表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
46/67

霧喰いは夜に笑う

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は、

霧の街アルセリア編が本格的に動き始める回です。


ここまでの敵とは少し違う、

“気味の悪さ”を意識して書きました。


見えにくい霧。

静かすぎる街。

そして、

顔がないのに笑う怪物。


不穏な空気の中でも、

相変わらず騒がしいレンたちを楽しんでもらえたら嬉しいです。


それでは、第46話。

よろしくお願いします。

 アルセリアの夜は、異様だった。


「……静かすぎる」


 宿の窓から外を見ながら、レンは呟く。


 人の声がしない。


 街灯の灯りはある。

 店も閉まっているわけじゃない。


 なのに。


 まるで街全体が“息を潜めている”みたいだった。


「夜は出歩かないほうがいい、ねぇ」


 リオンがベッドへ寝転がる。


「完全にホラーの導入なんだよな」


「やめろ怖くなる」


 レンは真顔で返した。


 すると。


「レン、怖いの苦手?」


 フィオが小さく首を傾げる。


「得意なやついる!?」


「私は平気」


「強いなぁ……」


 ミアは少し笑う。


「でもレン、絶対最初に叫ぶタイプ」


「否定できないの悔しい」


 その時。


 コンコン。


 扉が叩かれた。


「っ」


 一瞬で空気が変わる。


 リオンが起き上がる。


 フィオも静かに目を細めた。


「……誰」


 ミアが小声で言う。


 レンはそっと扉へ近づいた。


「ど、どちらさま……?」


 すると。


「……開けて」


 小さな声。


 昼に会った、あの少女だった。


 レンは少し迷ってから扉を開ける。


 少女は青い顔をしていた。


「た、大変なの……!」


「うわフラグ回収早っ」


「レン黙って」


 ミアが肘で殴った。


 普通に痛い。


「お兄ちゃんがいなくなったの!」


 少女は涙目だった。


「霧喰いに連れていかれた……!」


 空気が止まる。


 フィオが静かに立ち上がった。


「どこで?」


「裏路地……!」


「今から行く」


 フィオが即答する。


「え、待って!?」


 レンが叫ぶ。


「完全に危険イベントだぞ!?」


「でも放っておけない」


 ミアも剣を持つ。


 リオンはため息を吐いた。


「はいはい、行く流れね」


「いや絶対ヤバいって!」


「レン」


 フィオが振り向く。


「怖い?」


「……めちゃくちゃ怖い」


 正直に答える。


 するとフィオは少しだけ笑った。


「大丈夫」


「その“根拠ない大丈夫”怖いんだけど」


「でも」


 フィオがそっとレンの袖を掴む。


「一緒だから」


「っ……」


 ずるい。


 そんな言い方されたら断れない。


 リオンがニヤニヤしていた。


「レン、ちょろ」


「うるさい」


 数分後。


 四人は霧の街を走っていた。


 夜のアルセリア。


 昼よりさらに視界が悪い。


 白い霧が街灯の光をぼやけさせている。


「うわぁ……」


 レンは小さく震えた。


「絶対なんか出る」


「それ死亡フラグ」


「やめて!?」


 すると。


 ぴたり。


 フィオが止まった。


「……いる」


 空気が冷える。


 霧の奥。


 何かが動いた。


 ぐちゃり。


 湿った音。


「……え?」


 レンの喉が鳴る。


 ゆっくり。


 霧の中から、“それ”が現れた。


 人の形。


 でも顔がない。


 身体の半分が霧で溶けている。


 そして。


 笑っていた。


 顔がないのに。


「――ッ」


 少女が震える。


「あ、あれが……霧喰い……!」


 その瞬間。


 霧喰いが、レンたちを見た。


 そして。


 口が裂けるみたいに、笑った。

第46話、ありがとうございました。


ついに“霧喰い”登場です。


今回の敵は、

黒騎士みたいな“圧倒的強者感”とは少し違って、

もっと不気味寄り。


「何を考えてるか分からない怖さ」

を強めにしています。


特に、

“顔がないのに笑っている”

という部分、

かなりこの敵の異常さを表している気がします。


そして今回、

レンはずっと怖がっています。


でもそれでも、

ちゃんと逃げずについていく。


そこが、

レンらしい主人公感なんですよね。


あと今回好きなのは、

フィオの


「一緒だから」


です。


この子、

最近ナチュラルにレンの心を攻略しにきています。


もちろん恋愛的な意味ではなく、

“仲間として信頼してる”方向なんですが、

レンには普通に効いてます。


そしてリオン。


この街に入ってから、

ちょっとだけ空気が変わっています。


まだ誰も深く聞いていませんが、

違和感は少しずつ積み上がり始めています。


次回、

霧喰いとの初戦闘です。


……レンの悲鳴もたぶん増えます。


次回もよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ