マリアと王国の受難
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
短くまとめるのが苦手です。
ではでは~
((タコー様が戻ってきた))
いち早く匂いで確認したケンタウロスのふたり。
「キャサリア、どうします?」
「はいー、どうしましょう」
「何、何?」
『タコー様、戻った』
「とりあえず、部屋に戻らない?」
コッカが提案する。
タコーは、いきなりでは、国王と侯爵に会い辛い。
キャサリアの部屋ででも、打ち合わせをした方がいいと考えた。
「それでは、陛下、閣下。今一度、席を外させていただきます」
「のちほど改めてお話を」
王国の存亡にかかわる会談の場を確保しようと約束を取り付けたかった国王。
「あの方次第でございます。陛下」
少しいじわるをするコッカだった。
「陛下、父上、一度、部屋へ下がらせていただきます。彼女らと女同士で話をしたいので」
キャサリアは、国王と父に許可を求める。
「ああ、頼むよキャサリア。陛下よろしいですね?」
言葉通りに受け取った侯爵は娘に託する。
キャサリアの真意は、自分だけタコーに会えないのが嫌なだけだった。
王国危うし。
= = = = =
屋敷の奥にある井戸の脇。
タコーはマリアに提案されて行水をしていた。
日中、草むしりは、そこそこ汗をかく。
それを見てマリアがたらいに水と湯を入れて、日向に置いておいたのだった。
本心は混浴でもと思ったが、侯爵夫妻のいるので我慢した。
マリアは、ことのほか情熱的(?)だった。
タコーに着替えを準備するから、着ている服を洗濯しておくと提案した。
これは、気が利く女アピールではなかった。
用意しておいた拭布を井戸の傍らに置くと脱いだ服を全部抱えて持ち去った。
スタスタと屋敷の廊下を進み、誰もいないことを確認すると抱えた服に顔をうずめて、想い人の体臭を堪能するのだった。
「フフ、男くさい」
思いがけず肌を重ねることになった男。
一見、冴えない優男なのに悔しいくらい敵わなず、弄ばれ、それでいて無理強いはせず、優しかった。
マリアの至福の時は長く続かなかった。
「スンスン、タコー様匂いがする」
「確かに」
「アニキ?どこー」
「おかしい。マリアの色しか感じない」
「お、お嬢様がた」
観念して声のする方に出向くマリア。
「主様の服?」
「は、はい。お召し物を洗濯しようと思いまして」
「主様はどちらに?」
「井戸の傍らで行水をなさっています」
「みんな、どうする?」
「「「覗きに行く!」」」
キャサリアの問いに揃って答える自称妻たち。
「お嬢様がた、行ってらっしゃいませ」
マリアは詮索されずに済みそうでホッとした。
「ねえねえ、マリア。アニキ臭っていいよね」
「堪能したくなりますよね」
「フィーも腕枕の時うれしい」
「抱きしめるように持っているのは、いささか不自然ですね、お姉ちゃん」
「ヒィーーーーーー」
マリア、物心ついてから初めての悲鳴だった。
= = = = =
井戸端では、行水を終えたタコーが屋台で買った炒り豆をかじりながら、酒をちびちびやっていた。
「着替え、遅いなあ」
少し離れたところに低木が並べて植えられていた。
この低木の役割は、賊の侵入を阻害すること。
ただし、今は、覗き魔の身を隠すのに使われている。
「なんだ、アレ?」
タコーは、低木に見え隠れする見覚えのある馬体の背中を眺めていた。
「コッカとキャサリアが前かがみになっているのか」
おそらくはココモとフィーも一緒だと想像に難しくはなかった。
= = = = =
「うーん、ここからしか見えないか」
「ココモ、少し寄って」
「う、う、狭い」
「もう、この屋敷はなってないわ」
「あの拭布は邪魔だよぉ」
「タコー様、一段と筋肉がつきましたね」
「肌の色、龍牙みたい」
「うう、鼻血が出そう」
見慣れているはずが、シチュエーションのおかげで娘達はいつもより興奮していた。
健全に育ってきたおかげで性欲も旺盛な娘たちだった。
= = = = =
大広間でマリアを呼んでいた。
「マリア、陛下がお呼びなの。ちょっと来て」
マリアは、洗い場にタコーの服を置き、名残惜しそうに大広間に向かった。
「お召ですか、陛下」
「マリア、よかったら、お茶のお代わりはもらえるかな」
「はい、かしこまりました」
マリアは、タコーに教わったようにお茶を入れた。
この世界では、まだ茶葉の栽培は本格化しておらず、香りを出す淹れ方が確立していなかった。
タコーは、そこで自分の体験の中から、試行錯誤を繰り返し、こっちの茶葉に合った淹れ方にたどり着いた。
また、干した果実を加えフレーバーを楽しめるようにしていた。
「どうぞ」
「ありがとう。このお茶はどこのだい?これほどのモノは、生まれて初めてだよ」
「ある方にご都合いただきましたものです。逸品かと存じます、陛下」
「これほどのモノを手に入れられるとは・・・。もしかして、例の方なのか?」
「わたくしの口からは申し上げられません。お嬢様がたにお尋ねされるのがよろしいかと存じます」
国王は、お茶を複雑な表情で味わっていた。
いかがでしたか?
王国編はまだ続いちゃいます。
次話をお待ちください




