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テト  作者: 安田丘矩
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愛はどこからやって来るのでしょう。

ミネラルウォーターを飲むようになってから、お茶などの清涼飲料水に手をつけなくなった

なんでだろう。シンプルに水の方がおいしく感じる。

これは味覚が変わったのだろうか。身体が水を欲しているのだろうか。

昔はペットボトルの水を買って飲む人に対してわざわざ水を買うの?と唖然と見ていたのですが

まさか自分が水を買うようになるとは・・・皮肉だな。

箱買いして1ケースはキープしているから災害時の備えにもバッチシ。

やっぱり純粋に水を飲むって身体にいいのかもね。

一方その頃、ユリス、ドミニク、リカルドはギンガル近郊の森の中に来ていた。今のギンガルの現状を把握するために来たもののグラッツがいることや駐在している魔物がどれだけいるのか分からない以上入り込めないでいた。


「さて、どうしようかしら。ダーリン。」

ユリスはなぜか嬉しそうだった。


「そうだな・・・。近くに魔物がいればリカルドにヤドリギを刺してもらって潜入させることができるがただ、勘が鋭い奴らがいると厳しいかもな。」

ドミニクは腕を組み考えながら言った。


「この町に内通者の方がいればいいのですが、誰かいませんか。」

リカルドはユリスに問いかけた。


「いないわね。知り合いはいると思うけど今じゃ敵だし。買収するにもね・・・。」


「もしくは町人と知り合いがいれば。」


「そうなるとアルヴァンちゃんに頼るしかないけど、アルヴァンちゃんがここまで来てもらうのもリスクがあるわね。」


ドミニクは考えがまとまりユリスとリカルドに話始めた。

「仕方ない。ここはリカルドの操作する魔物をギンガルに忍び込ませて調査するしかない。そして最悪バレたとしてもそれがルジェルバからの刺客だと思わせればおびき寄せる口実にはなる。」


「けど、その場合は攻め込ませるタイミングを完全に失うってことね。ヒルマちゃん怒るかしら。」


「では、どこかで魔物を調達しなければ・・・」

リカルドはユリスに視線を送ったがユリスは首を傾げて言った。


「残念ね。ここら辺に魔物気配がないのよ。」


「これでは潜入はできません。」


「仕方ないわね。私が直接行くしかないわね。」


「ハニー、冗談でもそれはダメだ。」

ドミニクは少し焦った。


「そうよね。バレたらバトルよね。血の気が多いのばかりだから困るわ。」


「何か声?がしないか?」

ドミニクが辺りを見渡した。


「えっ、声?」

ユリスは聞き耳を立てた。


『ぁぃ・・てる!あ・・してる!』


「ほんとだわ。なんかこっちに向かっている気が・・・。」


突然茂みから一羽の鳥が飛び出してきた。その鳥はユリスがシルバに預けたメールダッチョウだった。


「あら!ジュテームじゃない!お前無事だったのね。」

ユリスはジュテームを抱きかかえて撫で始めた。


「メールダッチョウかぁ。はじめて見た。」

ドミニクは近づき興味深そうにジュテームを観察し始めた。


「アルヴァンちゃんがこの子を持っていたのよ。まったくこの子がどれだけ貴重なのか分かってないんだから。それにしても私のことを覚えていてくれたのね。嬉しいわ。」


「ジュテーム!どこだ!」

突然、誰かの声がした。低音でハスキーな女性の声だった。


「誰かこっちに来ますよ。」

リカルドは少し慌てた。


「大丈夫よ。ジュテームを預けた人だから。」

ユリスは慌てることなくその声の主を待った。しばらくするとその声の主が現れた。眼帯をつけたシルバだった。


「うわぁ!魔物・・・あれ、どこかで・・。」


「あの時のお嬢さんね。こんにちは。ジュテームをありがとう。」

ユリスはシルバに礼を言った。


「あの時の・・ゆ・・ユリスだったか?無事だったのだな。」


「えぇお陰様で。今困っていたの。けど、ジュテームが町の人を引き寄せてくれたのね。いい子いい子。」

ユリスはジュテームの頭を撫でた。ジュテームは声を唸らせるだけだった。


「一体何を言っているんだ?」


「単刀直入に言うわ。アルヴァンちゃんの頼みでね。この町の人を解放して移住させようとしているのよ。」


シルバは少し考えた後で話し始めた。

「アルヴァンと言うのはテトのことだな。あなたと別れてから誰のことを言っているのか整理した。魔物らしからぬ不思議な行動をしていたがまた思いもよらぬことを考えているのだな。けど、わたしはこの町から離れることはできない。」


「なぜ?」


「ユリア様がここに眠っているからだ。私は命を与えられたものの守ることができなかった。罪滅ぼしなんておこがましいことは考えていないがせめてユリア様が眠るこの地を見守っていきたい。ただそれだけだ。」


「物騒な魔物がいるのに?いつ襲われてもおかしくないのに?」


「そうだな・・・。あの一件依頼、気持ち悪い状況は続いている。ベルリッツのこともあって同じように奴隷か捕食される運命になるかと絶望していたが奴らは特に手を出すことはなかった。ただ、一言『貴様らは命は我が手中にある。歯向かうものはすべて消していく。今しばらく王の帰還を待て』と。」


「アルヴァンちゃんが言ってたテスカトリポカのことかしらね。あれ?エネヴァーはどうしたのかしら・・・死んだ?」


「分からない。今この町にはグラッツと言う人型の魔物を中心に魔物が14体確認している。」


「思ったより少ないわね。この規模で。」


「そして、黒い礼服を着た男が時々グラッツと接触しているのを目撃している。」


「黒い礼服を着た男・・・まぁ人間じゃなさそうね。それでもし、この村の人間を移住することができるとして今この町にはどれくらいいるのかしら。」


「今、この町には4千人はいる。ほとんどは敵襲に巻き込まれて亡くなったり、戦いの後でこの町から出て行ってしまった。」


「4千かぁ。どう思うダーリン。」

ユリスはドミニクに助言を求めた。


「思ったよりは少ないとは思うが今の話を聞く限りだとルジェルバにおびき出せるかどうか難しい気もする。」


「やっぱりそう思う。この町からあいつら離れなさそうだものね。一度出直しましょうか。」


すると、首に下げていた夫婦貝から声が聞こえた。

「ユリス!聞こえるか!」

それはアルヴァンの声だった。ユリスは貝殻を口に近づけて話しかけた。


「アルヴァンちゃん。ちょうどよかった。今ね、町人に会うことができたの。ギンガルには現在4千の人がまだここに住んでいるそうよ。ただ問題があって、思ったより敵は動かなさそうなのよ。どうしましょう。」


「引受先を確保したぞ。それでだ、一度計画を話したいと思う。合流しないか?」


「オーケー。是非聞かせてちょうだい。じゃあ研究所で落ち合いましょう。」


「分かった。あとで。」

アルヴァンからの連絡が途絶えた。やり取りを聞いていたシルバがユリスに問いかけた。


「今のはアルヴァン・・テトか?」


「えぇ、なんか面白そうなことを見つけたみたいよ。あなたもいらっしゃい。ジュテームを面倒見てくれたお礼もしたいし。」


「いや私は別お礼などいらない。それに町の警備が。」


「魔物に占領されているのに警備もくそもないわ。さぁ行くわよ。」

ユリスは移動魔法を唱えてシルバも含めて皆で研究所へ戻って行った。



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