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テト  作者: 安田丘矩
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個性的という言葉を使う奴は本当に失礼な奴

自分が子供の頃に流行った音楽や流行の話を20代のぴちぴちの子に話すと

目をキョトンとされて「何ですか?」「知りません。」と返されてしまう。

そりゃそうなんだけど、問題なのは何十年前のことが昨日のことみたいに

思ってしまっている自分に正直狂気差を感じてしまった。

これなかなかやばいよね。えー知らないの?とか返したら。

おまえいくつだよ。って心の中で思われそう。

毎度心は若々しくとスローガンのように言っていますが

さすがに年相応でないかもしれない。いや、むしろ年相応なのか。

そういう言動があることは。あぁーいつか「最近の若い者は」ってのが

口癖になってしまうのかな。

宮殿に到着した一行は食堂に案内され打ち合わせが始まった。

「おい、アルヴァンが来た時と同じだぞ。何回打ち合わせをすれば気が済むんだ。」

ベリーゴッドンは自身の席に座り文句を言った。


「ベリーゴッドン様、打ち合わせは大切ですよ。」

ピッチが言った。


「ベリーゴッドン様、ちゃんとメモを取ってください。」

パッチが言った。


「お前ら本当に魔物なのか・・・。」

ベリーゴッドンは呆れた。


「打ち合わせと言っても単純にベリーゴッドンたちは準備しといて欲しいお願いぐらいよ。じゃあ話すわね。」

ユリスはアルヴァンと合流して原案からの改善を皆に話した。


「そう。魔物たちはヒルマちゃんがいるルジェルバに引き入れるわ。そして、手薄になったギンガルで順番に移住させられる。町人は『置き方おかえり君』を使えば何とかなるし、物件は必要なもので済むからエコロジーってわけよ。」


ピッチとパッチは拍手しながら同時に言った。

「ユリス様すごい。」


「おい、移送コストが解消されただけでこっちに来た人間の処理はどうするんだ。それだけの人間を養う食糧はないぞ。」

ベリーゴッドンはユリスに問いかけた。


「そこは交易で何とかならないかしら。」


「そんな大口の客なんていない。」


パッチがふと思い出したのか話し始めた。

「そういえば、最近堅苦しい言葉を話す異国の魔物が来るようになったんですが・・。ヒノ・・イデク・・といった国で鉄鉱石を結構買っていったので交渉の余地があるかと。」


「ヒノイデク国?ちなみに物々交換は何かしたのかしら。」


「お皿。」


「お皿?」

パッチは食堂から出て行きすぐに戻ってきた。パッチは自身が覆われるくらいの大きなお皿を持ってきた。そのお皿は背景画が模写されたような美しい色彩のものだった。


「あら綺麗ね。美術品?嗜好品かしら。」

ユリスはパッチから皿を受け取りじっくり見た後、隣にいたドミニクに渡した。


「おい、食い物の話をしているのに何で皿なんて持ってくるんだ。」

ベリーゴッドンはパッチに言った。


「綺麗なお皿だから見て欲しくて。」


「パッチちゃん。このお皿一つでいろんなことが分かったわ。お皿一つ焼くにしろ手間がかかるし、それに精密に模写されたこの背景画は相当高度なものよ。文明的に発達しているって分かるわ。これが嗜好品であるのであれば流通にも問題ない。交渉の余地があるわ。」


「よかったな。パッチ。」

ピッチは嬉しそうにパッチに言った。


「お皿一つそんなことも分かるのか。すごいね。」

パッチはピッチに言った。


「それでそのヒノイデク国の人ってまた来るのかしら。」


「今、船着場に停泊していますよ。」

ピッチが言った。


「それは好都合ね。交渉できるかしら。」


「任せてください。行ってきます。」


「ドミニクも二人について行って。」


「ベリーゴッドン様と喧嘩にならないか?」

ドミニクはユリスに心配そうに言った。


「大丈夫よ。見た目は堅そうだけど話が分かるから安心して。」


「おい、聞こえているぞ。」

ベリーゴッドンは何かもの言いたげそうだった。


「頼りにしているってことよ。」


「物は言いようだな。」


ベリーゴッドンの含み言いをよそにピッチとパッチ、そしてドミニクは一緒に船着場へ向かって行った。


「それでわざと席を外させて今度は何の話をしようとしている。そして、そこの人間は同席してもいいのか。」

ベリーゴッドンはユリスに言った。


「心配ないわ。ここだけの話だから。エネヴァーが正式に王になったわよ。」


「そんなこと知ったことか。」


「まぁ聞いてちょうだい。ベルリッツ、イレイア・・・次はどこだと思う。」


「その言いようだと分かっているみたいな言い方だな。」


「パタリオスよ。」


「パタリオス?あの使者がやってくるとか言ってたあの国か?」


「えぇ。」


「それで奴らの目的はなんだ。」


「あら、そこは気になっていたのね。」


「俺も利用された身だからな。目的ぐらいは知りたい。」


「ベルリッツの鍾乳洞でとある種が見つかったの。どうやらその種を探していたそうよ。」


「話が読めん。」


「パタリオスのアルム地区には【七変化】という大きなトケイソウのような花をつける大木があるの。アルヴァンちゃんがテスカトリポカからの支配から解放したそうよ。時系列はよく分からないけど。どうやらその木がケツァルコアトルの化身みたいよ。」


「つまり、ベルリッツで見つかった種がケツァルコアトルの化身だと。」


「そういうこと。おそらくイレイア、もしくはその近隣に化身となる種がある可能性がある。そして、一番場所がはっきりしているパタリオスに侵攻してくるのは自然な流れってこと。」


「それはアルヴァンに言ったのか?」


「まだよ。ギンガルの人間を移住させる件とルジェルバの件で手いっぱいでしょ。」


「ほう、おまえが気を遣えるとは思わなかった。」


「一言余計よ。それでイレイアにあなたのロックマン(石造りの人形)を放ってほしいの。」


「見つけさせることはできないぞ。単一な動きしかできないから捜索には向いていない。」


「そこはヤドリギのリカルドちゃんがいるから大丈夫。」


「ヤドリギ?寄生樹のことか?」


「また紹介してあげる。それによってコントロールできるはず。」


「生き物でもないぞ。」


「ヤドリギ自体が動かせばいいのよ。」


「よく分からないが、お前が加担する理由はなんだ。」


「単純に邪魔なのよ。あのバカたちが。それにアルヴァンちゃんがいろいろやらかしてくれるから、その度に見聞が広がるってものよ。」


「単純に暇つぶしってことか。」


「ほんと、意地悪ね。その性格直した方がいいわよ。」


今まで黙って聞いていたシルバがユリスに問いかけた。

「一体何を話していたのだ。」


「ちょっと懐かしい話よ。ごめんなさいね、あなた抜きに話してしまって。」


「いや構わないが。その人間をこの島に向かい入れるのだろ。言葉の壁はどうするんだ。魔物との意志相通がジェスチャーくらいになるし、ユリスのように人語が話せるわけでもない。」


「しばらくは私たちが付き添うことができるけど・・・そうね。声帯から違うから発音が難しいのよね。人語って。」


「声帯の問題なのか?」


「まぁとは言えその件はちょっと考えるわ。」


「すまないがそろそろギンガルに戻してほしい。町の警備をしていた最中だったから突然いなくなって皆心配しているだろう。」


「そうね。怪しまれても困るわね。あなたに【おかえり君】を渡しておくわ。これで私の研究室へ行けるようになるから毎週夜に来てちょうだい。情報交換しながら決行当日の動きを話しましょう。」


「分かった。」

シルバがユリスから【おかえり君】をもらった。シルバは【おかえり君】を見るなり言った。

「これは・・・ふざけているのか?」


「私はいたって真面目よ。」


ベリーゴッドンはその様子を見て言った。

「問題なのはお前のセンスだ。」


「うるさいわよ!ベリーゴッドン!」


こうしてシルバはユリスの移動魔法でギンガルへ帰って行った。



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