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落ストーリーは突然に

猛省………!

これにはクロスケ猛省………!


「何をやっているのだ……」


猛省……!

お酒恐ろしい。今後は控えないと。


……お酒の所為だけじゃない気がするけど。


さぁ、気を取り直して。

言うなればここからが本番。

小麦を「荷車」ではなく「荷馬車」で。

「銀貨」ではなく「金貨」での取り引き。

商談は難航するだろう。

しかし、成功させてみせる!

転生者の名にかけて!


都合の良いことに、近々、ご主人のお出かけが決まった。

この間の客人からお返しにとお屋敷へ招かれたのだ。


招き、招かれ、もてなし、もてなされ。

全くお貴族様はお忙しいこった。


そのおかげで、またこうして仕事という正当な理由で街をうろつけることになったのは有り難い。


さて、今回も前回と同じ要領で話を進めていく。

狙うはクシマ家とのパイプを欲しがっている商人さんだ。



今回のターゲットは「ミザ商会」さんだ。

この間知り合った新規の商会さん。

何とかクシマ家パワーで取り引きしたいけど、今回は規模が規模なので期待薄だ。



本命前の前哨戦っといったところ。

上手くいかなくても良し。

上手く行けば尚良し。



さぁ、いざ!


「おはようございます。」


「あっ、おはようございます。

クシマ家のクロさん。

訪ねてくれたんですね。ありがとうございます!

今日は何用でございますか?」


「はい。実は小麦の売却をお願いにまいりました。

荷馬車2台分ほど買い取っていただけないでしょうか?」


「荷馬車……2台分でございますか?

あ~、それは……」


まぁ、厳しいよな。金貨取り引きとなれば、失礼ながら小さ目の商会さんじゃ、いきなりでは対応しきれないだろう。


「……ん!分かりました!買い取りましょう!」



「へっ?よろしいのですか?」



「はい。

これほどの規模の案件。本来ならギルドか、大手の商会さんに話を持っていかれるところを、わざわざ私共のところに持ってきてくださった。

クロさんのその優しさ……いや、優しさではなく、販路を広げたいとか、何かの思惑あってのことでしょう。

とにかく、チャンスをくださった、ということ。

ならば、そのチャンスを掴むまで。

私にも夢があります。このまま小商会で終わる気はないですから!」


……何か壮大な勘違いしてくれているぞ。

有り難い。乗るしか無いこのビッグウェーブに!的な感じになってるそのままに押し切る!



目をキラキラさせているミザさんに少し罪悪感を感じるけど、まぁ、これも社会勉強だから。ガハハ!

と思いつつ、こちらも目をキラキラ(ミザさんとは別の光で)させて硬い握手を交わした。



その後、順調に契約を済ませ、代金受け取りとなった。


「こちらが代金の半月金貨3枚となります。ご確認下さい。」



一応この世界にも偽金はあるらしいが、鑑定魔法ってのが有り、すぐバレるのであまり警戒していない。

偽金は取り引き後、すぐに姿をくらませる、といった一撃離脱作戦しか使えないので、小麦の引き渡しが後日になるこの取り引きでは使えない。



よって偽金の心配はないので、鑑定の必要はないのだ。

というかこんな不明金を鑑定には持っていけないんだけどね。


「はい。確かにいただきました。

小麦引き渡しの際は事前にご一報下さい。

今日はありがとうございました。

それでは。」



……何か上手くいってしまった。

気味悪いくらい順調だったな。

ここまですんなり行くと何かあるんじゃないかとすら思ってしまう。



まぁ、とにかく、後は小麦の値下がりを待つのみ!

ミザ商会さんの動向は注意しつつ、油断せずに行こう!



とはいえ、今回の件は「荷馬車」が必要になるので動向を調べるのはそんなに難しくない。

相当大きな商会でなければ荷馬車の維持などできない。



なので、基本的にはギルドから借りることになる。

ギルドには荷馬車の貸出予定が掲示してあるので、それを見れば一目瞭然。

貸出予定にミザ商会さんの名前がなければ小麦引き渡しは無いということになる。



しばらく仕事でギルドには頻繁に通うことになりそうだから、小麦の価格、ミザ商会さんの動向、に注意していこう。



……それから3週間近く経った。

小麦価格が思ったほど下がらない。

多少は下がったとは言え、利益が出るほどではない。

危ない橋をわたるのだから、もう少し利益が欲しい。



自分ルールの期限が迫ってきてるけど、

これは戦略的延長も有りか?

まぁ、取り敢えず今日も確認してから。

それから考える、ということで。


さぁ、商人ギルドにやってきたぞ。

今日も元気に仕事しますか。


「おはようございまーーぁ?」


「おはようございます。

やや、これはクシマ家のクロさん!」



「ミ……ザ…商会さん?おはようございます。今日は何用で?」


ヤバい。動揺で頭が回らない。

自分でも分かるくらい挙動不審で変なことを聞いてしまってる。


ドドドドドドドドド……

落ち着け。落ち着くんだ……

「素数」を数えて落ち着くんだ……

「素数」は1と自分の数でしか割れない孤独の数字……

私に勇気を与えてくれる……

2、3、5、6……

6は違う!

7、9…

9も違う!

落ち着かねー!!

ドドドドドドドドド……


と心臓が鳴り止まない。

これはいったいどういうことだってばよ!



「なんと!先日から小麦の値段が高騰しまして!

なんでも、西方で戦争が始まったそうです。

僥倖っ……!

なんという僥倖………!

というわけで小麦引き取りの為の荷馬車を借りに来ました。」


なん……だと……

西方で戦争……?!



「そそそそ、ソウナンですか。それはそれは。

しかし、荷馬車の予約は一杯でまだ引き渡しは先になるんじゃ……」


「いや、それが、今回の小麦高騰を受けて、ギルドに相談しましたら、特別に融通していただけることになりました。

なので、近々、小麦引き取りに伺います!」




   世界は 時を 止めた


























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