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俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


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8/32

祭りの夜、俺だけ観客席だった

今回はお祭り回です!


ラブコメにおいて、

祭りイベントは超重要。


つまりレンは、

かなり期待しています。


なお現実はいつも通りです。

 街がおかしかった。


 朝から。


「なんか人多くない?」


「今日は《星灯祭》ですから!」


 フィアが嬉しそうに言った。


「年に一回のお祭りなんですよ」


 通りには屋台。

 色とりどりの布。

 頭上には星みたいなランタン。


 確かに綺麗だ。


 異世界のお祭りって感じがする。


「夜になると、空に灯りを流すんです」


「へぇ」


「恋人同士で見ると結ばれるって言われてる」


 その瞬間。


 俺の脳内で鐘が鳴った。


 来た。


 イベントだ。


 祭り。

 恋愛。

 夜景。


 ラブコメ三種の神器。


 これはもう何か起きる。


 いや起こす。


「レン、顔うるさい」


「顔ってうるさくなるの!?」


 ミアが呆れた顔をする。


 でもほんの少し、

 口元が笑っていた。



 夜。


 祭りは昼よりずっと賑やかだった。


 灯りが綺麗で、

 街全体が夢みたいに光ってる。


「わぁ……」


 フィアが目を輝かせる。


 ミアも静かに空を見上げていた。


 なんかその横顔、

 すごく綺麗だった。


 ……いや。


 落ち着け俺。


 今日はチャンスだ。


 ちゃんと主人公するんだ。


「何食べる?」


「焼き菓子!」


「子供か」


「ミアも好きでしょ?」


「……否定はしない」


 はいはい仲良し仲良し。


 俺は屋台で串焼きを買う。


 すると店主のおっちゃんが、

 ニヤッと笑った。


「彼女さんたちにも買ってやれよ兄ちゃん」


「彼女じゃないです!!」


 反射で叫ぶ。


 その瞬間。


「えっ」


 フィアが固まった。


 ミアも少し目を瞬かせる。


 なんか、

 空気が変になった。


 やばい。


 待って。


 今の否定、

 もしかして傷つけた?


 俺は慌てる。


「いや違くて! そういう意味じゃなくて!」


「……?」


 フィアがきょとんとする。


「レンさん、どうしたんですか?」


「え?」


「顔真っ赤です」


 俺だけだった。


 気まずくなってたの。


 なんだこれ。


 恥ずかしい。


 ミアが小さく吹き出した。


「……レン、面白い」


「最近ちょくちょく笑うようになったなお前!?」



 祭りの中央広場。


 空には無数の灯りが浮かび始めていた。


 幻想的だった。


 周囲では恋人たちが寄り添ってる。


 手を繋いでる人も多い。


 俺はちらっと二人を見る。


 ……うん。


 なんか。


 並んでるだけで完成してる。


「綺麗……」


 フィアが小さく呟く。


 その時。


 風が吹いた。


 フィアの髪飾りが外れる。


「あっ」


 ひらりと落ちそうになった瞬間。


 ミアが掴んだ。


「……危ない」


「ありがと」


 フィアが笑う。


 ミアはそのまま、

 髪飾りを付け直そうとして。


 途中で手を止めた。


「じっとして」


「う、うん」


 近い。


 顔が。


 祭りの灯りの中で、

 二人の距離だけ静かだった。


 周りの音が遠くなるくらい。


 ミアの指が、

 フィアの髪へ触れる。


 フィアは少し緊張した顔をしていた。


 でも嬉しそうだった。


 その空気を見た瞬間。


 俺の中で、

 何かがすとんと落ちた。


 ああ。


 そっか。


 この二人、

 本当に特別なんだ。


 たぶんもう、

 最初から。


「レンさん?」


 フィアがこちらを見る。


「どうしました?」


「……いや」


 俺は笑った。


「なんでもない」


 少しだけ胸は痛かった。


 でも。


 それ以上に。


 二人が綺麗だと思った。


 空へ灯りが浮かぶ。


 まるで星みたいに。


 その光の下で。


 俺はようやく、

 自分の恋愛フラグの行き先を理解した。

第8話ありがとうございました!


ついにレン、

ほぼ確信しました。


“この二人は特別なんだ”って。


でもレンは、

それを見て怒るでもなく、

無理に壊そうともしません。


ちゃんと寂しくて、

ちゃんと少し切ない。


でもそれ以上に、

二人を綺麗だと思ってしまうんです。


この作品、

ギャグっぽく始まってますが、

少しずつ三人の関係そのものが大事な話になっていきます。


そして次回。

たぶんレン、

変な覚悟を決めます。

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