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テト  作者: 安田丘矩
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仕事ができる奴って次元が違う

ゴールデンウィークさようなら。そして、カムバック労働。

皆様、良い休みは過ごせましたでしょうか。

渋滞を避け目的地にはつつがなく行けたのですが

温泉旅行に行ったときに予定を何回も変えないといけなくなって

むしろ、こんなに変えることを余儀なくされることあるのか・・・。

とモヤっとした一日がありました。

温泉は良かったのに旅館の内容も少々残念に終わはずが、

なんだかんだで帰路の方が盛り上がるという異常事態。

結果オーライかつ、話種として失敗談になるかな。

お疲れ様でした。


数日たったある日、城下町に異変が起きた。中央から少し外れの一画で工事が始まった。そこに住む住人たちは転居を余儀なくされ不満があったものの、いい条件で家や土地を手に入れることができトラブルなく工事が着工された。そもそも、その一画は人もだいぶ少なくなり賑わいも薄れ防犯上手薄になることが多かった。


ヒルマが指揮を執りながら人間含め魔物たちは互いに協力して工事を行っていた。アルヴァンはヒルマに引き連れられてその工事の様子を視察していた。近くにあった工事看板には【演劇場新設工事】と書かれていた。

『おい、いい加減にしろよ。ただでさえファナレスタを城に拘束しているのに何をするかと思えば・・・。』


「居ても立っても居られなかったのだ。こういう時は思い切って行動するのが我が家訓だ。」


『お前の屋号を知りたいところだな。それより、ただでさえパタリオスから王女を奪還しにやってきて、ギンガルの魔物もやってくるこの状況で暢気にこんなことやってていいのかよ。それにそれなら防壁とかの工事をしろ。』


「全く分かってないな。ただでさえ突然魔物が王になり、国民は不信感しかないだろう。まずは敵意がないことを分かってもらうためにこのように労働を共にするのだ。」


『分からなくもないが全て終わってからでもいいのでは。それとお前が魔物の襲撃を止めれば国民も受け止められるだろ。』


「だめだ。」


『どうせ、それじゃあつまらない。演劇場を早く創設して監督をするっていうんだろ。』


「人のセリフを取るでない。」


『お前は人ではないだろ。』


「我はこれでもちゃんと文学やイーデリア(古典演劇)を学びこの国の娯楽として昇華させるために努めているのだ。」


『もっとほかにやることがあると思うのだが。』


「それよりアルヴァン殿。そのギンガルの魔物のことだが作戦の内容は理解しているが、本当にそこにいる魔物だけか?」


『仮説でしかないからな。イレギェラーでエネヴァーの部下が突如現れない保証はない。』


「俄然やる気が出るな。」


『おいおい、おまえ敵が増えたところでこの国を守り切れるのかよ。』


「逆境な時こそ燃える。それが王というものだ。」


『その独自見解の魔王学はやめろ。国民の迷惑だ。』


「まったく。毒舌だな。」


『どこがだよ。』


ちょうど、ヒルマと話している前を材料を運ぶゲンキが通り過ぎた。そして、その方には人間の子供たちを乗せていた。

『あいつ何でもやるな。いつの間に溶け込んでいるのだ?』


「ゲンキは子供たちに人気だぞ。」


『あの形とは思えないな。って工事現場に子供を入れるな!危ないだろ!』

アルヴァンの声に気づいたゲンキはピタッと止まり子供たちを肩から下ろした。子供たちは駄々をこねたがゲンキは困りながら子供たちを現場の外へ連れて行った。


よく見ると蜘蛛の魔物のレインや道化師の魔物のノクターも一緒になって働いていた。むしろ、二人の能力のおかげで骨組みがかなりのスピードで組み上げられていった。

『おい、いいのかよ。』


「何がだ?」


『本当にあいつら転職するぞ。』


「うむ・・それは困るな。だが、こうやって役に立っているのだ。大いに結構。」


『あっそう。』

仕事ぶりを見ていると時折人間に話しかけられるものの何を言っているか分からず手を止める。人間も身振り手振り、そして地面に絵を描いて伝えようとしてお互いに理解し合うようにしている。

『そもそも、ヒルマは何で人間に歩み寄ろうとしたんだ。演劇が目的か?』


「それもあるが・・アルヴァン殿たちと共にするようになってからこの姿の少年が昔言っていたことを思い出してな。それまでは人間など脆い存在であり特に一つの生き物の内にすぎないと思っていた。だから、このルジェルバを地下から大きく鳥かごのように取り囲み封じ込め我が絶対的支配の中で服従させようと企んでおった。」


『・・・何気におっかないことしようとしてたんだな。』


「それが魔物というものだ。一々脆弱な者たちに耳を傾けることなどしない。常に本能的にかつ目的に忠実であることそれが本来の生き様よ。」


『言ってることが魔物の鑑だな。』


「お主がそう言うと嫌味にしか聞こえないぞ。」


『そんなことないさ。尊敬している。俺だったら選べない。』


「うむ。アルヴァン殿がどういう生い立ちを辿って来たのか興味が湧いてきた。」


『話さねぇぞ。』


「つれないなぁ。・・・まぁ今となっては我もその選択を選ぶことはないかもしれないがな。」

ヒルマは少し考えた後でアルヴァンにこの姿の少年の話をし始めた。


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