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俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


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7/31

二人部屋が自然すぎて、俺だけ眠れない

今回は宿回です!


戦闘のあと、

少しずつ“パーティの空気”が固まり始めます。


そしてレン、

ついにかなり核心へ近づきます。


でもまだ、

ギリギリ認めてません。たぶん。

 グレイファング討伐から戻った俺たちは、

 そのまま宿へ直行した。


 疲れた。


 身体が重い。


 特に腕。


 狼の攻撃受け止めたせいで、

 まだビリビリしてる。


「レンさん、本当に無茶しましたよね……」


 宿の食堂で、

 フィアが呆れたように言った。


「いやでも囮必要だったし」


「それでもです!」


 ぷんすかしてる。


 可愛い。


 怒ってても柔らかいのずるい。


「……でも助かった」


 ミアがぽつりと言った。


「え?」


「レンが走ったから、位置取りできた」


 不意打ちだった。


 ミアって、

 あんまりこういうこと言わない。


 だから妙に嬉しい。


「そ、そっか」


 俺はちょっと照れながら頭を掻く。


 フィアはそんな俺たちを見て、

 ふわっと笑った。


「なんだか、ちゃんとパーティって感じですね」


 その言葉に、

 少しだけ胸が温かくなる。


 ……うん。


 俺、

 この二人といるの結構好きかもしれない。



 夜。


 問題はここからだった。


「部屋、二つしか空いてないですね」


 受付のおばちゃんが申し訳なさそうに言う。


「今日は冒険者多くて」


 嫌な予感がした。


 ものすごく。


「一部屋はシングル、一部屋はダブルになりますけど、どうします?」


 …………。


 ………………。


 いや。


 まあ。


 普通に考えたら。


「じゃあ俺がシングル――」


「ミア、一緒でいい?」


 フィアが自然に言った。


「……うん」


 早い。


 決定が早い。


 俺の発言、

 最後まで聞かれてない。


「えっ、あ、うん、そうだよね!?」


 逆に俺が慌てる。


 そりゃそうだ。


 女の子同士でダブル。

 男はシングル。


 健全。


 当たり前。


 何もおかしくない。


 おかしくないんだけど。


 なんだろう。


 この、

 “空気で決まってました感”。


「レン?」


「いや何でもない」


 ミアが不思議そうにこちらを見る。


 フィアは受付で鍵を受け取っていた。


「それじゃ、おやすみなさい!」


「おう、おやすみ」


「……おやすみ」


 二人は並んで階段を上がっていく。


 途中。


 フィアが少し眠そうによろけた。


「わっ」


 ミアが自然に肩を支える。


「……危ない」


「ありがと、ミア」


 近い。


 距離が。


 呼吸くらい自然に触れるな。


 俺はその背中を見送りながら、

 静かに思った。


 ……付き合ってないんだよな?


 いやでも。


 あれで付き合ってないなら、

 逆に何なんだ。



 自分の部屋。


 ベッドへ倒れ込む。


 静かだった。


 一人部屋だから当然だけど。


 ……なんか。


 少しだけ寂しい。


 今日一日、

 ずっと三人でいたせいかもしれない。


 その時。


 コンコン。


 ノックの音。


「レンさん?」


 フィアの声だった。


「どうした?」


 扉を開ける。


 するとフィアが、

 毛布を抱えて立っていた。


「宿の人が、予備持っていってって」


「あ、ありがとう」


「あと……」


 フィアは少し困ったように笑う。


「ミアが、“ちゃんと湿布貼れ”って」


「え」


 思わず間抜けな声が出た。


「腕、痛そうだったから」


 なんか。


 じわっと嬉しかった。


 あいつ、

 ちゃんと見てたんだ。


「……そっか」


「はい」


 フィアが笑う。


 優しい顔だった。


 でも次の瞬間。


「ミア、先寝ちゃいそうなので戻りますね」


 その言い方が。


 妙に自然で。


 ああ、

 本当に一緒なんだなって思った。


「おやすみ、レンさん」


「おやすみ」


 扉が閉まる。


 静寂。


 俺はベッドへ座り直した。


 そして。


 なぜか少しだけ笑ってしまった。


「……俺の恋愛フラグ、ほんとに全部吸われてない?」


 誰もいない部屋で呟く。


 でも。


 不思議と嫌な気持ちじゃなかった。

第7話ありがとうございました!


レン、

だいぶ気づいてきました。


特に今回の

「二人部屋の流れが自然すぎる」

はかなり大きかったと思います。


でもこの作品、

ただ“レンがかわいそう”な話ではなくて。


ちゃんと三人でいる時間に、

居心地の良さが生まれていく物語でもあります。


だからレンも、

少しずつ“恋愛”とは別の大切さを感じ始めています。


あとミア、

言葉少ないのにちゃんとレンを見てるんですよね。


不器用。


次回は街のお祭り回!

レンがまた希望を持ちます。たぶん。

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