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俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


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48/67

霧の中の”誰か”

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は、

かなり“ホラー回”です。


霧喰いの不気味さだけではなく、

「この街で消えた人たちはどうなったのか」

にも少し踏み込んでいます。


ここからアルセリア編、

空気がどんどん不穏になっていきます。


……でもレンは相変わらず叫びます。


それでは、第48話。

よろしくお願いします。

「ミア!!」


 レンは霧の中を駆けた。


 視界は真っ白。


 数メートル先すら見えない。


「ちょ、待ってレン!」


 リオンの声が後ろから飛ぶ。


 でも止まれなかった。


 さっきのミアの声。


 あれは明らかに普通じゃなかった。


「レン」


 フィオが袖を掴んだまま走る。


「前」


「え?」


 次の瞬間。


 ぐにゃり。


 霧の中から、白い腕が伸びた。


「うわぁぁぁ!!?」


 レンが全力で飛び退く。


 霧喰い。


 顔のない頭部。

 裂けた口。

 笑っている。


「また来たぁ!!」


 霧喰いが笑う。


 ケタケタケタ。


 その音だけで鳥肌が立つ。


「レン下がって」


 フィオの魔法陣が展開される。


 銀色の光。


 氷槍が霧喰いを貫く。


 しかし。


 また霧になって散った。


「うわ復活系!?」


「めんどくさいタイプ」


 リオンが嫌そうな顔をする。


 すると。


 霧の奥から、小さな声。


「……お兄ちゃん」


 空気が止まる。


 少女の声だった。


 昼に会ったあの子。


「え……?」


 レンが目を凝らす。


 霧の向こう。


 誰か立っている。


 小さな人影。


「お兄ちゃん、いた……」


 その瞬間。


 フィオの表情が変わった。


「違う」


「は?」


「レン、あれ見ちゃだめ」


「え?」


 ぞわり。


 本能が警鐘を鳴らす。


 でも。


 レンは見てしまった。


 霧の中の“それ”。


 最初は人間に見えた。


 でも違う。


 首が、曲がっていた。


 ありえない方向へ。


 顔は半分崩れ、

 霧が溶けるみたいに流れている。


 なのに。


 笑っていた。


「――っ!!?」


 レンの背筋が凍る。


「うわ無理無理無理!!」


 リオンまで顔を引きつらせた。


 珍しい。


 いつも余裕あるリオンが、本気で引いている。


 その“お兄ちゃん”は、ゆっくり手を伸ばした。


「……おいで」


 少女が震える。


「お、お兄ちゃん……?」


 すると。


 ミアが飛び出した。


「近づいちゃダメ!!」


 剣閃。


 一瞬で“それ”を斬り裂く。


 霧が散る。


 でも。


 声だけは残った。


 ケタケタケタ。


「っ……!」


 ミアの顔が青い。


 レンは初めて見た。


 ミアが、ここまで怯えてる顔。


「ミア?」


「……あれ、人じゃない」


 声が震えていた。


「人だったもの、だよ」


 静寂。


 霧が、ゆっくり街を流れていく。


 フィオが静かに呟く。


「霧喰いは、“消えた人”を使ってる」


「は……?」


 レンの喉が鳴る。


 つまり。


 この街で消えた人たちは。


 全部。


 まだ霧の中にいる。


 その瞬間。


 霧の奥。


 無数の笑い声が響いた。


 ケタケタ。

 ケタケタケタ。


 まるで。


 街全体が笑っているみたいだった。

第48話、ありがとうございました。


今回はかなり怖めでした。


特に、

“お兄ちゃん”のシーン。


人間に見えるのに、

どこか決定的に壊れている。


あの「見ちゃいけない感じ」を意識して書いています。


そして今回判明したのは、

霧喰いがただの怪物ではないこと。


“消えた人”を使っている。


つまり、

この街で起きていることは、

思ったよりずっと悪質です。


ミアがかなり強く反応したのも、

「あれが元は人間だった」

と理解してしまったからなんですよね。


あと今回、

リオンまで本気で引いていました。


この男、

基本メンタル強めなんですが、

さすがに今回は無理だったらしいです。


そして最後。


霧の中の笑い声。


アルセリア編、

ここからさらに異常さが増していきます。


……レンの悲鳴も増えます。


次回もよろしくお願いします。

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