かわいい服は罠
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、
久しぶりに少し平和(?)な回です。
……いや、
途中までは平和でした。
塔攻略前の買い物回のはずが、
なぜかリオンがとんでもないことになります。
でもその中で、
少しずつ違和感も積み上がってきています。
白の塔編、
静かに不穏さが近づいています。
そしていつも、
感想・評価・ブックマーク本当に励みになっています。
「ここ好きだった!」や、
キャラへの感想など、
ひとことでもめちゃくちゃ嬉しいです!
それでは、第54話。
よろしくお願いします。
「塔に行く前に、装備整えたい」
ミアが真面目な顔で言った。
「……それは分かる」
レンも頷く。
白の塔。
絶対ヤバい。
むしろヤバくない要素がない。
「というわけで買い物!」
リオンが元気よく言った。
「急にテンション高いな」
「だって暗い話ばっかだったし」
確かに。
ここ数日、
* 黒騎士
* 霧喰い
* 人が消える塔
と、だいぶ情緒が終わっていた。
なので。
数十分後。
「……なんでこうなった」
レンは遠い目をしていた。
目の前。
服屋。
そして。
「これ絶対似合う!」
ミアが満面の笑みで、
フリフリの白い服を持っていた。
「いや待って」
「なんで俺を見る?」
「レンじゃない」
ミアが横を見る。
レンも見た。
「…………」
「…………」
リオンが固まっていた。
「嫌な予感しかしない」
「大丈夫大丈夫!」
大丈夫じゃない時のテンションだった。
「リオンって顔綺麗だし!」
「やめろ」
「絶対似合うって!」
「やめろぉ!!」
リオンが逃げようとする。
しかし。
ぎゅっ。
フィオが袖を掴んでいた。
「見たい」
「フィオまでぇ!?」
裏切りだった。
数分後。
「……………………」
レンは静かに天を仰いだ。
店の奥。
カーテンが開く。
そこにいたのは。
「……もう帰りたい」
白い服を着たリオンだった。
可愛かった。
めちゃくちゃ。
長い睫毛。
細い身体。
白い肌。
普通にお姫様だった。
「うわ」
レンが引いた。
「うわじゃない!!」
リオンが真っ赤になる。
ミアは崩れ落ちていた。
「無理……かわいい……」
フィオも静かに頷く。
「お姫様」
「やめて」
すると店員が出てくる。
目がキラキラしていた。
「まあ! 本当にお似合いですわ!」
「違います」
「男です」
即答。
しかし店員は微笑む。
「またまた〜」
「信じてぇ!?」
レンは肩を震わせていた。
「リオン……お前……」
「笑ったら刺す」
「いやでもこれ……」
本当にすごかった。
違和感がない。
むしろ完成されている。
すると。
店の外。
カシャン。
鎧の音。
その瞬間。
リオンの表情が凍った。
「……っ」
空気が変わる。
レンは笑いを止めた。
外を通る兵士。
王家の紋章。
リオンの指先が震えている。
「リオン?」
「……なんでもない」
でも声が硬い。
フィオが静かに兵士を見る。
そして。
「……リオン、その服脱いだほうがいい」
「え?」
「目立つ」
静かな声。
でも少しだけ鋭かった。
リオンは数秒黙って。
そして小さく笑う。
「……そだね」
その笑顔。
どこか少しだけ、
無理しているように見えた。
第54話、ありがとうございました。
今回はかなり、
「このパーティの日常感」
が出た回でした。
戦闘続きだったので、
久しぶりにわちゃわちゃできて作者も楽しかったです。
……まあ、
リオンは災難でしたが。
でも今回、
ついに全員が思いました。
「リオン、普通に可愛すぎる」
本人はかなり嫌がっていますが、
似合ってしまうのが問題です。
そして今回も、
王家の兵士を見た瞬間だけ、
リオンの空気が変わっています。
まだ誰も理由を知りません。
でも、
少しずつ逃げられなくなってきています。
あと、
いつも読んでくださる皆さん本当にありがとうございます!
評価、感想、ブックマーク、
全部めちゃくちゃ力になっています。
「レンの悲鳴好き」
「フィオ強すぎる」
「ミアかわいい」
「リオン守りたい」
みたいな一言でも、
すごく嬉しいです!
もし楽しんでいただけたら、
ぜひ応援していただけると嬉しいです!
次回、
塔へ向かう準備がさらに進みます。
……たぶんまた事件起きます。
次回もよろしくお願いします。




