キャサリアの想い
連休、目前です。
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ではでは~
「タコー、皆、お主を待っているぞ。急げ」
(ヒィーーー。みんな睨まないでー!)
キャサリアが護送任務を忠実にこなしているように見せかけるため、それらしい口調でタコーに話しかけたところを離れたところから自称嫁3人が睨んでいた。
「お許しを。食いなれねえもん食っタたせいで腹の具合がおかしくなっちまって」
腹を擦るタコーに馬車隊のほとんどが侮蔑の視線を送る。
「さあ、乗れ」
キャサリアに促され、馬車に乗り込むタコー。
最後尾の騎馬が合図を送る。
その合図を確認した先頭の騎馬が号令をかける
「出ぱっーつ!」
ガラガラと馬車隊が移動を開始する。
この日の夜には、王都に参着する行程で天候も問題なかった。
= = = = =
「主様、申し訳ございませんでした」
「いい感じだっタぞ。これでいい」
「しかし、わたしはタコー様への視線が我慢なりません」
「いいって。この状況で接触してくる奴が居タら、そいつは危険ってことだ」
「ですが」
「キャサリア。俺は裁判まで断食する。何とか生きている間に裁判が終わるように手を貸してくれ」
「主様」
ボロボロと大粒の涙を流しながら、キャサリアはタコーに抱きついた。
タコーはキャサリアの髪を撫でていた。
「こんなところを見られたら不味いんだが」
「主様が不埒なことを行ったといいますから、大丈夫です」
「そうだな」
「あの、このまま押し倒していただくというのは?」
「普通に処刑されるから勘弁してくれ」
状況を再認識して、キャサリアはショボンとした。
= = = = =
「うー、うー、うー」
「ココモ、うるさい」
「フィー、仕方ないわ。キャサリアが、タコー様ときっとイチャついているから」
「コッカ、なぜわかる?」
「それが、女の勘なのよ」
「なんかすごい」
「アーニーキー。一緒に居たいよー」
= = = = =
馬車隊は昼食の休憩のため、小さな村に立ち寄った。
のんびりしたペースだが、馬車馬が疲れ果ててはどうにもならないため、よほどのことがない限り適度に休憩を取りながら目的地を目指す。
街道は整備されていても地道であるため、荷の量によって馬の負担は相当なものになる。
立ち寄った先では、馬車隊契約の小間物商が商いをし、日持ちのしない商品などが売買される。
「アニキー、お疲れさまー。キャサリア、抜け駆けしたら耳を引きちぎる」
「ヒィーーーー」
「コラコラ、ヘインリー様になんて口を。ヘインリー様、どうかご勘弁を。田舎者で礼儀を知りませんので」
「うむ、仕方あるまい」
涙目のキャサリアが大仰に頷いた。
『ココモ、わたしだって、ふたりきりは楽しみたいんだから』
小声で訴えるように話すキャサリアに
『ボク達、話すらできないんだけど』
とココモは不満を漏らす。
「コッカ、何か食えるものを頼めるか?」
「はい、自生しているものを大急ぎで、ですね」
「すまないな」
「あなた、何かない?」
「フィー、法術で水の浄化はできる?」
「大丈夫」
「じゃあ、頼む」
「主様、わたしたちと同じ食事は」
「すまんな。敵の真ん中に入るんでな。油断ができない」
「申し訳ございません」
「キャサリアは気にするな。よくやってくれてる。ココモ、みんなを護れるのはお前だけだ」
タコーに水を持ったフィーとココモが縋りついた。ふたりの髪を撫でてやる。
立場的にキャサリアは少し離れて見守っていた。
暫くするとコッカが戻ってきた。
野生の果実と根菜だった。
「すみません、村人も採っているらしく見つけられたのはこれだけです」
「ありがとう、助かるよ。そのまま食えそうだな。ココモ、俺の荷物から筒を出してくれ」
「うん、コレ?」
ココモは腰の雑納から筒を取り出した。
「ああ、それだ」
筒の栓を抜くと根菜に中身を振りかける。
「それって、塩?なんか混じってる」
ココモが興味津々覗き込む。
「塩と乾燥させた香菜を混ぜてある」
「だから良い香りなのですね」
タコーの答えにコッカが納得する
「これを食い終わったら、みんなで分けて使っていいぞ」
タコーは、娘たちに食事を食べてくるように言って、自分はコッカの採ってきた食料を胃袋に入れた。
採れたては瑞々しく水分補給もできたおかげで、食後の満足感は充分だった。
果実はせっかくなので娘たちで分けられるように手をつけなかった。
= = = = =
途中小休止を取りながらも、先頭の騎馬には、遠くに城塞が見え始めた。
日が落ち始めたころ、馬車の中から道標を確認したキャサリアはタコーに告げた。
「主様、王都に着きました」
「ああ、ありがとう」
タコーは、静かに答えた。
「主様、いえ旦那様、愛しています。あなたのために祖国も家も棄てるつもりです。逃げるなら、どうかお連れください、お願いいたします」
「キャサリア、ここまで来たんだ。堂々と勝ってみせようじゃないか。信じてるぞ」
「あなた!」
タコーにしがみつき、夢中で唇を重ねるキャサリア。
= = = = =
「ここがアイハイロードかぁ。いざとなったら、じぃじじぃじたちに滅ぼしてもらおうかな?」
「ケンタウロスが反乱を起こしても面白いわね」
「死霊使い、幼馴染。手伝ってもらう」
アイハイロード王国の運命が、一台の馬車の乗客達に握られた瞬間だった。
いかがでしたか?
いよいよ、王都での裁判、暗殺の危険いろいろ危なくなってきています。
連休中も更新していきます!
次話をお待ちください。




