだが、マキノは採取しながら進みたいんだろう。マキノはびっくり「テント」あるし、俺は野営は慣れているし、だから、ゆっくり徒歩で行くつもりだ。」
さすが、ギルド長、わたしのやりたいことをちゃんとわかってくれている。こういう些細なだけど外さない心使いができる中年のおじさんは珍しい。こっちの世界、ギルド長が上司役で本当に良かった。
「たぶん、俺とマキノなら歩いても2日もあれば砂漠のオアシスにはつけると思う。砂漠自体はこの町から西に1日半ぐらいのところにあるので、着替えは砂漠が見えてからでいいからな。水は大丈夫か。」
「水も、蒸留水も100個以上持っているので大丈夫です!」
「お、おう、マキノは本当真面目に採取も錬金もしているな。ちなみに砂漠近辺で採取できるアイテムは12~3種類で、モンスターの素材やドロップアイテムは6~7種類ぐらいだ。だいたい、この世界はその土地でしか取れない新規の特産物みたいなアイテムはどこでも20種類前後だと覚えておくといい。
砂漠周辺のモンスターであれば今のマキノのレベルだと俺は手は出さなくて済むと思うけど、時期的にイベントじゃないけれど、砂漠の主の暴走があるかもしれないので念の為いつでも戦えるようにはしておくわ。」
「砂漠の主の暴走ってレアアイテムがゲットできるんですか?」
「レアアイテムではあるな。たぶん。いつもなら1匹3個取れるところが暴走で6匹18個取れるようなイメージ。強さは変わらず出現する数が増えるんだ。そして砂漠の主は倒さないとアイテムくれないパターンだな。」
「了解しました。ギルド長の足手まといにならないように気をつけます。」
そうマキノは真面目に頷くが、レベル52あれば冒険者Aクラスに匹敵する。初手を間違わなければほぼ大丈夫だと思うが、砂漠の主は大きくて素早くてそれが暴走で増えるとAクラスパーティでも手こずってしまうのを知っているので、今回はちょっと陰から助太刀しようかなという気持ちもあったりする。
それにしてもテスターにこんなに興味を持ったことは初めてかもしれない。俺が一緒にパーティを組んで行ってもいいのか上司にちらっと問い合わせはしておいたが、『心赴くままにどうぞ。』という回答が返ってきた。
うちは大抵これだな。心赴くように。それが一番効率よく成果が上がるのだと信じているようだ。物わかりが良くてこっちも助かる。
さて、俺にとっては久しぶりのフィールド。ギルド長に落ち着いてからまた冒険者をするとは想像もしていなかった。人生何があるかわからないもんだな。
「マ、マキノ!!な、なんなんだ今の魔法は?!」
「なんだかんだと聞かれたら・・・」
「いや、マキノその続きは今は横に置いといてくれ。」
某アニメの決め台詞を言おうとして止められたので、前回精霊王の方々に説明したとおりギルド長にも説明をすると、ギルド長頭を抱えている。
「一瞬何がなんだかわからなかったぞ。マキノがあっちにいきこっち来ては採取を繰り返す様子が木の実を貯めこむリスみたいだなと微笑ましく見ていたのに、「サンドスネイク」が登場した途端、素材の「サンドスネイクの皮」が落ちていて、びっくりしたわ。確かに魔法を使った痕跡は分かったが、あっという間で注意していないとまったくわからんな。」
「省エネ省略自動オートです。」
「ああ、説明はさっきひととおり聞いたからわかった。それにしても、よくこんな魔法思いついたな。マキノの魔法レベルが均等にそれでいて上りが早いのがやっとわかったわ。やっぱり実際、見に来てみるもんだな。マキノがいつも瞬殺ですって報告していたけど、こんな瞬殺だったとは。」
「へへへ。」
「まぁとにかく謎は解けた。今回は砂漠のオアシスまで付き合うからマキノは採取を続けてくれ。」
「じゃ、今度はあっち地図が光っているので行ってきます。」




