表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/140

コッカの安息

ふたりの関係は「信頼」になりました。


続きをお読みください。


ここまでお読みくださり、感謝いたします。

タコーが、持ってきていたロープで根に足場を作り、コッカは無事に抜け出すことができた。

ただ前足をくじいてしまっていたので、無理をしないようにゆっくり歩いて、ようやく小屋にたどり着くことができた。

時間がかかったので、二人とも身体の芯まで冷え切っていた。

非常に危険な状態だった。


たき火を強めにして、とにかく冷えた身体を温めようと、タコーは布で身体中を摩擦する。


コッカの馬体は、体毛が濡れてしまっていて、まだまだ体温が奪われ続けていた。

タコーは、ありったけの乾いた布で水分を拭き取っていく。


コッカは、冷え切った身体の芯が火照るほど熱くなったが、震えが止まらなかった。

タコーは考えていたことをコッカに告げて実行に移す。

「タコー様、お待ちください。あの、わたし恥ずかしいです」

「ダメです、内臓に近い部分です、早く温めないと腹痛どころではありません。俺は、やましい気持ちはありません。あなタのタめです。我慢してください」

「嫌です。堪忍してください、あ、ダメ」

コッカは恥ずかしさのあまり顔を隠してしまった。

タコーはコッカの隅々まで水分を拭き取っていった。

彼女の毛並みのつややかな馬体部分。

しかし、タコーは命の恩人を危険な状態から救う方が優先した。

たとえ、その結果、罵られようが仕方がない。

彼女が無事である方が大事だった。


乾いた布を使い果たした。

あとは水気を絞りながら、濡れた馬体を拭いている。

たき火にかざした服が乾きだした。

タコーはコッカに羽織らせてた。

「すみません、無理強いをしてしまって」

「タコー様のお気持ちはわかります。でも、屈辱は屈辱です。許せません」

「すみません」


 = = = = =


身体が乾き、体温も戻り落ち着いた。

薪は充分あり、たき火は心配いらない。


タコーは、鍋で湯を沸かし始めた。


ごそごそと雑納を漁っている。

この雑納はコッカを探しに出たとき、外套の下に持っていたものだった。


そこから何かを鍋に放り込み、コッカにはあるものを差し出した。

「コッカさん、食べてください。滋養があるでしょう」

それは木の実だった。コッカが目印を付けたところにあったもの。

印を見つけたタコーが木に登って採っていた。

「タコー様、これはあなたが召し上がってください。足りなければ、わたしの血も」

「いえいえ、俺は大丈夫です。そろそろ、いけそうなので、ちょっと失礼」

タコーは鍋を持って小屋の外に出ようとする。

「タコー様、どちらへ!まさか、この雨の中を!」

「違います。鍋のものを食べよう思いましタので、外で食べようかと」

「なぜ、そのような。先ほど申しましたことがいけなかったのですか?わたしとは食事を共にできないと?」

悲しそうに問いかけるコッカに申し訳なさそうにタコーが話す。

「雨で陸貝が湧いて、タくさん獲れました。それをゆがきましタので、食べようかと」

「・・・」

コッカが固まった。

「コッカさん?」


 = = = = =


二人して食事にありつけた。

服や布も乾き、ようやく人心地ついたところ。


タコーが白湯をコッカに渡す。

「飲んでください。薬草を浮かべています」

「ありがとうございます」


会話は続かず、ふたりで火を眺めていた。


タコーが寝床の用意を始めてしばらくするとかすかに衣擦れの音がした。

タコーは着替えだと思い、振り向かずに寝床に潜り込もうとしたとき

「タコー様、同衾よろしいでしょうか?」

「コッカさん、服を着た方が温かいですよ」

タコーの声の先に柔肌をさらしたコッカが立っていた。

落ち着きなく尻尾が揺れているのが見えた。


コッカは静かに歩み寄り、前脚を折り腰を下ろしているタコーと目線を合わせて言った。

「タコー様、先ほどの辱め、あの、その、・・・責任を取ってください」

「コッカさん、俺はその言葉から変なことしか思いつかないんだが」

「連れて行ってください。もうあなたと離れるのは無理です」

「コッカさん?」

「婚約者の顔ももう思い出せません。今日は怖かった。一人ぼっちはイヤ。もう一人は耐えられない。タコー様、お供させてください。何でもします。性欲の捌け口に使ってください。気に入らないことがあったら、わたしに八つ当たりしてください。だから・・・、お願いです・・・」

「コッカさん・・・」

「コッカと呼んで・・・」

「コッカ」

タコーは、ケンタウロスの涙が伝う頬に手を添えて、涙をぬぐう。


 = = = = =


「タコー様」

「コッカ」

「タコー様、生臭いです」

「陸貝は少々癖があるからね。離れよう」

身を起こすタコーの腕を、コッカが掴む。

「行かないで」

「臭いだろ」

「大丈夫です。我慢します」

「え!、それは・・・・」

「これは、根菜です。わたしは、クスッ」

「あー、ハイハイ」


雨の音が遠ざかり、やがて虫の音に変わるころ、小屋の中はふたつの寝息と薪の燃える音だけだった。

ふたりは大人の関係になったみたいです。


ココモもいるというのにどうなるんでしょうか?


合流する時に修羅場になるかも


次話、ご期待いただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ