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テト  作者: 安田丘矩
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旅行のプランを立てても実際に良かったのは20%

今年のGWはどこへも行かず家ごもりの方が多いそう

そりゃあ物理的に移動に移動して混雑に飛び込んでいく

そんなストレスを感じるよりかは家にいた方がと考えるのは普通だと

けど、今年は世界情勢が気がかりに思い切った行動にブレーキがかかってしまう。

まだ、どんな影響が出てくるのか分からない不安感。

せっかくの休みに悩み草が増えるのも癪だな。

ここはシロモンド諸島のリゾート地。突如この島にやって来たデカい岩石の魔物と可愛らしい小さい悪魔?の魔物2匹が原住民たちと共に開拓して数年。目まぐるしい発展と共に近隣の島や大陸からの商業の場や観光名所として知れ渡るまでになっていた。


そして、この観光地にユリス御一行がやってきた。

燦燦と降り注ぐ日差しに波音が一定の間隔で打ち寄せてくる。ヤシの木の下に置かれたビーチベッドに横たわりサイドテーブルに置かれた酸味の利いたフルーツドリンクを手に取り飲みながらユリスは叫んだ。


「何ここ!最高じゃない!!!」


近くにいた魔物たちはユリスの声に驚くなり皆軽く笑っていた。


「ユリス、心の声がダダ洩れだぞ。」

ドミニクは近くのベンチで果物を手に取って食べていた。


「だって、ベルリッツやイレイアとは正反対にここは桃源郷よ。現実逃避に近いけど最高よ。ベリーゴッドンちゃんいい仕事したわね。」

ユリスのテンションとは他所にシルバが話しかけた。


「あの・・こんなことしていたいいのか?それに私は同行しないって言ったのに。」


「いいのいいの。シルバちゃんもストレスたまっているでしょ。楽しまなくっちゃ。それにここに連れてきたのはジュテームのお礼も兼ねているのよ。」


「私は何も・・。」

シルバの話をよそにユリスはフルーツドリンクをシルバの口元に寄せた。


「こういう時はちゃんと楽しみなさい。どうせ人間の生きている時間なんて短いんだし今楽しめるうちにいい感情を留めておきなさい。」


ユリスの説得に譲歩したシルバはフルーツドリンクを手に取り恐る恐る飲み始めた。

「おっおいしい!!」


「やっといい顔してくれたわ。生きてるって感じするでしょ。」


シルバは思わず涙がこぼれた。しかし、何も言葉にせずただ一気にそのフルーツドリンクを飲み干した。


「おい・・お前らも何しに来たんだ。」

突然横にベリーゴッドンが現れシルバは思わず尻もちをついた。


「ベリーゴッドンちゃん・・ステルスやめて。あなたみたいな巨漢が突然現れたら驚くでしょ。」

ユリスは呆れながら言った。


「うるさい。これは固有の特性だ。」

ベリーゴッドンは不満そうに言った。


「この魔物がベリーゴッドンというのか?」

シルバが驚きながらその巨体をじっと見つめた。


「おい、人間がいるじゃないか。一体何用だ。」


「何用ってアルヴァンちゃんから聞いているでしょ。ギンガル民移住計画。その方向性を話しに来たのよ。そして・・・私はハネムーンならぬバカンスよ。」


『バカンス?』とベリーゴッドンが言った後で横にいたドミニクを見た。ドミニクと目が合い会釈した。


「あぁ初めまして、夫のドミニクです。」


「夫のドミニク?人間・・・じゃないな。混じってる。」


「だから言ったでしょ。結婚したのよ。血の絆で。」

ユリスはピースサインをベリーゴッドンに向けた。


「おまえ、そんな気持ちの悪いことしてたのか。俺には理解できん。」


「理解されなくてもいいわよ。愛に形などないんだから。」


「アホだろ。」


「それ以上言ったら怒るわよ。」


ドミニクはユリスをなだめながら言った。

「ユリス、喧嘩しに来たわけじゃないだろ。」


「けど、バカにされたのよ。ムカつくじゃない。」


「おいおい、俺の島にはうるさいのしか来ないのかよ。」

ベリーゴッドンはため息を吐いた。


「あぁ!ユリス様がいる!!」


「本当だ!ユリス様だ!!」

遠くの方からピッチとパッチが駆け寄ってきた。


「お久しぶりです。」

ピッチとパッチは揃って言った。


「あら、あなたたちお久ね。相変わらず息ぴったり。」


「アルヴァン様の言ってた計画で来たんですか?」

ピッチが言った。


「あっ、人間がいる。こんな近くで初めて見た。」

パッチが言った。2匹はシルバに近づいて観察し始めた。ジロジロと見られシルバはたまらずユリスに助けを求めた。


「おい、この魔物たちは一体何しているんだ。」


「ピッチとパッチは元々ガーゴイルだから城の警備しかやってこなかったのよ。ベルリッツの件で外へ出たけどベリーゴッドンの後ろについて仕事しているだけだったから人間と接触はほとんどない。あなたが珍しいのよ。」


「そんなかわいい名前の魔物もいるんだな・・・。」

シルバは新たな知識が加わった。


「ユリス様だけだよね。俺たちをちゃんとガーゴイルって言ってくれるの。」

ピッチが言った。


「そうだよね。みんなちっこい悪魔とかって言うから慣れちゃったけどちゃんとした門番なのにね。」

パッチが言った。


「おい、お前らも来たらさらにややこしくなる。用があるならさっさと言え。」

ベリーゴッドンはイライラし始めた。


「あらあら、あなたたちの御主人様は怒りん坊さんね。分かったわ。場所を移しましょう。」


「じゃあ俺たちがご案内します。着いて来てください。」

ピッチとパッチは揃って言った。


「あら、可愛いガイドさんが案内してくれるのね。安心だわ。さぁダーリン、シルバちゃんも行くわよ。」


「行くってどこへ?」

シルバが尋ねると。


「決まっているじゃない。島の観光案内よ。」


「話し合いに来たのではないのか・・・。」

シルバは困惑した。




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