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隠蔽

「いますよ。ここに、私は宰相です」


「あぁ、最小さん」


「別に小さいわけではありませんよ。宰相という役職なのです」


「そんな事はどうでもいいんだよ。あのな。俺の相手はどんな奴?」


「どんな奴かは存じ上げませんが」


「少しでもいいんだ」


「年齢は同じくらいです。性別は男女共です」


「わかった。ありがとう」


年齢が同じくらいなら、とりあえず3人とはぶつからないな。

大会二位のニコルと当たらなければ、

勝ち目はありそうだ。


そういえば、フィールドはどんな感じなんだ?

フィールドによって、装備は変えたほうが良いはず。


「なあオッサン。フィールドはどんな感じなんだ?」


「フィールドとは?」


「その戦いの場の地形とかだよ。森だとか闘技場だとか」


「わかりません。私たちが知っているのは勝敗の結果だけです」


「なんだよ。使えねぇな」


となると、

フィールドに特化した迷彩にして、遠距離攻撃を受けにくくするみたいなのは、無理か……。

いや待てよ


フィールドに近い色の服に着替えることができる。

『受理』


そうか。

これで複数パターンの服を用意しておけば、

気がつかれにくくなるだろう。


0.1秒でも反応が遅れれば、速攻で攻撃を入れられる。


でも、フィールドってどんなのがある。

荒地、森林、氷、砂漠、市街地。

そうか……、

基本的な迷彩パターンに近い色を選べばいいのか。


この世界の技術レベルでは、迷彩服はムリそうだしな。

まぁとりあえず聞いてみよう。


「迷彩服は作れるか?」


「迷彩服とは?」


「カモフラ……、

て言ってもわからねぇか。

例えば、草むらとかに隠れてもわからないような色の服だよ」


「擬態ですか。葉っぱのふりをする虫のような」


「そう。それ擬態」


「なるほど。例えば傀儡を木のように見せると……」


「いや、ちょっと違うかな。難しいな」


「絵などはお描きになれませんか?」


「描ける」


「ではここに」


俺は迷彩の柄を描いた。


「ここを茶色。ここを緑という風に色分けをしていくんだ」


「絵のようですね」


「そう。そんな感じ」


「少しお待ちください。画家を呼んでまいりましょう」

宰相は部屋から出て行き、

数分後宰相は画家らしき男を連れてきた。


「それで、こういう柄の服を作りたいのだが……、できるか?」

宰相は尋ねた。


「問題なくできますが、油絵具だと、服が固くなりますよ」

画家は言った。


「服が固いのは困る」

俺は答える。


「なんとか出来ぬか?」

宰相は言った。


「染色家を呼んで頂けますか?」

画家は答えた。


「ちょっと待て」

宰相は部屋から出て行き、

十分後宰相は染色家らしき男を連れてきた。


「連れてきたぞ」


「染色家さん。このような色の染料はあるか?」

画家は尋ねた。


「あるよ」

染色家は腕を組み、答えた。


「それでこのような柄の衣服を作りたいのだが……」

画家は尋ねた。


「複雑な柄だな。しかし、染めは、何度も何度も染料を通して、水に晒すのを繰り返すからな。どうやってこの色を出すかだ」

染色家は首を傾げた。


「絵の具のようには使えぬと」

画家は尋ねる。


「色は乗るだろうが、その後の洗いで落ちるだろう」

染色家は言った。


「ちょっと待ってくれ。俺の世界では、こんな柄の服は量産されている。難しいはずがないだろう」


「この柄の服を量産。どんなに技術があるんだ」

染色家は口をポカンと開けた。


「ちょっと考えてみてくれ。この柄はどうやってできる?」

俺は画家と染色家を見た。


「そうですね。

まず土台の色をこの薄い緑にして、その次に、この茶色を乗せて、最後にこの濃い灰色を乗せればどうですか?」

画家は染色家を見た。


「なるほどな。そうか……、たしか昔に糊置きという技法があったはず。あれを使うと、染まる場所を限定できるかもしれんな」

染色家は頷いた。


「糊置きとは?」

画家は尋ねる。


「たしか……、小麦の粉を水で溶き、煮たものを、その染めたくない場所に塗るとか。そんなのだったと思う」


「なるほど、その小麦の粉を煮たものが、邪魔をして染料が入らないと」


「おそらくな。ただワシらはその技術を使ったことがない。同じ色のものしか染めないからな」


「なんとか出来そうか?」

宰相は尋ねた。


「わかりませんが。やってみる価値はあると思います」


「どれくらいかかる?」

宰相は目を細める。


「一週間、それと50Gほど頂ければ試作はできると思います。ただし、成果は保証できません」


「いかがですか?ルール上。この50Gは、支度金の1000Gの中から捻出していただかないといけません」

宰相は俺の顔を見た。


「頼む」

俺は答えた。

迷彩服ができるなら、

50Gなんて安いものだ。


俺は、

森林、氷、砂漠、市街地のパターンを描き、

色指定を行った。


「じゃあ頼むぞ」

宰相がそう言うと、画家と染色家は部屋から出て行った。


50Gは無駄になってしまうかもしれないが、

それでも良い。

仮に出来が悪くても、迷彩っぽくできれば、正解だし、

できなくても、

相手側も迷彩は用意できない可能性が高いという答えが得られる。


それに出来れば、圧倒的に有利だ。


近代戦を変えたのは、迷彩服だったと聞いたことがある。

名乗りを上げ、堂々と戦った時代から、

名乗りを上げず、迷彩服で隠密に攻撃する時代への変化。


ちょっと待て。

この世界は名乗りを上げる世界か?


「なぁ宰相。この世界は戦う前に名乗りを上げるか?」


「当然でございます」

宰相は言った。


これだ。

ここが攻略ポイントだ。



戦闘開始時、名乗りを上げない。

『受理』


やっぱりだ。

これで戦闘時、

自動的に名乗りを上げるシステムなら、

相手の場所の特定。

そして、

こちらの隠密性を保持して、初手を打てる。

この初手は大きい。


よしこれで行こう。

そう思った。


しかし、

格ゲーとは、また戦略が違ってくるな。

まぁいっか。

美少女たちに囲まれ、有利な場所でプレイできるなんて、最高じゃねぇか。

縛りゲーも良いけど、チート判定されない、チートっていうのも面白い。


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