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 昨日は草原の早朝採取できる素材を入手したので、今日は森へ向かう。


 早朝の森は清々しい。夏休みの林間合宿を思い出す。

 ざくざくと森の中に進み、タブレットで光っている場所を確認する。夕方には光っていなかったところが確かに光っている。わくわくした気持ちを抑えられない。


 光っている場所に辿りつくとそこに想定通り「朝露」があった。

 これはきっと上級系の回復薬の素材になりそうだ。他にも知らない地点で光っている場所がある。


 昨日の夕方よりも少し奥に進むと光っている場所に亀がいた。亀。大きい。山の主?亀の背中に何か生えているが光っていてよくわからない。亀はモンスターではないようで攻撃してこないので、恐る恐る近寄っていくと背中に生えている何かを取らせてくれるようだ。


 「主の力」を手に入れた。


 早起きは三文の徳だとしみじみ感じた。何やら良さげなアイテムを手に入れて身も心も軽い。成人してから久しぶりの飛びたいような幸福感。


 もちろん、続けて森のアイテムを次々と採取していく。「スライム」も「角ウサギ」も「眠りキノコ」も瞬殺で素材もドロップアイテムも増えていく。でも在庫がどれだけ増えても錬金するとすぐに無くなるので手を止めたりはしない。


 新しい錬金レシピを手に入れるためにも在庫は潤沢にあった方がいい。特に宿屋に泊るのであれば夜は外に出ることができないので日中が勝負である。


 今日のお昼ご飯は「リンゴ」だな。ギルド長の心遣いはありがたいけど、熱々の山盛りランチよりも図鑑が1個埋まる方がわたしは優先したい。そっちの方が気持ちのわくわく度ときめきが高いのだ。


 自分の時間が循環しているのも食事に気持ちがいかない理由のひとつかもしれない。もともとそれほど食に興味があるわけじゃなかったけど、こっちに来てから特にその傾向は強い。


 生理現象もないのかもしれない。そのおかげなのか、髪を洗っていなくてもてかてかもしないし、痒くもない。汚れも目立たないような気もする。毎日自分の体が前日に戻っているような感じなのだ。毎日新しくなっているのかもしれない。とにかく爪も伸びてこないんだなと、さっき気づいた。こっちに来てから3日目になるのに。


 夜もあまり寝ていないせいか、時間的には3日こっちにいるんだけど、自分的には長い1日を過ごしているような気もする。


 自分史上一番のテンション高い時間が続いているわけで、感覚がおかしくなっている可能性もあるが、集中したいことがあると、睡眠や食事が後回しになることが前からあったので、気をつけないといけないなと少し思うが、少しだけだったので、採取を続ける。


 「水」を採取できる小さな小川で、昨日作った「つり糸」を使ってみる。そもそも使えるのかどうかもわからなかったけど、やってみないとわからない。


 結果、釣れた。あんなちゃちな「つり糸」なのに、この世界の仕様なんだろうな。「イワナ」が釣れた。釣れた瞬間に「イワナ」は姿を見せることもほどほどに、タブレットに移管したのは驚いた、そして1回使った「つり糸」は役目を終えて消えていた。そういう仕様なんだね。と、毎回納得していくしかない。


 「スライム」、「角ウサギ」、「眠りキノコ」のどれと出会っても瞬殺しているのでこっちのHPはまったく減らないが、省エネ省略自動オートと言えども魔法を使っているのでMPはじわじわ減っていく。


 森の中でも思いつくまま錬金しているせいもある。MPだけ減っていくので、本気で「テント」が欲しい。


 ひとつ思いついている素材の組み合わせがあるが在庫の関係で失敗ができないので、明日もう一度朝から森にきて在庫を増やしてから確認してみたい。


 今日は「リンゴ」1個食べて宿に帰ることにする。それにしてもこっちの「リンゴ」は瑞々しいし美味しいし元気が湧いてくる気がする。本当もう毎日これでいいんじゃないかと思う。いつか飽きてしまうんだろうか。


 宿に帰る前に、アイテムショップに寄って、前回青いガラス玉だけ買って、他を買い忘れてしまっていたので、この辺で採取できないことがわかった「塩」「火炎キノコ」「雪山キノコ」「麻痺草」「毒消し草」を購入。残高が少し気になったので「傷薬」と「初級回復薬」を買い取ってもらう。


 お店の人に、「ふわふわの毛皮」がたくさんある話をしたけれど、次の町の方が買い取り価格が高くなるらしいので、困っていなければ持っている方が良いと言われた。


 まぁこの町で「ふわふわの毛皮」の錬金レシピは公開されていないようだし、武器防具にも素材は使われていないみたいなので、買い取ってショップで不動品になるのをやんわり断られたのかもしれないが、困っていなかったので素直に取りやめた。たくさん在庫があるので自由錬金の材料にしてみようか。


 宿に戻って順番に気になっていた錬金を試していく。何を入れて失敗したかはタブレットのメモ欄を使っている。本当はノートやペンが欲しいけど、アイテムショップには売っていなかった。


 アイテムショップで買った「塩」と「月の光」と「星の欠片」を使ってみると「初級結界石」ができた!

やはり結界に必要なのは「塩」浄化と月や星の光成分だったんだな。自分の想定が上手くいくと非常に嬉しい。 

 「塩」が足りなくて昨日はうまくいかなったし、「月の光」と「星の欠片」は初日の夜の草原でしか採取できていなかったので在庫が少なくてあまり試せなかったのが敗因かも。やはり「テント」で夜通し採取したい。


 出来上がった「初級結界石」は図鑑の絵の中でも淡い光を放っていてなかなか綺麗。タブレットの確認ボタンを押して、実物を取り出して机の上に置いてみる。


 柔らかい光が身を包んでくれているような気がする。これがこっちの世界の結界なんだな。図鑑によるとレベル15ぐらいまでのモンスターからの不意打ちがなくなるらしい。もちろん、こっちから手を出した場合は戦闘になるらしい。


 この町にはレベル5ぐらいまでのモンスターしかいないから、これさえあれば外にいても採取も錬金も危険ではない。まぁレベル5のモンスターなら出会っても瞬殺できるんだけど。とにかく「結界石」が作れて、図鑑がまた埋まって嬉しい。


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