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俺の恋愛フラグ、全部百合に吸われてない?  作者: 星恋 hosiko


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初クエストなのに、距離感がおかしい

レンはまだ、

「俺が主人公のハーレム冒険譚」だと思っています。


たぶん幸せです。


今回は初クエスト回です!

 初心者向け依頼。


 その響きだけで、俺はちょっとワクワクしていた。


 異世界転生して初めてのクエスト。


 つまりこれは、

 物語でいう“ヒロインとの好感度イベント”である。


 たぶんここで俺が活躍して、

「レンってすごいんだね!」

とか言われる。


 間違いない。


 テンプレは履修済みだ。


「レンさん、聞いてます?」


「聞いてる聞いてる」


 フィアが心配そうにこちらを覗き込む。


 近い。


 顔がいい。


 異世界って素晴らしい。


「今回は《角ウサギ》の討伐です。森の浅いところに出るので、初心者向けですね」


「角ウサギか」


 名前だけ聞くと可愛い。


 だが油断はしない。


 こういう“実は凶暴です”系モンスター、ラノベで何回も見た。


「ミア、前衛お願いね」


「……分かった」


 ミアは短く返事して剣を抜く。


 細い剣。


 なのに動きは妙に静かで綺麗だった。


 なんというか、

“強い人の抜刀”

って感じがする。


 いやまあ俺もそのうち強くなる予定だけど。


 予定だけど。


「レンさんはミアの左後ろをお願いします」


「オッケー」


 三人で森へ入る。


 木漏れ日が揺れて、

 風が葉を鳴らしていた。


 異世界ってもっと物騒かと思ったけど、

 こうして歩いてると案外平和だ。


 ……まあ、

 両隣に美少女がいるからそう思うだけかもしれない。


 その時だった。


 ガサッ。


 茂みが揺れる。


「来た」


 ミアの声が低くなる。


 飛び出してきたのは、

 犬くらいの大きさの白い獣だった。


 額に短い角。


「角ウサギ!」


「思ったより怖い!」


 もっとこう、

 ふわふわ系を想像してた。


 目つきが完全に肉食獣だ。


 角ウサギは一直線に飛びかかってくる。


「フィア!」


「はいっ!」


 フィアが杖を掲げる。


 淡い光。


 次の瞬間、

 ミアの身体がふっと加速した。


 速い。


 本当に一瞬だった。


 銀色の軌跡みたいに剣が走り、

 角ウサギが地面を転がる。


「すっご……」


 思わず声が出た。


 ミアは剣についた血を払う。


「終わり」


「いや絶対初心者じゃないでしょその動き」


「……普通」


「普通ではない」


 するとフィアが嬉しそうに笑った。


「ミア、剣ほんと上手ですよね」


「フィアの補助があるから」


「えへへ」


 なんだろう。


 この二人だけ、

 会話の空気が柔らかい。


 俺には塩なのに。


 いやまだ序盤だし?


 こういうのは後から変わるし?


 ゲームでも最初の好感度低いキャラいるし?


 俺が心の中で言い訳していると。


 突然。


 後ろの草が揺れた。


「――っ!」


 もう一匹。


 しかも今度は俺の真後ろ。


「レンさん危ない!」


 フィアの声。


 角ウサギが飛びかかる。


 やば――


 と思った瞬間。


 ドンッ!


 誰かに押し倒された。


「痛っ……!」


 地面に転がる。


 目の前に黒髪。


 ミアだった。


「……大丈夫?」


 距離、近っ。


 心臓が跳ねる。


 来た。


 これ絶対ラブコメイベント。


 俺を庇って覆い被さるやつ。


 完全にそう。


 俺は勝利を確信しかけて――


「ミア!!」


 フィアが泣きそうな顔で駆け寄ってきた。


「怪我してない!? 今すぐ治療するから!」


「平気。かすっただけ」


「平気じゃないよ……!」


 フィアはミアの手をぎゅっと掴む。


 その瞬間。


 ミアの表情が、少しだけ柔らかくなった。


「……大げさ」


「大げさじゃないもん」


 俺、

 まだ地面にいるんだけど。


 命の危機だったの、

 一応俺なんだけど。


「……レン」


「はい?」


「立てる?」


「今さら!?」


 しかも声が雑!!


 フィアは完全にミアしか見えてないし!


 俺は土を払いながら立ち上がった。


 でも。


 二人が並んでる姿を見ると、

 なぜか少しだけ安心する。


 綺麗だな、と思った。


 ……いや待て。


 何をしみじみしてるんだ俺。


 違う違う。


 これはまだ始まったばかり。


 ラブコメには“溜め”が必要なんだ。


 きっとこれから。


 ここから俺のターンが来る。


 ……来るよな?

第2話ありがとうございました!


レン、

かなり頑張りました。


でもミアとフィアの好感度は、

なぜかお互いに入っています。


不思議ですね。


次回はたぶん、

レンがもっと“主人公っぽいこと”をしようとします。

たぶん空回ります。

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