王都において動き出す
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
それぞれの話が並行して進みだします。
書き慣れないので読みづらいかもしれませんが、
お付き合いください。
ではでは~
キャサリアは、両親と再会していた。
「ご無沙汰しております。父上、母上」
「そなたは息災か?」
ヘインリー侯爵が子爵に問う。
「ありがとうございます。おかげさまで壮健でございます。父上」
「プッ」
適齢期のメイドが吹き出す。
「マリアー。笑うのは、いかん。せっかく、再会ごっこをしておったのに」
「旦那様、申し上げますが、ガラではございません」
「ひっどー。貴族だよ、侯爵だよ、マリアより年上だよ」
「では、明日の登宮は、旦那様、頑張って」
「えー、ちょ、ちょい待て。マリア「貴族で侯爵なのですから、メイドが付き添うのは不自然ですね」・・・でもさぁ」
「マリア、わたしからもお願い。この人だけで行かせるのは不安なの」
「かしこまりました。おね、奥様」
「はあ、良かったぁ。陛下、マリアが居ないとイジメるんだよ。で、マリアはまだ側室に入らないのか?」
「それは・・・。いえ」
「そうかぁ。陛下たちは、いつまでも待っていると思うんだけどなあ」
「あなた、マリアを困らせないで。この話はここまでよ。キャサリア、お仕事の方はどうですか?」
「はい、仕事の方は順調?」
「なぜ疑問形なの?」
「問題なく進むはずなのですが、意図して邪魔が入りそうで」
「殿下のことかしら?」
「マミー、知ってるの?い、いえ。母上」
「侯爵家になると王都にいなくとも、それなりに情報網は持っているわ。特に醜聞になると聞こえやすいのよ」
「・・・はい。殿下が、ある人を謀殺しようとしております。すでにわたしにもその害が及びました」
「だ、大丈夫なの?」
キャサリア母は、キャサリアに駆け寄り身体中を触れ確かめ始める。
「だ、大丈夫です。我が恩人に救われました。おかげでなんともございません」
= = = = =
キャサリアは、知る限りを客観的に事実だけ伝えた。
「そうか、殿下がなぁ。ニュート殿が付いていながら・・・。陛下もかわいそうだな」
「旦那様、奥様、晩餐の準備が整いました」
「キャサリア、食べて帰れるか?てか、一緒に食事をしよう」
侯爵は、久しぶりに再会した娘を誘った。
「はい、ダディ」
「やったー」
ケンタウロスの食事は、ほぼ野菜。パンとスープ、豆もあるが、ほぼ野菜。
小洒落た八百屋の店先ようなテーブルを囲んで食事をする。
テーブルの脇にはマリアが控えていて、気配を消して立っていた。
キャサリアは、初めてマリアに隙が無いことを知った。
訓練は怠っていなかったが、一般兵士と接していた間は、彼女に伸び代があったとしても伸びなかった。
王都への道中、仲間たちと過ごした間に戦士としての洞察力が上がっていたのだった。
たわいない家族の会話をして、食事を済ませた。
侯爵は、仕事があると席を外した。
「マミー、そろそろ寮に戻ります」
「キャサリア、お茶はどうかしら?」
「?、はい。今日は戻るだけですから」
食後の喫茶時間。
「で、お相手は誰なの?」
「ひゃひゃ上、にゃんのことでしょうか?」
= = = = =
アイハイロード王宮では、ちょっとした騒ぎになっていた。
アーエルフルの統領息女、突然の来訪。
降って湧いたような外交要件に対応を迫られることになった。
アーエルフル国は、各国に外交館は置いていないため、要人の逗留の場合、各国で準備することが不文律だった。
小神族は、強力な力を持ちながら、あまり外交を行わなず、他族を避け、他族へ干渉をしない。
そのため、要人の訪問があった場合、小神族と友好的外交が交わされていると知らしめる絶好の機会とみなされていた。
100年間で公式にアーエルフルの訪問を受けたのは、帝国、ビリオネリラント大公国の二国しかなかった。
「大臣、逗留施設はどうなっている?」
「はあ、何ぶん、突然のご訪問ゆえ、手配ができておりません」
「お恐れながら、統領息女というのは、誠でしょうか?」
側近の一人が疑問を投げかけた。
「誠かどうかは二の次、この夕刻で逗留先を準備できなければ、アーエルフルとの外交に影響が出るのですぞ」
補佐官が疑問は些細なことだと言い放つ。
「王宮に迎えるのは、どうか?」
「万が一、不備が有った場合、先弟様におかれまして」
(だよなぁ。叔父上、執念深いもんな)
「ビリオネリラント様からのご書状には何かお示しではないのですか?」
「ない。報告にあるご息女が見届ける裁判は一体どのようなものなのだ」
国王は側近に問いかけた。そして要領を得ない事柄を続ける。
「聞けば、山賊の手引きをした罪人と聞く。外国人であるが、功により大公の直々に公国民の身分を与えられ、証人の一人は大公自ら身元を保証し、もう一人はヘインリー子爵が保証している。そのような裁判は聞いたことがない」
「恐れながら。殿下の告訴によるものでして・・・」
「ふう、越境告発までしたのだ。形式だけでも整えねば、わが国の司法制度が誹りを受けてしまうか。姫のことは気にせず、厳正公平に裁くがよい」
国王は臣下に下知した。
側近の一人が外交要件に案を上申した。
「陛下、王都に滞在中のヘインリー侯爵に委ねてはいかがでしょう?ご息女殿下は子爵と親しく接していたとの報告がございます。私的なご訪問ということであれば、王国の体面は保てましょう」
「ふむ、すぐに侯爵の館に、いや、わたし自ら赴こう(マリアに合う口実ができた)」
「は! 直ちに馬車の支度を」
= = = = =
「もう、いつまで待たせるのさー」
「そうね、いくら何でも遅いわね」
「空腹」
停車場の長椅子で愚痴る3人におろおろする官士達。
「コッカ、どっかで夕飯食べようよ」
「そうしましょう。官士さん、食事をしたいの。案内してくださいな」
「ひぇ、その、小官の判断では、その」
「あーあ、お姫さま、この人が食事をしちゃダメだって。今から念話で閣下にお話したら?」
「あらあら、これは戦争になるわね」
「お、お口に合うかわかりませんが、ご、ご案内いたします!」
「大儀」
= = = = =
留置所で中年男が簡易ベッドに寝転がり
「あー、腹減った」
食事に手は付けず、水も飲んでいなかった。
タコーの判断は正しかった。
食事に致死量の毒が仕込まれて、水飲み場にも都度毒が流し込まれている。
タコーが王国入りしたことは、大公都の外交館に滞在している王女の聞くところになり、刺客が手配されていたのだった。
= = = = =
「キャサリア、お相手はどなた?」
「うー」
「お父様には黙っておいてあげるから」
「うー」
「まさか、関係を持った男性は逃げたの?」
「そんなことはありません!」
いかがでしたか?
書いていくうちにフィーの存在が意外と大きくなりました。
話の書き方について、ご感想をいただけると幸いです。
どなたかお願いいたします。
次話をお待ちください。




