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俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


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白の巫子

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は、

リオンの過去と、

“白の巫子”について少しずつ明かされる回です。


今まで明るく振る舞っていたリオンが、

何を抱えていたのか。


そして、

なぜ王都から逃げたのか。


この作品の中でも、

かなり大事な回になっています。


もしよければ、

感想や評価などいただけると本当に励みになります!


「このシーン好き!」

「リオンしんどい」

「レンお前ほんとに主人公か?」

みたいな一言でも、

めちゃくちゃ嬉しく読ませてもらっています。


それでは、第57話。

よろしくお願いします。

 宿の空気は、まだ重かった。


「……」


「……」


 レンは静かにリオンを見た。


 リオンは椅子へ座ったまま、

 帽子を深く被っている。


 いつもみたいに軽口を叩かない。


 なんか逆に怖い。


「……えっと」


 レンが恐る恐る口を開く。


「リオン?」


「んー?」


 返事はいつもの軽い声。


 でも。


 無理してるのが分かった。


「……大丈夫か?」


 その瞬間。


 リオンが少しだけ目を丸くした。


 たぶん。


 そんな風に聞かれると思ってなかった。


「……まあ」


 小さく笑う。


「最悪ではある」


「だろうなぁ……」


 レンは頭を掻いた。


 すると騎士団長ゼクトが静かに口を開く。


「“白の巫子”とは」


「ちょっと待て」


 リオンが即止めた。


「それ説明すんの?」


「必要かと」


「うわぁ……」


 リオンが本気で嫌そうな顔をした。


 レンは逆に気になって仕方ない。


「何なんだよ白の巫子って」


 静寂。


 ゼクトは少し迷ってから答えた。


「塔に選ばれた者です」


「はい?」


「白の塔は、時折“器”を選びます」


 空気が少し冷える。


「その者は塔と強く共鳴し、

 内部へ深く入ることができる」


 フィオの表情が変わる。


「……だから塔は“人を選ぶ”」


「はい」


 ゼクトは頷いた。


 レンは嫌な予感がした。


「まさか……」


「リオン様は、

 歴代でも最も強い適性を持っていました」


「うわぁぁ嫌な主人公属性!!」


 レンが叫ぶ。


「なんでお前そっち側なんだよ!!」


「なりたくてなったわけじゃない!!」


 リオンがキレた。


 珍しい。


 本気で嫌がっている。


「小さい頃からずっと言われてたんだよ」

「“お前は特別だ”って」


 リオンが俯く。


「だから姫として育てられて、

 塔へ入るために生かされて」


 声が少しだけ震えた。


「……息苦しかった」


 静寂。


 レンは何も言えなかった。


 いつも笑ってるリオンが、

 こんな顔するなんて知らなかった。


「だから逃げた」


 リオンが小さく笑う。


「髪切って、

 名前変えて、

 男として生きて」


 そしてレンたちを見る。


「やっと普通に笑えたんだよ」


 その瞬間。


 ミアが静かに言った。


「なら戻らなくていいじゃん」


 全員がミアを見る。


 ミアは真っ直ぐだった。


「嫌なんでしょ?」


「……」


「だったら、

 無理して姫になる必要なくない?」


 シンプルな言葉。


 でも。


 リオンは少し目を見開いていた。


 するとフィオも頷く。


「リオンは、ここにいる時のほうが自然」


「フィオぉ……」


 リオンが崩れ落ちそうな顔をする。


 レンも頷いた。


「うん。

 正直、ドレスより短剣のほうが似合う」


「それ褒めてる?」


「褒めてる」


 リオンは数秒黙って。


 それから。


 少しだけ笑った。


「……ありがと」


 その時だった。


 ゼクトが低い声で言う。


「ですが」


 空気が張る。


「塔は、いずれリオン様を求めます」


 静寂。


 窓の外。


 遠くの白い塔が、

 まるでこちらを見ているみたいだった。

第57話、ありがとうございました。


ついに、

リオンの「逃げた理由」が語られました。


今回のリオン、

かなり本音を出しています。


“特別”

って、

必ずしも幸せじゃないんですよね。


期待されて、

役割を押し付けられて、

「こう生きろ」と決められる。


リオンはずっと、

“姫”として扱われてきました。


でも本人は、

ちゃんと“自分”として生きたかった。


だから、


* 名前を変えて

* 髪を切って

* 男として旅をして


やっと今、

笑えるようになったんだと思います。


そして今回、

ミアとフィオがすぐに

「嫌なら戻らなくていい」

と言ったのも、

このパーティらしいなと思っています。


この作品、

強さとか運命より、

“自分で選ぶこと”

をかなり大事にしているので。


あとレン。


相変わらず情報量に振り回されてます。


でも、

「短剣のほうが似合う」

って言葉、

リオンはかなり救われています。


本人たぶん気づいてません。


そして最後。


“塔はリオンを求める”。


白の塔編、

ここからさらに核心へ近づいていきます。


そしてもし楽しんでいただけたら、

評価・感想・ブックマークなど本当に励みになります!


一言でも、

めちゃくちゃ力になります。


いつも読んでくださってありがとうございます!


次回もよろしくお願いします。

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