おかえりなさい
いつも読んでいただきありがとうございます。
ついに第60話です!
ここまで読んでくださった皆さん、
本当にありがとうございます。
今回は、
白の塔の中で初めて“核心”に触れる回になります。
今までの黒騎士や霧喰い。
その裏側にあったものが、
少しずつ見え始めます。
そして、
リオンにとってもかなり重要な人物が登場します。
それでは、第60話。
よろしくお願いします。
『――おかえりなさい』
女の声が響く。
塔の奥から。
優しく。
懐かしむように。
まるで。
本当に帰ってきた家族を迎えるみたいに。
「…………」
リオンの顔色が真っ青だった。
「リオン?」
レンが声をかける。
返事がない。
ただ塔の奥を見ている。
「……知ってる声なの?」
ミアが小さく聞く。
リオンは数秒黙り。
そして。
「……たぶん」
静かに答えた。
その声。
少し震えていた。
レンは初めて見た。
リオンがここまで動揺しているのを。
すると。
コツ。
コツ。
塔の奥から足音が響く。
「うわ出てくるぅぅぅ!!」
レンが即座に半歩下がる。
「レン」
「怖いだろ普通!!」
全員ちょっと同意した。
だって怖い。
真っ白な塔の奥。
そこから誰か出てくるのだ。
怖い。
そして。
人影が現れた。
白い髪。
白い服。
透き通るような肌。
一人の女性だった。
美しい。
でも。
どこか人間じゃない。
そんな違和感があった。
「……久しぶりね」
女性が微笑む。
その視線。
真っ直ぐリオンへ向いていた。
「リオナ」
静寂。
レンが固まる。
ミアも固まる。
フィオだけ静かに女性を観察している。
リオンは目を閉じた。
「……その名前で呼ぶな」
低い声。
女性は少し悲しそうに笑う。
「まだ怒っているの?」
「当たり前だろ」
空気が重い。
レンは完全についていけてない。
「誰!?」
我慢できなかった。
女性がこちらを見る。
そして。
「私はセレナ」
小さく微笑んだ。
「前の“白の巫子”よ」
静寂。
レンの脳が止まる。
「……は?」
「聖女!?」
ミアが驚く。
二十年前。
唯一塔から帰還した聖女。
その人物。
「え、でも……」
レンは混乱する。
「二十年前って……」
「見た目若すぎない?」
女性。
セレナは少し笑った。
「塔の中では、時間の流れが違うの」
「はい嫌な設定きた」
レンが頭を抱えた。
するとフィオが前へ出る。
「あなたが黒騎士を作った?」
セレナは静かに首を振る。
「違う」
「霧喰いは?」
「違う」
金色の瞳と白い瞳がぶつかる。
数秒。
やがてセレナが小さく息を吐いた。
「私は止めていた側」
その瞬間。
空気が変わる。
「……何を?」
リオンが聞く。
セレナの表情から笑みが消えた。
そして。
塔のさらに奥を見る。
「この塔の“心臓”を」
ぞわり。
嫌な寒気。
その時だった。
ドクン。
塔全体が脈打った。
「うわぁぁ!?」
レンが飛び上がる。
床が揺れる。
壁が震える。
そして。
塔の奥から。
何か巨大な気配が目を覚ました。
ドクン。
ドクン。
ドクン。
まるで。
本当に心臓が動いているみたいに。
セレナは静かに呟く。
「……間に合わなかった」
第60話、ありがとうございました。
ついに登場しました。
セレナです。
二十年前に白の塔から帰還した、
伝説の聖女。
でも今回、
普通の「助けてくれる先輩キャラ」ではありません。
リオンがあそこまで嫌そうな顔をした理由。
そして、
「リオナ」
という呼び方。
この二人には、
かなり長い因縁があります。
まだ全部は語られていませんが、
少しずつ明らかになっていきます。
そして今回一番大きいのは、
セレナは敵ではなかった
ということ。
じゃあ黒騎士は誰が生み出したのか。
霧喰いは何なのか。
塔はなぜ人を選ぶのか。
その答えが、
少しずつ近づいてきています。
あと今回のレン。
相変わらずホラー耐性が終わっています。
でも読者目線だと、
たぶんレンの反応が一番正常です。
壁が脈打つ塔とか、
普通に怖い。
そして最後。
「塔の心臓」。
ここから白の塔編は、
一気に終盤へ入っていきます。
第1シーズンのラストも、
少しずつ見えてきました。
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「リオンしんどい」
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いつも読んでくださってありがとうございます!
次回もよろしくお願いします。




