表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
10/40

10

 「ふわふわの毛皮」は防具になりそうなので、布や糸や強度のため「鉄鉱石」や防御のため光成分「月の光」などと組み合わせてみたところ「角うさぎの小手」や「角うさぎのお守り」が出来た。


 可愛い。もふもふしている。毎回採取する余り気味の「薬草」や「水」も錬金レベルを上げるためにどんどん「傷薬」「蒸留水」に変えておく。きっと「蒸留水」も他に使い道があるはずだと思う。


 少しもったいなかったけど「朝露」と「初級回復薬」を組み合わせて「中級回復薬」ができないか試したりもしたけれど、そう簡単ではなかった。でも、失敗すると次に何を組み合わせしようかと考えるのも楽しい。


 そうこうしているうちに、昨日宿を抜け出した時間に近づいてきた。今日は思うところがあって、昨日より早く抜け出した。


 町を出ると足元も暗い中、タブレットのほのかな明かりを頼りに森へ行く。森に着いたらタブレットの地図を確認していく。まだこの時間夜にしか採取できない素材を採取できる時間だ。


 森の夜の素材は貴重なのでどんどん進む。そして昨日、亀に出会った場所に辿りつく。今日、亀はまだ出現していない。


 今日はいつ亀が出現するのかを確認するためにやってきた。そもそも亀は今日も出現するかどうかもわからない。昨日の幻想的な風景。山の主の大きな亀の、その背中に光って生えていた何かを差し出すように物言いたげな目。その再現をもう一度見たいという気持ちもあるし、「主の力」は絶対レアアイテムだし、今後要所々で使うことも多いだろうという予感もしている。


 4時を回る。昨日は5時前にここに着いたので、1時間ぐらい前からかと思ったけど、まだ出現しない。1日1回ではなかったのかとちょっと気落ちしつつ、亀の出現ポイントの前で、タブレットで錬金を続けていると、4時半。


 亀が昨日と同じ場所までゆっくり歩いてきた。

 亀だ。亀。昨日と同じように背中の何かが光っている。躊躇わずに手を出すと「主の力」が手に入った。今日も3個。嬉しいな。


 このまま、今度は何時頃まで亀が出現しているのか確認したくて居残っていると、5時過ぎには森に戻っていった。亀は早朝4時半から5時までの時間、1日30分だけの出現のようだ。レアだな。確かに。


 昨日と今日で、「主の力」が6個になったので、そろそろ試してみたい自由錬金がある。そのために他の素材は、いろいろ錬金しておいて十分に在庫ができている。


 「綿の布」「カーボンファイバー」「初級結界石」「主の力」「ふわふわの毛皮」それらを軸に個数の調整をして試してみる。ギルド長の「ここでの魔法は意志の力。思う力が魔法になる。」という言葉を思い出す。


 HPMPとも全回復できる結界付きの「テント」が本当に欲しい!欲しい!


 念を入れてタブレットのスタートボタンを押すと、今まで感じたことがない勢いで、タブレットに自分の何かがごっそり取られるような、気持ちひっぱられるような感覚。桁違いのMP消費と引き換えに、成功の文字が画面に表示されている。やった!成功した。


 通常の「傷薬」がMP3で作れるのに対して、「テント」MP1500ぐらいごっそりなくなっている。ここ数日レベルアップしてMPも少し増えていたから足りたけど、消費しすぎだろう、これ。凄いな、でも、できた。あ、錬金レベルが一気に10ぐらいUPしている。経験値も桁違いに多かったようだ。


 早速外に出してみようと図鑑を調べてみるけれど、最初の方のページには載っていない。随分ページをめくっていって、錬金ページのかなり後ろの方で他の枠は真っ白なまま、「テント」だけ燦然と光って載っていた。


 通常の既に完成されたレシピで作成するのと、自由錬金で作ると自由錬金で完成した方が少し光っているような気がしたけれど、「テント」は今までの自由錬金完成品よりも、より光っているような気がする。


 あ、「テント」の枠の中に★が4つ付いている。今まで作ってきて初めてだな。星の数はレアレベルかもしれない。光ると綺麗だなぁ。


 もっと全画面を光らせてみたい気もする。初めての★4の画面にうっとりしながら、確認ボタンを押して早速「テント」を出してみると、普通のアウトドアでつかう四人用ぐらいの大きさの何の変哲もないものが出てきた。


 そこは自分の想像力の反映なのかも。置くだけで設置と固定がされるみたいで思ったよりしっかりしていて、わざわざ四隅を留めていないのに風で飛ぶようなことはないようだ。


 うきうきして中に入ると、びっくりした。いや。なんだこれ。


 確かに宿屋同様にHPMP全回復するようにとスタートボタンを押す時に頭の中に宿屋のベッドの映像がよぎった。確かによぎった。「テント」の中は今、泊まっている宿屋の部屋に似ていた。ベッドも机もある。部屋が「テント」の中に再現?されている?


 こっちの世界の「テント」って凄い。本当。毎回、この世界はこういうものなんだと、思うようにしているが毎回いろいろ驚かされる。


 気持ちが落ち着いたら、とりあえず実験だ。MPがもうほとんど残っていない。ベッドに上に座ると、例の「眠り薬」を飲んで寝てみる。


 前とまったく同じように、目が覚めるとHPMPともに全回復していた!!これで今後宿屋に泊らなくていい!一日中フィールドで採取と錬金ができる!!やったー!この世界にきて本当に心から嬉しいと思えることに何度も遭遇している。感謝感謝。


 地面にしっかり固定されているかと思った「テント」だったけど、収納したいと思ったら案外簡単に小さく折りたたまれてカバンに入っていった。いいぞ、これ。本当に。


 森周辺で取れる早朝だけのアイテムをそそくさと採取すると、いったん町に戻る。宿屋の手続きをしないといけないのが、ちょっと気が重いが、それよりも何よりも今後は自由だと思うと知らない人と話さないといけないおっくうな気持ちも軽減されていくような気がする。


 自分の泊まっていた部屋を片付け、宿屋のおかみさんに出発の連絡をして今日までの費用の支払いをした。


「次の町に行くのかい。気をつけてね。」


 知らない人だと思っていたけれど、数日泊まったせいなのか、優しい言葉で送り出してもらえて、なんて返事して良いかわからず無言でぺこりと頭を下げて出てきた。上手にお礼や感謝の言葉がすぐに出てくる人がちょっと羨ましい。


 これで手続きが終わった。ほっとしたらアイテムショップに足を向ける。当分町に来るつもりはないからショップでしか買えない素材の補充をしておきたいし、在庫が結構な量がある回復系の薬も売っておきたい。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ