表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソロで効率厨の俺は、配信者を助けてバズってしまう!〜形見の杖を奪って、勝ちヒロインを従順にしてみました〜  作者: 海の紅月くらげさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/39

一撃


 草原を駆け抜ける風が、俺の圧で押し黙る。


『パッシブスキル・オールオン』


 体の奥で、何かが弾けた。


 ピン、と、感覚が一斉に開く。


《気配察知》《殺気感知》《視線感知》《足音感知》《振動感知》《空気流動察知》《魔力……。


 ……増加》《筋力強化》《瞬発力強化》《初速強化》《踏み込み強化》《回避距離増加》《軽歩》《瞬歩》《無音移動》《空中姿勢制御》《着地衝撃……。


 ……《反射神経強化》《回避補正》《自動回避補助》《危険予測》《致命回避》《ジャスト回避補正》《被弾軽減》《急所回避》《死角回避》《不意打ち軽減》《回避成功率上昇》《防御……。


 ……強化》《急所補正》《短剣適性》《投擲強化》《弱点看破》《カウンター威力上昇》《不意打ち威力増加》《クリティカル率上昇》《先制攻撃補正》《攻撃速度補正》

《照準補正》《弾道補正》《遠距離威力補正》《速射補助》《狙撃補……。


 ……追跡》《痕跡分析》《隠密補正》《潜伏補助》《夜間視認補助》《風読み》《レンジャーの本能》


 オフにしていたパッシブが、雪崩のように覚醒する。


 感覚が、体中を駆け巡った。



 視界が研ぎ澄まされる。音が消える。空気の流れが見える。


 世界が、静止したように遅くなる。


 一歩、踏み出した。


「……こい」


 短剣を指先で頭上に放る。


 刃が空中で回転する。陽光を弾き、きらりと瞬きながら、ゆっくりと落ちてくる。それを、何の迷いもなく掴み取った。


「格の違いってやつを、分からせてやるよ」


 静かに、短剣を構える。


「嫌いなんだよ、この感覚。さっさと終わらす」


 俺の声は感情が削ぎ落とされていた。



「へぇ〜、ラフィさんに狙われてそんなこと言った人、君が初めてだよぉ。ま、狙った人間は口が聞けなくなるんだけ……どッ!?」


「会話はもういいだろ」


 距離を詰めた。


 踏み込みの衝撃すら置き去りにする速度。地面を蹴った感触だけが、遅れて足裏に伝わる。


「死ね」


 短剣をラフィの首元へ走らせる。


 それに短刀が割り込んだ。


 だが、俺はそのまま殴り込むように叩きつける。金属音が弾け、短刀ごと押し切った。


「グッ!」


 衝撃が、ラフィの体を横へ弾いた。草原を滑るように吹き飛び、地面を跳ねながら転がっていく。


 間髪入れず、短剣を投げる。


 一直線に伸びる刃が、吹き飛ばされるラフィを追い越す。


八咫烏(ヤタガラス)


 瞬間、視界が跳ねた。


 投げた短剣の前へ、俺の体が瞬時に移動した。


 空間を飛び越えたような移動に、ラフィの瞳が揺れる。


 体勢を立て直す隙を与えない。


 掴んだ短剣を、再び頭上に放り上げる。


「一撃で沈め」


 右腕を振りかぶると、黄色い光が滲み出た。圧縮された力が拳へ集まり、空気が歪む。


 そのまま拳を、地面へ叩き込む。


貫通弓(ピアース)


 拳の軌道上に、吹き飛ばされていたラフィの体が流れ込んできた。


「うそッ!」


 スローモーションの世界の中、ラフィの瞳が見開かれる。恐怖と理解が同時に浮かんでいた。


「潰れろ」


 ドンッ! と、大地が脈打つ。


 次の瞬間、ガッ! と蜘蛛の巣状に地面が割れた。草原の土が跳ね上がり、衝撃が放射状に広がる。


 カキンッ!


 甲高い音。


 砕けた地面の中央。ラフィの頭の横で、俺の拳が止まっていた。

 その先には、折れた短刀が転がっている。


「へっ、へへへ……死んだとおもたぜぃ」


 ラフィが、仰向けのまま笑う。


「今、お前は死んだ」


「へ?」


 俺は起き上がり、落ちてきた短剣を受け取った。


「今からダンジョン警備隊はやめて、ルナの相棒として生きるんだ。さぁ立て」


「えっと、どういうこと」


「お前は理解しなくていい。ノイズスキル取れ」


 その時、ルナが駆け寄ってきた。


「ソルさん! 終わったんですか!?」


「ラフィは新しくルナのパーティーに入るらしい」


「ちょ、ちょっとまっ……」


 ラフィの背中を、短剣の柄で軽く突っつく。


「そ、そうなんですよぉ。ラフィさんは今からルナちゃんのパーティーに入りますぅ〜」


 コメント欄が一気に流れた。


:速すぎて見えねぇ

:え、今何した?

:一瞬で終わったんだが

:ラフィさん推すよ!

:可愛い!

:ビジュ強パーティー爆誕


「ん、可愛い!? 照れますねぇ」


 ラフィが画面に向かって手を振る。案外、乗り気だった。


 コメントに夢中になっている隙に、ルナが小声で聞く。


「な、なんで、殺されそうになってましたよね?」


「コイツ最初から殺気がなかった」


「え?」


「たぶんコイツにとっては、殺しはどうでもいいんだよ。殺しても殺さなくても」


「だからってなんでパーティーに」


「普通に面白そうだからだけど」


「えっ?」


 ルナは固まった。




【ルナ《パーティー抜けました》】

登録者    56万人→65万人

同時接続者数 159,000



 


 

楽しかった! 続きが気になる! という方は☆☆☆☆☆やブクマをしていただけると嬉しいです!

作者のモチベーションの一つになりますのでよろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ