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生まれたままの姿で

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


国王の憂いをよそに娘たちはペースを崩しません。


ではでは~


「おーい。お前ら、何してんだ?」


「「「「・・・」」」」


「さっきから見えてるぞー」


「「「「・・・」」」」


「ココモ、そのでかい尻はお前だろ」


「ボクのお尻はそんなにおっきくないよー」

タコーの言葉に立ち上がるココモ。


「何してるんだ?」

「え?にゃ、なんのことかにゃ?」


『もう、タコー様につられて』

呆れを隠し切れないフィー。

「しまった。アニキの罠か!」

『ココモ。あなた、わざとなの?』

『コッカ、もしかしてココモって、わざと?』

『どうかしら』


「こらこら、コッカもキャサリアも丸見えだぞ」

「「ううっ」」

「お前たち、俺をバカにしてるだろ」


「フィーまで来てたのか」

「フィーも性欲はみんなと同じ」

「あんまりはしたないことをするなよ。統領に顔向けできないからな」

「にゅー」


 = = = = =


「マリア、そろそろお客(タコー)様にお越しいただけないかしら?」


(あ、お着換えを忘れていました)


マリアは、タコーの着替えを取りに、自室に戻った。

タコーが屋敷に来たとき、キャサリアの部屋では都合が悪いということで自室に荷物を置くように提案したのだった。

見事な作戦だった。


屋敷には、ほかの使用人がいない。

屋敷に不慣れなタコーの身の回りの世話をキャサリアにさせる訳にはいかず、やむを得ないと義姉妹を説得したのだった。


就寝は、続きの衣裳部屋を使うということで落ち着いた。

タコーは宿に泊まると主張したが、ココモが腹を鷲掴みにし、コッカとキャサリアが足を踏み、フィーが噛みつくという説得でその主張はなかったことにされた

その時マリアは、タコーを励ますために強く手を握り、決して離さなかった。


マリアが、タコーの荷物を物色するも着替えは少ない。

旅をするのに荷物を増やしたくないからだろう。


いざとなれば、リフィに頼ることもきっとあるに違いない。


そんなことを考えながら、タコーの着替えを探す。

ズボン、シャツ、そして下穿き。

じっと見る。

着用時にアレが収まっている場所をじっと見る。

顔が赤くなってくるのがわかると意識を変えた。


着替えは旅のせいだろうか、ずいぶん着古されている。

ただ不思議なことにことのほか清潔だった。

ビリオネリラント大公国の時には気が付かなかった。


服を畳むとタコーの許に速足で向かった。


 = = = = =


「こら、やめろ。布を掴むな」

「えーーーー、アニキ、抵抗しないでようー」

「抵抗するわ。全裸でお前たちの前にいるところを誰かに見られたら、犯罪者にしか見えんだろうが」

「ですが、誰にも見られなければよろしいのでは?」

コッカも悪乗りしている。


「だから、国王の護衛が来てるだろうが」

「屋敷の中は自由に行き来できませんのでご安心を」

キャサリアもはしゃぎ気味。


「井戸くらい使いに来るだろうが」

タコーの心配をよそに娘たちは、はしゃいでいた。



「何やら騒がしいな。キャサリア殿、何事ですか?」

「はっ!」

時すでに遅し。

はしゃぐ声を不思議に思った国王の護衛が奥の井戸端に様子を見に来たとき、キャサリアの返事が遅れた。


「お前はさっきの掃除夫! 不埒者め、懲らしめてくれる」

若い護衛は、状況を即座に判断し、躊躇なくタコーに剣を向けた。


「あ、あ、いいのだ。その方には落ち度はない」

「キャサリア殿、ご心配なく。この者に少々痛い思いをさせて、思い知らせるだけですから小官にお任せください」

キャサリアは、穏便に済ませようと声をかけるが、護衛の耳には届かない。


キャサリアは、近衛隊の中でも人気が高かった。

不器用なほど生真面目で、根が優しく、平民出身の者に接する時も同等だった。

堅物ではなく、部下を少し甘やかす面もあり、部下の不始末に謝りに行くことさえあった。


以前の戦闘で少なからず部下を失ってから、変わったのは、本人も自覚していた。


そんなキャサリアにいいところを見せたいと思う若者が張り切った。


「危ない! アニキ、そいつ殺さないの?」

ココモが叫ぶ。

「バカいうな。こっちは丸裸だぞ。お前らと一緒にするな」

「ふざけるな!」

若者の振るった剣が空を切る。

かろうじて切っ先を避けるタコー。


若者VS中年全裸男の構図が出来上がる。


タコーは、井戸の方に逃げる。


「逃げるな、卑怯者!」

「じゃあ、お前も素手で来いよ」

「戯言は聞かん!」

若者がタコーの後ろから斬りかかると必死に避けるタコーのかかとを切っ先がかすめる。

「やべっ」

そのまま転がり井戸を挟んで対峙する。


「タコー様!」

マリアが血相変えて駆けてくる。


「傀!」

「うっ」

対峙した若者が動きを止めたその刹那、詠唱を終えたフィーが法術で動けなくした。


その機を逃さずマリアが地を蹴って跳ね上がり、若者に飛び蹴りを見舞う。

若者はふっ飛び目を回した。


「タコー様、お着換えをお持ちしました」

呼吸を整えたマリアが微笑みながら着替えを差し出した。

いかがでしたか?


護衛が斬りかかったおかげで国王がますます窮地に立たされることになりました。

みんなで国王を応援してねw


次話をお待ちください。

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