私たちの仲間だ
いつも読んでいただきありがとうございます。
白の塔編も、いよいよクライマックス目前です。
今回は、
レンたちがただ強い敵と戦うだけではなく、
「自分で選んだ居場所」
についての話になっています。
特別な力。
選ばれた運命。
決められた役割。
そんなものより大切なものがある。
今回のリオンには、
そんな想いを込めました。
そしてミアもかなり頑張っています。
レンは相変わらず無茶します。
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皆さんの応援が、
この作品を続ける力になっています。
それでは第66話、
よろしくお願いします!
銀色の光が走る。
紅い斬撃が黒い腕を切り裂いた。
『――』
災厄が初めて沈黙する。
レンの身体が解放された。
「ぐっ……!」
床へ転がる。
息が苦しい。
でも。
「レン!」
駆け寄ってきたのはミアだった。
いつもの明るい声。
だけど今は泣きそうな顔をしている。
「大丈夫!?」
「た、多分……」
「多分じゃない!」
ミアが本気で怒る。
「なんで毎回飛び出すの!?」
「いやあれは飛び出すだろ!?」
「飛び出さない!」
即答だった。
でも。
その声は少し震えていた。
たぶん本当に怖かったんだろう。
レンは少しだけ申し訳なくなる。
「……ごめん」
「あとでちゃんと怒るから」
「はい」
怖い。
災厄より怖いかもしれない。
すると。
ドクン。
心臓が脈打った。
部屋が揺れる。
黒い影がゆっくり立ち上がる。
『理解できない』
低い声。
『なぜ互いを守る』
「は?」
ミアが眉をひそめる。
『利用価値でもあるのか』
静寂。
レンは思った。
やっぱり。
こいつ。
本当に人の心が分からない。
すると。
「価値とかじゃない」
フィオが前へ出た。
金色の瞳が災厄を見上げる。
「仲間だから」
『理解不能』
「うん」
フィオは頷いた。
「だから負ける」
その言葉。
なぜか妙に力強かった。
災厄が沈黙する。
そして。
『白の巫子』
再びリオンを見る。
『こちらへ来い』
「行かない」
即答。
『なぜ』
「だから」
リオンが笑う。
少しだけ。
いつもの悪戯っぽい笑顔。
「俺には帰る場所があるから」
静寂。
災厄が止まる。
理解できない。
そんな顔だった。
リオンはレンたちを見る。
フィオ。
ミア。
レン。
そして。
少し離れた場所にいるセレナ。
「昔はなかったんだよ」
小さな声。
「居場所ってやつ」
ミアが微笑む。
フィオも頷く。
レンは少し照れくさくなった。
「なんかそう言われると恥ずかしいな」
「黙れ主人公」
「主人公じゃない!」
即否定。
でも。
リオンは少し笑った。
その時だった。
セレナが突然叫ぶ。
「下がって!!」
全員が振り向く。
災厄の身体。
その中心。
黒い核が現れていた。
ドクン。
ドクン。
ドクン。
塔の心臓と同じ音。
同じ脈動。
セレナの顔色が変わる。
「まずい……!」
「何が!?」
レンが叫ぶ。
セレナは歯を食いしばる。
「完全復活する!」
静寂。
そして。
災厄が初めて笑った。
『ようやく』
黒い核が光る。
塔全体が震える。
『ようやく自由になれる』
その瞬間。
白の塔の天井に、
巨大な亀裂が走った。
第66話でした!
いよいよ白の塔編もクライマックスです!
ここまで読んでくださって本当にありがとうございます!
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