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外伝 魔王のほうがまともだった


天界の扉が、乱暴に開いた。

「ちょっといいですか!?」


空気、震える。

現れたのは——魔王。


ゼルヴァグは、ちらりと見る。

「……何用だ」


魔王はずかずかと歩み寄る。

「私、あなたに作られましたよね?」


「そうだ」


「で、伝説の勇者に倒されましたよね?」


「そうだ」


魔王、指を突きつける。

「勇者もあなたが作りましたよね!?」



沈黙。




ゼルヴァグ、目を逸らす。

「……」



魔王、叫ぶ。

「自作自演じゃん!!」


天界、ちょっとざわつく。


「私、やられるために作られたんですよ!?」

「理不尽!!」


ラフィエル、小声。

「まあ、そうですね」


魔王は腕を組む。

「改善を要求します!」


ゼルヴァグ、即答。

「拒否」


速かった。




「ならば——」

魔王の目が光る。


「世界をボロボロにしてやる」


天使たち、ざわつく。

「出た!!」

「久々の魔王ムーブ!!」


魔王は高らかに宣言する。

「まずは人間から搾取してやる!!」



■下界


「……あれ?」

収穫量が減った。

作物が減る。

供給が減る。



しかし



「……あれ?」

市場が安定する。

「価格、落ち着いてきた?」

「ちょうどいい量になってない?」



■魔王サイド


魔王、倉庫の前で腕を組む。

山のような作物。


「ふはははは!!」

「搾取してやったぞ!!」


部下が恐る恐る言う。

「……あの、結果的に市場が安定してますが」


「何?」


「供給過多が解消されて……経済が正常化しています」



沈黙。




魔王、考える。

「……まあ、いい」

「我の力を見せつけたということだ」


都合よく解釈した。



■人間界


「魔王様のおかげで生活安定してきた……」

「むしろ助かってない?」

「備蓄してくれてるらしいぞ」


評価、爆上がり。



■数日後


人々の前に立つ魔王。

マントばさっ。


「貴様らから搾取した作物は——」



「次の飢饉まで、我が蓄えておいてやる」



ざわ……



「はっはっはっ!!」

高笑い。




「……ありがたい」

「え、いい人じゃない?」

完全に評価が逆転した。



■天界


ラフィエル、報告。

「……結果的に、経済は安定しました」


ゼルヴァグ、沈黙。

「……なぜだ」


「偶然です」

即答。



■下界


人々は普通に暮らしている。

みつと和も、変わらずご飯を食べている。


「今日も多いね」

「まだ増やせるよ」

「いや大丈夫」


平和だった。



■魔王


玉座に座り、満足げに言う。

「……これが“王”か」


少しだけ誇らしげに。



■天界


ゼルヴァグ、ぽつり。

「……我より統治がうまいのではないか」


ラフィエル。

「言ってはいけません」




世界は、今日も少しズレながら

それでも、うまく回っている。



たとえそれが



魔王のおかげだったとしても。

読んでいただきありがとうございます。

明日、最終話を更新します。

最後まで見届けていただけたら嬉しいです。

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