プロローグ9 綾、地雷を踏みまくる
何者かから今向かっている城の名前を聞いた綾はとりあえず普通に返事をしていったのだが、その心の中は自身がタイムスリップしてしまっている、という疑念が更に膨らむ事になってしまった現状へ大パニックになる。
(吉田郡山城!? 今、この人吉田郡山城って言ったよね!? 今、私の目の前っていうか、見上げたら見えるあれが、吉田郡山城!? 時代劇の撮影じゃなさそうなのはもう確定だし、それじゃあ私って、本当にタイムスリップをしちゃったってわけ!? 嘘でしょ!?)
「……急に黙り込んだようだが、どうした?」
「……あ、いえ……ははは……」
「ぬう?」
パニックになった綾がなんとかして考え事をしていると、その事を不審に思った何者かが綾に声を掛けていく。
これに綾が微妙な表情で笑いながら答えていくと、何者かは不思議そうな表情で綾を眺めていった。
そんな何者かに綾は、今見えている吉田郡山城が本当の吉田郡山城なのかを確認する為、とある質問を行う。
「ははは……あ、そうだ。あの~……吉田郡山城って、安芸国にある吉田郡山城、なんですよね……?」
「……はあ? いや、お前は何を言っているんだ!? 安芸国以外に吉田郡山城があるわけなかろうが!!」
「そ、そうですよね! も、申し訳ありませんでした! それから、ありがとうございました!」
「ぬうぅ……!」
「……はあ、はあ……これでなんとか、斬られずにすんだかな……」
綾の質問は、吉田郡山城が安芸国にある吉田郡山城なのか? という物だった。
この質問に何者かは激怒しながら答えてきた為、綾は急いで謝罪の言葉と、質問に答えてくれた事への感謝の言葉を何者かに伝えていく。
これに何者かは、まだ怒っている状態でなんとか聞き入れていき、城へ向かっている足を速める。
そんな何者かの様子を見た綾が、斬られずに城へ行く事が可能になった事に安堵の溜め息を吐きながら、何者かの後を追って吉田郡山城へと向かっていった。
その途中、またしても綾が軽く口にした言葉が、何者かの逆鱗に触れてしまう。
「……」
「……」
「……」
「……それにしても……吉田郡山城かぁ……という事は、まさかあの毛利元就の本物と会ったり出来るのかなぁ……?」
「……!!」
「……うん? あ、あれ? ど、どうかしましたか……? 急に立ち止まって……!?」
何者かが急に足を止めた事が気になった綾が、何者かに声を掛けていく。
しかし、何者かは綾の言葉に答えず、恐ろしく速い動作で刀に手を掛けると、有無を言わさず全力で綾に刀を振り下ろしてきた。
少し時間に余裕があったので、今日はまだ投稿します!
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