それぞれの想い
ここまでお読みいただきありがとうございます。
王都の手前まで来ました。タコーはいよいよ覚悟します。
ではでは~
「ヘインリー殿、ご無事ですか?」
その問に答えるように、キャサリアは立ち上がり何事でも無いように
武器を構える兵士たちの方に数歩歩いた。
「いやなに、裁判の証言内容の一部を再現していただけだが、それがどうかしたか?」
裁判、証言?兵士たちが口々に話す中一人の兵士が問いかけてきた。
「それは本当ですか?」
「本当も何もわたしが数歩歩くのにこの者達が何かしたのか?見ていたと思うが?」
「何もしておりませんでした」
「じゃあ、そういうことだ。騒がせたようだな。すまなかった、持ち場に戻ってくれ」
今一つ納得できない顔で兵士たちは引き揚げていった。
= = = = =
廊下じゃ目立つので武器庫に入って朝食を摂っていた。
「いいか、俺には山賊を手引きした容疑が掛けられている。キャサリアは護送するのが任務だ」
タコーは、差し入れの茹で置いた穀物を食べながら、連れ添い達に話す。
「俺の扱いは、咎人そのもので構わない。むしろ、そうじゃないと裁判でキャサリアの弁護の効力が弱くなり、不利になる」
「でもー」
「ココモ。お前の気持ちは嬉しいが、この状況だとむしろ逆効果だぞ」
「アニキ、なんかじぃじじぃじみたいに言うね」
「おっさんは、そんなもんだ」
「あなた。その年齢では、小神族では、まだ子供」
「エルフ基準じゃなぁ」
「ココモは経産婦並だったから大人」
「こらー、エロエロフィー!」
「ねぇねぇ、アニキ。食べながらで、いいから聞いて」
「なんだ?」
「アニキ、処女好き?」
「な、なんだよ、いきなり。口に何か入っていタら噴くところだっタぞ」
「答えてよ。処女は好き?」
「別に好きって訳じゃないな」
「ふーん、フィーやキャサリアはどうだったの?」
「そういや、ふタりは、そうだったな。俺なんかで初体験か。残念だな」
「滅相もない。一生忘れません。主様一筋です」
「フィーも幸運を感謝」
「でね、フィーの法術でボク達、処女になれるんだけど」
「タコー様に伺っておこうかと」
「いいじゃないか。してもらえ、してもらえ」
「ほんと?」
「良いのですね?」
「何も気にすることないだろ」
「だって、偽物だよ」
「精神的に仕切り直しになるかもしれん訳だし大歓迎だろ。今から、いい男を見つけてだなー、痛ってー、ちぎれるちぎれる」
タコーは、ココモとコッカに内腿を抓りあげられていた。
「アニキはすぐにそんなことを言うんだから」
「ほんとです。わたしたちが一緒にいるのは、成り行きではないのですよ」
「「愛しているから」」
「主様は、観念なさった方がよろしいかと思います」
「一夫多妻は甲斐性」
「いいか、言っとくが、俺はお前タちを愛してなんかいない。性欲の捌け口としか見ていないからな」
タコーは、そういうと朝食の残りをかき込んで平らげた。
「性欲」
「は、捌け口ですか」
「いいのですか、そのようなこと言って」
「アニキー。捌け口大歓迎だよ、みんな!」
タコーに4人が襲い掛かる。
「こら、ちょ、ちょっと待て!」
「待たない」
「主様、早く性欲をむき出しに」
「コッカ、そっちの手、押さえて」
「フィー、早く脱がして」
『お前らー!コラー!』」
裁判の見分だと人払いをしておいたが、離れたところから兵士が声をかけてきた。
「へインリー殿、そろそろ馬車の準備が整います」
「ちっ」
「アニキ。捌け口、憶えておくからね」
「タコー様、お忘れなく」
「主様、続きは馬車で」
「コラー、うま2号!」
= = = = =
ココモ達は大急ぎで宿に帰っていった。
タコーは、彼女らが乗り遅れると困るので、キャサリアに言って
トイレに立てこもることにした。
朝食が体に合わなかったことにすればいい。
トイレに籠るとこれからの行動をどうするか考えた。
王都では、留置されるだろう。食事は安全だろうか?
食事なら抜いても十数日は持つ。しかし、水を絶つとそうはいかない。
裁判まで何日待つことになるか、長期戦になると危険が増す。
キャサリアが頑張ってくれるだろうが、彼女は向こう側の組織の一人だ。
下手をしたら、彼女にも危険が及ぶ。それは避けないといけない。
むしろ、断食してしまった方がいいかもしれない。
無実を訴え、飲まず食わずで過ごす。なら、放っておけば、じきに死ぬと相手も考え易い。
飢えという苦しみを味わってから死ぬわけだから、それなりに王女も納得しそうだ。
そうすると実力行使の可能性がぐんと下がり、彼女達に危険が及ぶことを避けられる。
悪くない。
もし裁判が早くに開廷すれば、有利に働く可能性も期待できる。
問題は、7日以上留置されたとき、ほぼ死ぬことになるだろう。
「まあ、成るようにしか成らんわなぁ」
= = = = =
ココモ達は、慌てて準備を済ませたが馬車の中で出発を待つことができた。
「まだ余裕があったね」
「定期便だから、時間通り出るはずなのに」
「そうなの?」
ほかの乗客たちは、出発を遅らせている誰かに腹を立てていた。
「護送される容疑者がまだだそうだ」
「ヘインリー殿も大変だな」
「全く、はた迷惑な容疑者だ」
兵士たちのグチを聞いて、ココモ達はタコーの気遣いが嬉しかった。
いかがでしたか?
図らずもハーレムの結束が強くなってきているようです。
次話をお待ちください。




