表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カモミール〜逆境の中で咲く花〜  作者: くろくまくん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/17

光は闇を全て受け入れたもう

ニゲルとエミリアは、一泊宿に入り、


すぐに抱き合う。


ニゲルは任務のことがありながらも、激しくエミリアを求める。



◯登場人物


ニゲル

24歳。闇属性。

中央都市リーウルスのC区画の雑貨屋で働く。


エミリア

38歳。光属性。

ニゲルと同じく、リーウルスのC区画のマッサージ店にて働いている。


 ベッドの中でエミリアさんはすやすやと眠っている。今はまだ正午から一刻半を過ぎた頃くらいかな。


 宿の部屋に入って、すぐに彼女を求めてしまった。つい先日も会ったばかりだというのに、それでも会う度に僕は惹かれていくのを感じていた。


 エミリアさんは自分の年齢のことをとても気にしていたが、全く気にならない美貌と、そして、彼女自身の身体の匂いとカモミールの香りが混ざり合った、爽やかで、甘やかで、そして蠱惑的な……僕はそれに抗えなかった。


 彼女は僕の全てを受け入れてくれる。


 小さな頃からの寂しさ、切なさ、世の中から疎まれていることへの怒り、悔しさ、何もかもをぶちまけたくてもできない状況。


 施設から拾われてからは、それも少しは、いや、かなりマシにはなっていたと思う。


 誰かに必要とされること、そして愛情という言葉を知った。自分が誰かの役に立つのだということも知った。


 ただ、それは自分の中でもきっと美化されていたことであって、


 実のところ、もしかしたら利用をされているだけかもと、心の中ではいつも感じていたのかもしれない。


 でも、エミリアさんは「闇属性のニゲル」ではなくて「本好きのニゲル」を好きになってくれた。


 本当に愛されている相手との行為が、こんなにもいいものだなんて初めて知ったんだ。


 今日はゆっくり出来る、と言ってたから、ゆっくり一緒に居よう。いつもは夕方から彼女が仕事だったりで、焦りながらだったような気もする。


 ただ一つ。


『光の女に気をつけろ』


 このボスの言葉だけが引っかかる。


 彼女に直接聞くべきか……いや、それはあまりにも……


「ん……ニゲルくん、起きてたの?」


 僕の横で彼女が目を覚ました。


「うん、さっき起きたとこだよ。大丈夫? しんどくない?」


「うん、めちゃくちゃよかった……そのあといつの間にか寝ちゃってたよ」


 僕は彼女をそっと抱き寄せる。


「エミリアさんに会えて、ホントに良かった、って。今、思ってたんだ」


 彼女は、ふふと笑う。


「どうしたの、ニゲルくん。今日は部屋に入ってからも凄く情熱的だったし、なんだかいつものニゲルくんらしくないような感じだよ?」


 僕らしくない……確かにそうなのかも。


「それはきっと、エミリアさんのことをどんどん愛しちゃってるからかもだね」


 抱き寄せた彼女の髪にそっと口づける。


 カモミールの香りと、彼女の微かな汗の匂いが混じっていた。


「ニゲルくんは、そうやって恥ずかしくなることを、すぐ言うよね〜。私の方が照れちゃうよ」


「エミリアさんは……どうなの?」


 言いながら、今度は彼女の鼻先に口づけた。


「ん……私もニゲルくんのこと、愛してるよ。こんなこと言うと笑われるかもしれないけど……」


「ん?どうしたの?」


「初めて会った時あったでしょ? 本を取ってくれた時。私、なんとなくなんだけど、ニゲルくんと恋に堕ちるような予感がしたんだ。全然予知とかそういうんじゃないんだけど」


 エミリアさんも僕と同じことを思っていたのか。それも結果論なのか、後付けなのかはわからないけど……でも、それはとても嬉しいことだ。


「実は僕もそうだよ。二人とも思っていたから、また会えたんだと思う」


 今度は唇同士を重ねた。


「ニゲルくん、お腹空いてない? 私はまだ大丈夫だけど」


「大丈夫だよ。ご飯はいいから、もう少しエミリアさんを頂きたいかな」


「もぉ、ニゲルくんたら……」


 たまにこんな風にゆっくりと彼女と過ごす時間があればいいな……と、思っているとコンタクトが鳴った。


「あ、ごめんエミリアさん。少しだけ外に出てくるね、業者さんから連絡みたいだ」


「うん、わかったよ。早く帰ってきてね」


 言いながら僕は手早く服を着て、部屋を出て、建物の外に出てコンタクトをかけ直す。


『ニゲルさん大丈夫ですか?』


「大丈夫じゃないよ〜、今いいとこなのに。まぁいいや、何か進展あったかな?」


『ボスからの伝言なので詳しくはわかりませんが、例のC区画のスパイは光の女で、年齢は30代後半のようです。ニゲルさんの彼女じゃないんですか?』


 完全にドンピシャだ。


「歳はぴったりだね〜。でも、まぁまぁ一緒にいるけど全然怪しい素振りはないよ? てか、王国騎士団のスパイが探りを入れてるのって、僕のことなの?」


『ん〜、どうなんでしょうね? もちろん一人ではないと思いますし、ウチと一緒で組織絡みだと思うので、何か探ってるやつを探ってる、ていう感じじゃないですか?』


「まぁそんなとこだろうね。とりあえず引き続き様子を見ておくよ。今日は泊まりだから、もう次は明日の昼くらいにしてね。よほどの緊急でない限り」


『そんなの、私もわかりませんよ〜』


 コンタクトを切った。


 ん〜…やはりエミリアさんは何かある?


 それとも、同じような人の間違い?


 その時、建物の僕とエミリアさんが居た部屋の窓から、何か光が見えた気がした。


 光……?



今回はお泊りでゆっくり過ごすことが出来る二人。


お互いに想いを打ち明け、ゆったりと過ごしている時に、ニゲルにコンタクトが。


そして、新たな情報が入る。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ