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ぼっと考えつつ、MP回復しなきゃいけないので「テント」を設置して中にはいると、こっちの人との付き合い方についてギルド長に相談しようか。
と思いついて、あ、ギルド長への定期報告忘れていた…。やっぱり自分の好きなことでいっぱいになった時に、人との約束を忘れるようなダメ人間なんだと深いため息が出てきた。
「で、マキノ、ダンジョンはどうだ楽しいか。」
「ええ、楽しいです。すみません。連絡が遅くなってしまって。」
「いいや。マキノはましだよ。忘れてしまうやつは1年経っても連絡しないやつもいたしな。」
「え、そんなの有りですか!」
「ま、そいつはギルドの依頼を受注するためにしょっちゅうギルドに顔だしていたし、町の宿屋に泊っていたし、ハーレムして噂も結構聞こえてきていたから、どこで何をしているのかはある程度把握できていたからな。」
「そういうのってギルド長わかるんですね。」
「そういうことだ。マキノはギルドの依頼も受注せず、宿屋にも泊まらず食堂にも顔を出さないが、ちゃんと律儀に報告してくれているので助かっている。あ、タブレットの右の側面にボタンがついていないか。それを押してみてくれ。」
「ああ。あ。これですね。了解しました。」
『レベル34 職業空欄
HP8200/8200 MP8000/8000
武器なし 防具ミノタウロスシリーズ
魔法 風魔法レベル36 水魔法レベル36 土魔法レベル36 火魔法レベル36 錬金レベル40』
「うーむ。」
ギルド長の唸り声が聞こえてくる。
「ギルド長、何かいけなかったでしょうか?」
「いや、相変わらず武器なしで、魔法レベルだけどんどんあげて、どんな戦い方をしているのか興味があるなと。」
「普通に魔法で戦っているだけです。剣道の嗜みもないのに、剣とか、うまく振れないですよ。その点、魔法は思ったとおりなので楽です。」
「おう、そうなのか。まぁ実際剣はちゃんと学ばないと使えんわな。今度マキノが今のダンジョン出たら、一度俺もマキノがどう戦うのか一度見たいから着いていこうかな。」
「ギルド長が長期ギルドを不在にしたらギルドが困るんじゃないですか?」
「いや、その点は大丈夫だ。各ギルドには、ギルドマスターがいるからな。」
「へ?」
「大抵のこっちの世界の冒険者が顔馴染になって、困りごとをさばいたりするのがギルドマスター。俺はその上のお飾りの長だから、居なくても大丈夫。俺は向こうの世界とこっちの世界の調整役だから、こっちの冒険者の面倒までは見れんよ。体がいくつあっても足りんぞ。
こっちの世界の各ギルドの役人にとっては、俺は本社のお役目さんみたいな感じだ。よっぽどのことがないと報告もない。
ただ、マキノみたいな向こうの世界のやつがやんちゃしたり影響が大になったり、今までこっちの世界になかったものが急速に増えた時に判断したり対処を取ることになっている。
明らかにこっちの世界のギルドの役人がどう対処していいのかわからない時だけ口を出すんだ。各ギルドのギルド長が俺一人のわけもそんなところだ。俺の現在の報告対象者で何か影響を及ぼすのもマキノだけだからな。」
「なんとなく仕組みがわかりました。ではダンジョン攻略したらまた報告にいきますので、次は西のアーバンを目指そうと思いますのでそっちでご一緒にどうぞ。」
「西のアーバンに行くのか。あっちは砂漠があるぞ。いろいろ準備しとかないとな。」
「ええ、先ほど知り合いになったローズさんという方が、そちらにレアな素材があることを教えてくれまして、ちょっと興味が出たので気になりました。」
「ローズって「暁の乙女」のローズか?栗色ポニーテールすらりとした長身でしっかり姉御肌のローズ、深緑天パのふわふわ髪でちょっと小柄で癒し系のミント、金髪ショートの元気者で抜群のプロポーションのキャッシーだったのか??」
「な?なんかギルド長ものすごく描写細かいですね・・・。細かいところはよく覚えていませんが、お名前はそうだったし、そんな感じの美人のお姉さん方でしたよ。」
「マキノの他人を見る目線は淡泊なんだな・・・。結構あの3人インパクトあるぞ。」
ちょっと苦笑している声が小さく聞こえてくる。
「ギルド長こそ、よく御存じなんですね。」
「そりゃ、ギルド長たるもの、情報はいくらでも手に入るからな。「暁の乙女」といえば、実力も容姿も性格も良しという人気上昇中のパーティだからな。ギルド内でも評判は良いよ。
受注した仕事は確実に達成するし、攻撃、回復、支援のバランスも良いし、パーティ人数が3名で、後2名追加で加入できる余裕が残っているというのが、希望に見える冒険者も多い。ただし、3人の見る目は厳しくて、そう簡単に加入は認められないから、下手に妥協しないということで余計人気は高くなっているんだよ。」
「へー。ローズさんとこって、そうだったんですか。わたしさっき加入要望されましたが、断ってしまったんですけど。」
「な、何!マキノいつの間にそんな誘われるようなことになったんだ!!」
ギルド長が水晶の先にいるというのに食いついたように聞いてくるので、さっきまでの出来事を簡単にまとめて伝える。
「そうか。そういう流れならマキノ誘われるわな。まぁあんまり難しく考えずに心惹かれたら無理することはないぞ。」
「はい、今は誰かと一緒に戦うことよりも採取と錬金が楽しいんです。今、達成率やっと1割ぐらいなんですが、新しいアイテムに出会う時が一番わくわくしてますから、今後は人がいる時はできるだけ「テント」の中に隠れておくことにします。
あ、ギルド長、ダンジョンのボス戦直前限りでいいと思うのですが、もし、また縁があって誰かと一緒になってしまった時、その人が信用できる人であれば「テント」のMAX回復声掛けしていいでしょうか。なんか自分だけズルをしている気持ちが心苦しくなってきているんですが。」
「ああ、マキノのびっくり「テント」な、あれは出しどころが難しいが、図鑑が「テント」として認めたということはこの世界に存在しても良いということだ。そうだな。
レベル40以上のものが潜れる高位ダンジョンであれば許可する。今マキノの潜っているダンジョンだと25階から30階が対象だな。25階の中ボスと30階のダンジョンボスの前ならいいわ。
深層部の宿屋設置も迷ったからな。
ダンジョンに限りなら、宿屋のおやじも怒ってこねえしな。ただし、人は良く見ろ、下手したらお前の「テント」脅し取られたりするかもしれんから。同じ物を作ってくれって言われたら、300万だな。」
「300万!!高すぎませんか。それ。」
「いいや。MP回復薬がほとんど出回っていない中、それがあるかないかでダンジョンの攻略ができるかどうか左右する代物だ。そんなの誰も見たことないようなものだしな。ああ、ちょっと待て。」
ギルド長が何やらごそごそしているのが聞こえる。
「おい、今からデータ送るから、さっきと同じ側面の右ボタン押してくれや。」
なにかわからないけど、言われたとおり押すと、
「データ受信したら、アイテム図鑑の「テント」欄見に行ってくれ、そこにギルド許可マークつけておいたから。それがあるっていうことギルドの許可がないと作成したり譲渡したりできないっていう記なんだわ。
一度「テント」を仕舞って、今度出したら「テント」にその許可マークがついているはずだから、嫌な奴は、それを盾に断ればいい。
こっちの冒険者がギルドにはむかうことは死活だから効果あるはずだ。錬金して譲る時には俺にとりあえず連絡しろ。レベル40まで潜れるようなパーティはましな奴が多いが、やはり血の気の多い集団もたまにはいるんだよ。マキノの運はMAXだから大抵の困りごとは回避できると思うが。」
「わかりました。ありがとうございます。」
いろいろギルド長と話ができて自分の中が整理できてすっきりした。ギルド長は何を聞いてもすぐに決断してくれるのが本当助かる。自分の本当の上司になってもらいたいぐらいだ。
すっきりしたところで、さぁ10階の中ボスに挑もう。10階の中ボスは「カーバングル」で、見た目は非常に可愛いので倒すのがちょっとためらうのだが。
MPをがっつり取られるので強いのは強いんだよね。
わたしはいつの間にかモンスターのレベルはどれだけMP取られるかで計っているようだ。「カーバングル」は今のわたしのMAX状態のMP量で4匹ぐらい倒せるぐらいになっている。まだまだもう少し余裕はありそうだ。




