一人で悩まないで相談してみて
最近地震が多いですね。各地を転々に発生していて少し怖い。
こういう時の備えってちゃんとしていますか。
実は特に何もしていないのですが、水のストックは常備しています。
1ケースをローテンションするかんじで補充しながら飲んでます。
問題は食べ物なんですよね。乾パンとか非常食って置いておきたいけど
食べなかったらでもったいないし正直賞味期限近くなって食べるのも少し気が引ける。
いつも飲んでいる飲料系は買い置きしているけど食べ物は特にないなぁ。
要相談ということであとは日用雑貨系。特に紙類とか衛生用品とか。
東日本の件で結構重要性を知ったのですが、
これもどれくらいストックを持っていればいいのか難しいところ。
ただ実際に命を守る行動ができるのか。外傷はなく生きられるのだろうか。
これまでは運任せとなってしまうのか。地震が来ないことを祈っても天変地異ほど無常なものはない。
防災意識を生活に落とし込めるようにしないとね。
アルヴァンが部屋から出て行ってしまった後、ファナレスタは軟禁部屋でアリスと一緒にお昼ご飯を食べることになった。アリスがヒルマに提案しそれをヒルマは承諾し部屋を出て行った。今日のお昼は一枚の薄っぺらく大きく切った豚の燻製肉に野菜を巻いてピリ辛のソースをかけたピレンネという一品と瓜を炊いた塩味のスープだった。
「気に障ることでもあったのかしら・・・アルヴァンさん戻ってくるわよね。」
アリスは扉の方を向いて話した。
「むしろ、私が余計なことを。」
ファナレスタは頬杖をついて言った。
「王女様は悪くありませんよ。アルヴァンさん魔物らしくないから。」
「魔物らしくない?」
ファナレスタに問いかけられた時アリスはどこまでアルヴァンのことを開示して良いのか迷った。少し言葉を選びながら話し始めた。
「アルヴァンさんはずっと人間と接してきたからかもしれませんが気持ちが分かるというのか・・理性的と言いますか。不思議と恐怖もなく一緒に居られる方なのです。」
「そうなのですね。けど、魔物嫌いの兄様も受け入れているのですからそうかもしれませんね。」
ファナレスタは小さい部屋の窓をぼんやりと見ながら再び話し始めた。
「プリオーネは本当に素敵な木なんです。まさか、あの光の正体が妖精だなんて思いもしませんでしたけど。数週間前、一輪だけ花が咲いたのです。兄様だけではなくお父様まで嬉しそうに言いまわっていました。・・・そう言えば家族らしい会話なんてここずっとしていなかったわ。特に共通する話題もなく王族としての振る舞いや国の統制などの話ばかりで。王族ゆえのことではありますが案外寂しい関係なのでしょうね。」
「王女様、そう言っては・・。」
「だから、兄様がやる気なく過ごしていた気持ちは理解していたのです。けど、私がこの国のためにしっかりしなければと思い思いに努めてきたはずなのですが・・・上手くいかないことばかりですね。こんな、他国の思惑にハマってしまいお父様にも迷惑が掛かってしまう。私は・・・。」
アリスは返す言葉が見つからなかった。しかし、今の自分の状況が相まってファナレスタの気持ちがなんとなく分かる気がしてきた。
「ファナレスタ様。パタリオスの国について教えてくれませんか。私、外国へ行ったことがございません。是非聞かせていただけませんか?」
「我が国ですか?そうですね・・パタリオスと聞けば砂漠の土地と言われますが、実は砂漠は国土の半分もありません。山脈や湖、針葉樹の樹海があり、場所によって気候が激しく変わりやすく気温差もあるのが特徴です。そのため、農産物はケルパという糖を採取できる植物とパタナイという栄養価の高い穀物を主に栽培しております。」
「パタナイはこちらでも見かけますね。」
「そうですね。パタナイは体が弱った人の栄養補給として昔から利用されておりますが、パタリオスでは頻繁に食べられております。」
「そうなんですね。」
「そして、信仰の歴史が残る遺跡や宮殿が残っていること。特にアルム地区ではケツァルコアトル神を祀る宮殿と共に【七変化】という大きな大木がございます。この大木は邪悪なものを祓う神秘的なもので古くから大切にされ生誕祭となる日にはその木を取り囲んでお祭りが開催されます。」
「まぁ素敵ね。行ってみたいわ。」
「その時は是非我が城に足を運んでくださいませ。ご案内いたしますわ。」
「滅相もございません。王女様にご案内させてもらうなんて。」
「いいのですよ。これも一種の外交ということで。」
二人は笑いあった。少しアリスに話したのかファナレスタは気が楽になったようだった。すると、扉が開いてアルヴァンが戻ってきた。
「あら、アルヴァンさんお帰りなさい。せっかくのお料理が冷めてしまうわよ。」
アリスがアルヴァンにそう言うとファナレスタは立ち上がりアルヴァンの前で膝をかがみ一礼した。
『おい、何だよ。』
アルヴァンは一歩後ずさりした。
「はじめまして、私はパタリオスの王女ファナレスタと申します。この度は我が国に貴重な妖精の木を授けてくださりありがとうございます。」
『あっ・・はい・・ご丁寧にどうも。』
たじろぐアルヴァンの姿を見てアリスはクスッと笑みを浮かべた。
「それでアルヴァンさんに伺いたいのです。この作戦は大丈夫なのか。」
『まぁこんな作戦頭おかしいとは思うだろうな。危害はないがただ・・この王女様にふさわしい相手って誰なんだ?』
アルヴァンはとりあえず迷いながらも首を縦に振った。
「そうですか・・わかりました。これからどうなるのか不安でしたが少しホッとしました。ありがとうございます。」
『感謝されることしたのか?まぁ急に拘束されたのだから無理もないか。』
アリスは二人が話している横でアルヴァンの分の昼食を盛りつけて机に置いた。
「アルヴァンさん。さぁ一緒にお昼を食べましょう。」
『おぉそうだったな。いただくとするかな。』
アルヴァンは席について祈りを捧げた後で食べ始めた。
その様子を見てファナレスタは言った。
「本当魔物じゃないみたいね。ちゃんと祈りを捧げるなんて。」
『俺はちゃんと礼儀を尽くしているだけだ。』
アルヴァンは咀嚼しながら言った。
「アルヴァンさん、今日は食後のデザートがあるから食べましょう。」
アリスがお菓子をアルヴァンに見せた。
『あったかいお紅茶で。』
アルヴァンはティーポットを指さして訴えかけた。アリスは察して嬉しそうに紅茶を入れ始めた。
「アルヴァンさんって不思議ね。本当に生活に馴染んでいるのね。」
ファナレスタはアルヴァンとアリスのやり取りを見て感心した。




