↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
66/140

概ね事件の落着

ここまでお読みいただいてありがとうございます。


王女救出のチャンス到来です。


ではでは~


タコーは暗闇の中、不可視の加護を発動させた。


静まり返った旧外交館街に人の気配がある。


この辺は、ビリオネリラント大公国の中心部に近い。

大通りを整備するうえで邪魔になるため、区画整理を実行するにあたって、各国に放棄させた。


大公国内の軍隊移動を滞りなく行え、有事の際には即応できるようにした。

併せて、その両脇に裏路地を舗装道に敷設し直し避難民の避難路を確保した。


キャサリアには、大公都の再開発程度に見えていたのだったが、実際は大公都の戦略上の大改造だった。


その一角をタコーは不可視の加護を過信せず、認識されないようになっていても用心深く探索を続けた。



ふと夜の湿った空気と埃の匂いに交じって仄かに酒精と料理の匂いに気が付いた。


(近いかな?)

注意深く音を立てないように匂いを頼りに探す。


一軒、通用門が開いていた。


(罠は勘弁してくれよ)

誰に頼むでなく、罠を警戒しつつ門の内側を伺う。


懐から糸を取り出し、1mほど伸ばして投げ込んだ。

敏感な検知や罠は、施されていなかった。


コソコソと門をくぐる。

足元をよく見ると真新しい足跡が有った。


(ビンゴ、かな?)


足跡をなぞるように歩く。

特に問題なく、館の中に入り込めた。

身を潜めていると目が慣れてきて、状況がわかってきた。



二階から気配がする。

一階にも気を配り、階段を上がる。

目は、廊下ギリギリの高さで様子を伺う。


ある部屋の前に一人見張りが座っていた。

特に警戒することなく酒を呷っている。

タコーは、懐から毒針を出してそのまま見張りに近づいた。

目の前にしゃがみこんでみた。

酔った男はタコーに気づかない。


タコーは頸に針を刺す。

男は、ガクガク震えだし、気を失った。

タコーは酒瓶と男が音を出さないように支えて様子を伺った。

部屋の中からは、気づかれていない。


酒瓶を廊下に置いて、気絶している男を担いで一階まで下して、口の中に男の手ぬぐいをねじ込み動けないように縛り上げ、物陰に隠した。

毒は死なない程度に薄めてある。

後々、厄介ごとにならないように死人を出さないように準備していた。


タコーは二階に戻って、見張りのいた部屋の扉を少し開いて、内側の様子を確認した。


奥の方から嗚咽らしい声がする。


タコーはその光景を見た瞬間、へその奥から熱くなり、自分で自分を抑えきれない怒りを感じているのを自覚した。


ひとりの少女が項垂れて蹲っていた。

見覚えのある少女の髪は、得体のしれない液体に穢され美しさは失われていた。

黒暗を背景にランプの灯りで浮かぶ身体には歯形らしい痕が見て取れた。

右の頬は腫れているようだった。


タコーは、そこにいる男たちを皆殺しにしてやりたくなった。

この世界にも情というものがある。

あの山賊達(オーク)でさえ、女の扱いはここまで酷くはない。


外交館襲撃に加担している連中であれば、社会的地位もあるだろう。

だが、目の前にはケダモノしかいない。

日本で生まれ育ったため、この手の行為に遭遇することもなく暮らしていた。

そのおかげで、怒りの反動が彼を突き動かすことが多い。


さっき使った毒なら、ことが早い。

全員、とっとと処理しよう。

殺すかどうかは、そのあと考える。

そう思うと急に冷静になれた。


扉を自分が入れる程度にゆっくり開き、部屋の中に滑り込む。

音を立てないように扉を閉めた。

扉の脇に背もたれイスがあったので、扉のノブにつっかえ(・・・・)とした。

これで不意に部屋の中に誰かが入ってくること避けられる。


毒を少し多めに針に塗り、背中を見せてる男たちにプスプスと刺していく。

気を失わず痙攣している男が残っていたので、改めて毒針を刺す。


時間にして、この世界でいう5つ程度。

どうも呼吸回数が基準らしい。


少女は、うつろな目をしていた。

ちょうど糸が切れたように気を失った。


 = = = = =


ある館の湯殿にジョシティア=アイハイロード王女殿下がいた。


「ここは?」

「とあるお屋敷でございます、殿下」


「ヒッ」

女性の声に王女は怯えた。


「殿下、わたくしです。マリアでございます」

「マリア、さん?」

「お具合はいかがですか?」

「ま、まさか、あなたまであの者たちと通じていたのですか!!」

王女の顔が怒りで醜く歪む。


「殿下、どうか、お鎮めいただきますよう。わたしはいつでもご両親の良き友人ですよ」

「わたしが。どうしてここにいるのか説明してください。あそこから助け出されたのですか!?」

「はい、その通りでございます」

「ここはどこです」

「申し訳ございません。わたくしも存じません」


「おーい、殿下は目を覚ましたかぁ?」

その声の方を見て、ジョシティアの顔がまた怒りで歪む。


 = = = = =


「へぇー、ココモって、睡眠魔法も解除できたんだ?」

「リフィの真似しただけだよ」

「真似で、できなことよ」

「ココモ尊敬」

「えへへー」

4人で外交館に乗り込み、問答無用で睡眠魔法を解除して回った。

衛兵が飛び込んできたときは、コッカが加減して蹴とばし、フィーは傀儡の法術で制圧した。

王国から魔法使いが到着する2日前のことだった。

いかがでしたか?


無事王女救出です。

自分で言うのもなんですが、あっけなかったです。

ただ、実行者たちがタコーの存在をなんとも思っていないとこの程度かなって思いました。

しかし、アイハイロードの火種は燻ったままです。


次話をお待ちください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。