バカと天才は紙一重
皆さんようやくゴールデンウィーク突入ですね。いかがお過ごしでしょうか。
天気予報をみると少し不安定な感じで過ごしやすい日もありますが移り変わりが激しそうですね。
体調崩さずによい骨休みになることを祈っております。
とは言えゴールデンウィークだからと言って特に思い切ったことはしないのですが
軽めに旅行行ったりちょっとおいしいものを食べに行ったりと。
本当は飛行機乗って行ったことない所へ行きたいところだけれども
さすがにこのタイミングでいくのは難しい。
こういう時のライフハックがあれば視野も広がるのですが俯瞰して見れないのが自分。
まぁあっという間の休みですが有意義に過ごしたいと思います。
ファナレスタは特に非道な扱いを受けることなく単純に軟禁状態にいた。起床後は姫の世話係が対応し、見晴らしの良いテラスで朝食を取る。何か必要なものや行きたいところがあれば世話係に伝えれば無理な要求意外であれば応えられるみたいだった。
ただ、急に拘束されてかりそめに自由が得られても特にしたいこともなくファナレスタは自室のソファーに座りただ考え込んでいた。
パタリオスからの使者や召使は皆国へ返されてしまい事実上一人ぼっちになってしまい心細かった。ファナレスタが俯いていると部屋の外から子供の泣き声が聞こえてきた。ファナレスタはおそるおそる扉に近づき開けて見ると一匹の小さい魔物がまだ幼い子供の頭を撫でていた。
「えっ。魔物?」
ファナレスタの声にその小さい魔物、アルヴァンは気づき二人は目が合った。
『あっ、ジェルマの妹か。しまったな。会わない方が良かったかも。』
アルヴァンはカイノスを抱きかかえて立ち去ろうとした。
「ちょっと、どうしてこんなところに。」
ファナレスタの呼び止めに止まらずアルヴァンは逃げた。ファナレスタは追いかけようとしたが世話係に止められて後を追えなかった。
「あの魔物は一体なんなの?」
ファナレスタは世話係に尋ねた。
「アルヴァンと言う魔物です。この城で軟禁しています。」
「軟禁?それで子供は?」
「連れ子です。」
「連れ子?ちょっと話が見えてこないけど・・・あれ、アルヴァンって。お兄様に聞いたことがあるわ。あの『プリオーネ』を下さった魔物だわ。面会できませんか?」
「面会ですか?えっと・・上に通してみますが。」
「お願いするわ。」
世話係は一端ファナレスタから離れすぐさま上司に報告して対応を仰いだ。しばらくしてファナレスタの元へ帰って来てそして言った。
「ファナレスタ様、生憎あの魔物には会えないそうです。」
「なぜ?」
「えっと・・その魔物が会いたくないと。」
「会いたくない?そのアルヴァンが言っているの?」
「そのようです。」
ファナレスタは少し考えた後で世話係に言った。
「わかったわ。その代わり、城の中を案内してほしいのだけど。」
「かしこまりました。どちらへ?」
「ヒルマ王の所へ。」
「えっ、ヒルマ様の所ですか?それこそ取り次がないと難しいかと。」
「ヒルマ王の部屋の前までいいわ。お願いできる。」
「あっ・・はい。」
世話係は渋々ファナレスタと共にヒルマのいる部屋へと向かって行った。
アルヴァンは軟禁部屋に戻ってカイノスをあやしていた。最近はつかまり立ちをして歩こうとするので少しはらはらしながら様子を見ていた。さっきも、ファナレスタのいる部屋の外で壁伝いに立ち上がり歩こうとしたがバランスを崩して転倒して転んでしまった。
『ほんとガキは危なっかしいな。』
カイノスはアルヴァンに近づき耳を掴もうと乗りかかってきた。アルヴァンはカイノスの胴を持ち抵抗した。
『コラやめろ。まったく、好奇心旺盛だな。』
そこへアリスが入ってきた。
「あら、今日はご機嫌ね。」
『まったくだ。少しは落ち着いて欲しいものだ。』
「お昼を持ってきたから一緒に食べましょう。」
『もうそんな時間だったか。ほれ飯だから大人しくしろ。』
カイノスを無理やり座らせるとクズついてしまった。
「あらあら、お腹空いちゃったのかな。待っててね。」
アリスはカイノスの離乳食をよそい始めた。するとノックの音が鳴りヒルマが入ってきた。
「食事中であったかすまないな。ちょっと、紹介したい人がいてな。」
『おい、まさか・・。』
アルヴァンが思った通りヒルマの後ろからファナレスタが現れた。
「初めまして、パタリオス王女ファナレスタです。ヒルマ王のご厚意で城の中を案内していただいております。」
『おいヒルマ王、どういうつもりだ。こんなところに王女を連れてくるんじゃねぇ。』
「良いではないか。王女に窮屈な思いをさせるわけにはいかないからな。」
「えっ、ヒルマ王。魔物の言葉が分かるのですか?」
ファナレスタの問いかけにヒルマは焦った。
「えっと・・・よく分かる魔物語の本を読んで勉強したんだ。」
『おい、そんな苦しい言い訳を。』
「そのような本があるんですか?」
「あっ・・あー、その本はこの国の機密事項なのでお見せすることはできないが・・な。」
ヒルマが濁しながら言い訳しているのを見てアリスは思わずクスッと笑った。そして、アリスは立ち上がりファナレスタに向けて一礼しあいさつした。
「ファナレスタ王女、私はアリスと申します。今はこちらにいます魔物のアルヴァンさんとそのお連れのカイノス君の世話を担っております。」
「そうでしたの。これはご丁寧にありがとうございます。ところで、そちらのアルヴァンさん?は以前パタリオスにもいらっしゃったとか。」
『おい、尋問が始まるぞ。何とかしろ。』
「アルヴァン殿はパタリオスに行ったことはあるそうだが、いかがなされたのか?」
ヒルマは気を遣ってファナレスタに問いかけた。
「えぇ、兄ジェルマとお会いになられたそうで・・その際に『プリオーネ』の木をいただいたと聞いております。」
「プリオーネ?」
『妖精の木だよ。ユリスが世話になってたからな。』
「おい!そんな伝説級の木を譲ったのか!」
ヒルマは驚いて声をあげた。
「伝説級?」
ファナレスタは恐る恐る尋ねた。
「其方の国にあるプリオーネは妖精の木と言って妖精が住み着く特別な木だ。その木が大きくなればなるほど妖精が増えその地自体に特殊な魔力が宿る。大木になれば守護結界としての役割も担える。アルヴァン殿、一体どこで手に入れたんだ?」
『えっと・・・忘れた。そもそも、それは妖精の集合した際の力であって俺はただ、その木になる果実を食べられればそれでいい。」
「言葉を選ばずに言うが・・・君はバカなのか?」
『うるさい。俺の好きにさせろ。』
「そんな貴重な木を我が国に授けてくれたのですか・・。」
ファナレスタは動揺していた。
「本当にアルヴァンさんって何者なの?」
アリスがアルヴァンに尋ねた。その後ろでこっそりシドは言った。
「ただの食い意地の悪い魔物です。」
『お前、後で覚えていろよ。』
アルヴァンは気分を損ね部屋から出て行ってしまった。




