彼等は本物だからこそ苦しい。
ハンナが動けるようになったのちウェンディは優しくだきしめる。そして耳元で小さくささやく。世界の秘密は大きな声では聞こえはしない。
「歴史上三大悪女と言われる人がいる。そのすべてにやつは関わっている。三大悪女で生きているのは私だけ、私が唯一あいつに立ち向かえる。あなたは魔法使いの本当の力を思い出して、あなたが生きることは怒りを忘れさせない者に勝つ為の切り札。今みたいな魔法なんてないころから魔法使いは存在した。 状況を整えるそれが原初の魔法」
ウェンディはそういって消えていった。
僕の前に次に現れるのは5年後、それまでに状況を整える。勝つ為ではない。真の目的を見定める。
僕たちは皆と帰る。
忍者男くんと分身男くん、毒舐め男くん、狂錬金術師は命の精霊の作った偽物に変わっている。
偽物だが本物と全く同じ心と記憶と能力を持つ。
錬金術師的な観点では何の違いもない。
また一次魔法使いが作り出した以上されは本当にほんものだ。
本人よりも本人らしい偽物達は自分の正体に苦しみつづける。
弄ばれた思いだけが彼等の心に影を落とす。
僕には彼等を消し去る事なんて出来はしない。
魂が別物になる前と全く同じ親友が自らの存在に悩み続けている。
彼等は本当に自分なのだ、自分が自分に入れ替わった感覚を彼等は不老不死の中の永遠に向き合う。
僕達だって彼等が全く元と同じ人間と知りつつ、接し方をどうするかを常に悩みつづける。
エリーはどうなのだ。
それは僕の中に永遠に残る問い。
本物と全く同じ記憶と能力を持つ本物のいない偽物。
彼等が2次魔法に達すれば何かが変わるのだろうか。
蘇生魔法には2つある。
本人の魂が近くにあれば体を治した後それを再定着させる。
なければ命の精霊が新たな魂を作る。
蘇生魔法は魔法使いなら初歩的な技だが僕は魂なんて
見たことがない。
死霊術師が元の魂だとおしえるだけ。
死霊術師は今や魔法使いでさえない。
安心を与えるための商売だ。
安心を与える事が自らの役目なのだ……。
優秀な魔法使いであるニアさんは気づくだろうし、
ドナは気づくだろう。彼女は忍者男くんの親代わりでもあった。
この別の魂により蘇った忍者男くんにとってもドナは親代わりなのだ。




