我儘、板挟みの苦労
大公都へ帰還する討伐隊。
気の毒な2人います。
まだ、全体が見えませんが少しずつ話が動いています。
ではでは~
タコー達が和気あいあいと食事をしている一方で、討伐隊は人質だった者たちに振り回されていた。
平民の女たちは特に何もなく食事をしていたが、身分が高い者が質素な食事に納得しなかった。
「このような粗末なものを食せというのですか?」
「殿下、ただいまは大公都への道中でございます。事情をおくみいただいて、どうかご理解いただきたく存じます」
半人馬の苦情係は苦労していた。
「ヘインリー卿、あなたまでこのような待遇に甘んじるおつもりですか?ニュート、あなたはどう思いますか?」
「殿下の仰せの通りです」
「ニュート殿、あなたまで・・・」
ヘインリー子爵は大公都までの食事ごとにこれが繰り返されるのかと考え、げんなりとした。
ほかの公子達も似たり寄ったりでジャルーンは近隣の町まで馬を走らせ、材料を調達する羽目になった。
但し、この予定外の出費について、大公の命により討伐任務への協力金として各貴族に請求をするべきと大公都へ早馬を走らせた。
翌日夕方には、返信代わりに大公都から高級嗜好品が到着し、不満の声が和らいだ。
= = = = =
ヘインリーはコッカの姿が見えないことが気になった。
「コッカ様はあのタコーという男のところか?」
最後尾の馬車へポクポクと歩いていくと5人が和気あいあいと食事をする風景に出くわした。
(ああ、こちらはなんて和やかなんだろう)
「お!おーい、そんなところに突っ立てないで、こっちで飯食えよ。コッカもいるし、あっちは疲れるだろ」
「な、なんて不遜な!」
図星に戸惑って、とっさにごまかした。
「ヘインリーさんもこっちにいらしたら?」
「はっ、ですが、わたくしもご一緒させていただいてよろしいのですか?」
「タコー様のお許しが出ましたので、構いませんわ」
「あ、ありがとうございます」
コッカの隣に場所を作ってもらって、ヘインリーは馬体を落とした。
「あの、コッカ様、よろしければキャサリアとお呼びください」
「いいの?」
「はい、その方が精神的に助かりますので」
「じゃあ、キャサリア、よろしくね」
「はっ、ありがとうございます」
「敬語はよして。コッカでいいから」
「ですが「お願いね」ひゃ、ひゃい」
「アニキィ、やっぱり、あの馬怖そうだから、別れようよ」
「タコー様、薄情なオークは捨ておいてもよろしいかも。そのうち裏切りますわ」
「お前たち、ほんと仲いいな。俺がいなくても大丈夫そうだ」
「「それは絶対ヤダ!」」
「あのー、コッカさん、タコー殿はどのような方なのでしょう?」
「タコー様は「俺はタだの旅人さ。それだけだ」・・・ですって」
「アニキは強いんだよ。いろいろと」
「ふふふ、そうね。ケンタウロスとオークが敵わないものね」
「そ、それは誠ですか!なんと剛の者」
「いや、違うから」
「やはりこちらでしたか」
「あ、隊長」
ふらりとジャルーンも姿を見せた。
「どうしタ?咎人の監視に来タか?」
「皮肉を言うな。王族の証言をないがしろにできんだけだ」
タコーの軽口にムッとする。
「ふーん。やりようはあると思うけど?」
「ココモ殿、小官にも立場がありますので」
ココモの不機嫌さに勝てないジャルーン。
「ココモ、それ以上イジメないであげろ。板挟みは辛いんだぞ。特にお前に嫌われるのはな」
「そうかな?」
どうにもすっきりしないココモ。
「そうだよ。狙ってる娘に嫌われてみろ、目も当てられん」
「えー、隊長、ボクを狙ってるのぉ?無理だけどなぁ」
「ココモ殿、コイツの出まかせです!」
「えらく強く否定したな。ココモはこんなにかわいいのに」
「貴様!なんの怨みがある!」
「ホレ」
タコーは血がこびりついた手枷を見せる。
「あー!アニキ、血が出てる。すぐに手当てしなくっちゃ。こんなのすぐに壊せるから」
「あ、こら、止めろ。これ壊すとそれが有罪になるから」
「えー、そんなのひどいよ」
「タいしたケガじゃないから、気にするな。大公都につけば外せるから」
「むー、じゃあ、さらしだけでも巻いておくからね」
「ああ、助かる。いい奥さんになれるぞ」
「えへへー、もうアニキの奥さんだけどね」
「それは違う」
即座に否定するタコー。
ココモのためにも、彼女が諦めるのを待つ作戦だ。
「もう、いじわるー」
「ココモ、奥さんはわたしの役目だからね」
「コッカ、今ここで決着つける?」
「いいわよ」
フフカとミルはこのやり取りを見ていて
「ミル、あのタコーさんって、きっとすごい人なんだね」
「わたしもそう思う。あのおふたりはすごく強いのにタコーさんの言うことなら何でも聞くみたい。きっと一途なんだね」
= = = = =
一台の馬車がギシギシと軋み揺れる。
周知となっているが誰も見ぬふりをしていた。
= = = = =
「おふタりさん、申し訳ないが、ガマンしてくれよな。寝不足になるから」
「タコーさん、オイラたちそんなことしねえよ」
「そうです。人目があるのに」
「それはありがタい。じゃあ、おやすみ」
「「おやすみなさい」」
そう言いながら、ふたりは身体を温め合って眠りについたが、実はガマンしていた。
ミルは、会話の間に自分を護ってくれたオークにいたずらして、その素直な反応を楽しんでいたのだった。
皆が寝静まったころ、オークに人影が近寄る。
星明りの下でも一目でわかる長く美しい金髪の娘が、音を立てずにオークの許に腰を下ろす。
「起きなさい。わたしを犯すのです」
お読みいただいてありがとうございます。
王女、もうビッチ粋です。
後に引きずるキャラかもしれませんが、先は未定です。
タコーは大公都へ行きますが、そこで・・・
次話をお待ちください。




