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繰り返し

「ねぇ。あなた。剛がすごい熱で寝込んでいるの」


「風邪だよ。暖かくして寝ていたら治る」

電話に出た旦那は無関心そうにそう言った。


「でもね。この熱を出す前に、剛と揉めちゃって」


「何を?」


「ほら段ボールで作ったおもちゃの剣を捨てなさいよ。って言ったのよ」


「なんで?」


「来年は高校受験でしょ。

いつまでも、子供みたいな事ばかりしていたら……」


「あのな。息抜きぐらいさせてやらないと、おかしくなるぞ」


「でも。現実を見ないと」


「現実、現実ってな。まぁ良い。仕事があるし。また今晩帰ったら聞く。じゃあな」


電話は切れてしまった。


子育てに無関心な旦那。


私はどうすれば良い。


私は母に電話をかけた。

「ねぇ。母さん。今電話いい?」


「ちょっと待って。いま揚げ物してるから、火を止める……。

はい、どうしたの?」


「剛が風邪で寝込んでいてね」


「ほっておけば治るわよ」


「でも、その少し前に、おもちゃの事で揉めたの」


「おもちゃって……、ゲームでも取り上げたの?」


「段ボールでね。おもちゃの剣を作ってて、ほらあの子もう中学二年生でしょ。もうそういうのは、卒業する時期だと思うの。だから捨てなさいと」


「そんな事いったの?」


「うん」


「それで」


「怒ってた。僕の人生だ。僕の自由にしてもいいじゃないかって言われた」


「そうよね。あなたも昔は魔法少女になるって言ってたじゃない」


「そんなの小学生の頃とかでしょ」


「なに言ってるの。中学二年生の頃とかにも、魔法使いのグッズを隠れて買ってたでしょ」


「えっ。なにそれ。そんな記憶ないよ」


「いいえ。買ってました。部屋でポーズを練習している時に、母さんと出くわして、恥ずかしそうにしていたじゃない」


「そんな事してないよ。だって私中学二年生の頃には、勉強頑張っていたもの」


「それはたしか……、夏休み過ぎたくらいからよ。たしか風邪で寝込んだ後に……、人が変わったみたいに、勉強を始めたんだった」


「えっ。風邪で寝込んだ?まったく記憶がない」


「風邪で寝込んだとか、覚えてないものね。でも看病している方は覚えているわ。風邪が治った途端、性格が変わったようになっていたもの」


「どんな風に?」


「テレビとか見なくなったわね。

部屋にあった漫画も全部捨ててたし、

フリフリの服とか、昔の写真とかも、ずいぶん捨てていた。

なんていうの?

黒歴史だったかな」


「嘘よ。嘘。そんな記憶ないもの」


「まぁ別にいいんだけど。あなたの息子だから、剛も風邪が治れば、急に勉強とかしだすかもよ」


「そ、そう。ありがとう」

私は電話を切った。


胸の奥に、

ぼんやりとした、苦しみがあるのがわかった。


熱にうなされる剛の顔を見る。

私が失ったもの……。


それ以上私は考える事をやめた。


……

僕は考えていた。

知力をどうするかを……。


火属性で20ポイント 480ポイント

運に10ポイント 470ポイント

力に100ポイント 370ポイント

体力に100ポイント 270ポイント

素早さに100ポイント 残りが170ポイント


魔法をメインで使うなら、

知力を上げておいたほうが良い。

じゃあ残り170ポイント全振り行くか?


いやちょっと待てよ。

火属性と風属性って、

組み合わせできないかな?


『火属性と風属性を組み合わせた魔法を使える』


どうだ。

『エラーコード4649』

だめか……。

えっ!

なんで無理なの?


もしかして、

『火属性の魔法の後、風属性の魔法を使う』

これでどう?


『受理』

通った。

よしやった。


でも、ちょっと待てよ。

火属性の魔法で火をつけて、

風魔法を使ったら、消えるんじゃないの。

でも火災旋風ってあるって聞いたし。

あの火災旋風の仕組みってどうなんだろう?


ネットがつながったらな。

わかるかもしれないけど、

試してみよう。


『インターネットに接続できる』

これでどう?


『受理』

通った。


おおすげえ。

インターネットには接続できるんだ。


で……、

どうする?


この世界に端末は?

電気は?

ネット環境は?

あるのかな?


賢者に聞いてみようかな。

いやアルに聞いてみよう。


「ねぇアル。この世界にネットってある?」


「それは、アルのアルとある?をかけておられるのですか」

アルはすました顔で言った。


なんか微妙に恥ずかしい……。

「いや……。この世界にネットってありますか?」


「ございますよ。持って来ましょうか?」


「あるの?すごい持ってきて」


「はい。少しお待ちください」

アルは外に出て行った。

しかし、三十分ほど経っても、戻ってこない。

外に探しにいこうと立った瞬間。

ドアががしゃっと開いた。


何も悪さをしてないのに、

驚いて胸がどきどきした。


「どうかされましたか?金剛寺様」


「アルを見に行こうと思って、立った瞬間。

ドアが開いたから驚いたんだよ」


「それは失礼しました。申し訳ございません。

ネットを取りに行ってまして、身体に何度も絡んで、なかなかたどりつけませんでした」


「身体が絡む?」


「こちらがネットです」

アルは大きな網のようなものを手渡した。


「なにこれ?」


「これは漁師用のネットです。ほかにも盗賊を捕まえる用のネットなどもございますが、どうされますか?」


「いや……、これじゃないんだよ。ネット環境。インターネットだよ」


「ネット環境。インターネット……」

アルはネットを持つ兵士たちの顔を見る。

兵士たちも首を振る。


「そういうものは、聞いたことがございません。どのようなものですか?」


「遠くの人と手紙でやり取りしたり、遠くの世界の情報を手に入れたりするもの」


「あの……、それでしたら、私達は使っております」

兵士の一人が言った。


「えっ、そうなの?今見れる」


「兵舎近くの鳥小屋にたくさんいます」


「もしかして、それって伝書鳩?」


「そうです。伝書鳩です」


「それじゃないんだよ。インターネット。じゃあスマホとかない?」


「スマホ?

スマホ……、聞いたことがありませんね」


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