人造人間は人造人間を救いたい
僕はニアさん達に太陽石がたりているとウソをついた。
彼女達を危険にさらさないためだ。
優しい友人達、疎遠になっても、だからこそ僕達に協力しようとしてくれる。
ニアさんは「知っているよ、ハンナから聞いている」
そういって、悲しみをこらえ作り笑いを見せた。
僕は涙が止まらなかった。
もう僕のウソなんてとっくに越えていた。
皆ハンナや僕がなぜウソをつくのかまで含めて全部知っているのだ。
皆悲しげにうつむく。
全員が知っている。
彼女達では太陽石を取りに行けない。
一流と言われる域にまで達してもまだ足りない。
そして僕達もほとんど太陽石が見つけらない。
最初から分かっていた。
恐らく運命は決まっている。
天の法である運命から抜け出す為に魔の法に頼る僕達でさえ、その運命が決まっているのだ。
ニアさん達なら大魔境さえ安全に散策出来るようになる日が来るかも知れない。
きっとそれはエリーが死んだ次の日なのだ。
そんな時だ。
狂錬金術師が手から太陽石を作り出した。
「君たちが私の娘の為に危険な旅に出ていることはなんとなく分かった。それならば私も何もしないわけにはいかない。太陽石は私がなんとかするから君たちは実力の実力にあった探検をし、娘に聞かせてやってほしい」
皆は唖然としている。
狂錬金術師が太陽石を出せた意味もみんな察している。
彼は人造人間、太陽石は彼を作る材料なのだ。
1000年以上も前に大魔境に入れるものがいたことも驚きだが、彼の師はそれを材料に人造人間を作った。
だからこれを渡し続ければ狂錬金術師は死ぬ。
人造人間の最後は機能の消失だ。
だから僕は「なぜですか?」
と聞いた。娘だからだろうか? エリーは最初彼の恋人として作られたがそうは思えなかったのだろう。
「人造人間は人と全く同じ機能を持つし、人とだって仲良くやれる。だけど本当にギリギリで人か自分どちらかを選ばなければならない時、人を選ぶ運命にある。だから僕は人ではなく人造人間を選びたくなった。むかし、むかし、はるか昔の約束だ。私は娘を大魔境の先の世界へ連れて行くと彼女の母に約束したのだ。」
彼はそういった。太陽石は光を内に秘めている。僕はそれを受け取ったのだ。
きっと僕がまだエリーの兄としてふさわしくないからだ。僕はまだ金に変わる石だ。
僕は皆に小さく頭を下げた。
ニアさんに抱きつかれたが僕は受け止めきれずにたおれてしまう。僕は頭を打ったが照れ笑いを浮かべる。
皆が笑っていた。
僕達はようやく仲直りする事が出来た。
「最後の稽古をつけましょうか。」
僕が魔法で作った小屋の中、僕は人数分の椅子しか出していないはずだが音もなく大悪女サラが座っていた。




