37 紫氷竜の迷宮②
吹雪に逆らうように迷宮を進んでいく。
冒険者ギルドの情報には特に記載されていなかったが、吹雪いている方向を頼りに進路を取ると次の階層への階段へ辿り点ける事を俺達は経験的に理解する事が出来た。かなり順調に進めている。最初の階層では軽く外套を揺らす程度だった風が今は外套を大きくはためかせる程に強くなっていた。
紫氷竜の迷宮では迷宮を進めば進むほど吹雪が強力になっていく。
これほど吹雪が激しさを増しているという事は、俺達は迷宮の最深部に着実に近付きつつある事の証左と言える。
紫氷竜の迷宮に侵入して二十日、俺達は第二十一階層に至っていた。
ここまで一定のペースを保ちながら攻略出来ていた。
だからこそ、何の問題も起きていないと考えていたがどうやらそれは俺の思い過ごしだったようだ。
最初は第二十階層、十層毎の区切りを超えた為に感じた違和感だと思っていた。
ティアが一撃で敵を屠れなくなってきた、手傷も増えそれを治す機会が増えてくる。
アリアが魔法を外す事が多くなってきた、途中で魔力の配分を間違え遂には階層の半ばで魔力を使い切り俺が<魔力譲渡>の魔法で度々魔力を渡す必要が出てきた。
違和感に気付き注視していればすぐにその理由に思い至った。
疲労だ、彼女達は長期に及ぶ探索行で精神的にも肉体的にも消耗していて動きや思考に問題が生まれていた。日帰り、もしくは数日で探索が終わる小規模迷宮とは違う。数週間から数ヶ月にも及ぶ長期の探索が必要になる、中規模以上の迷宮探索で休息日が適度に必要だというのは正常な頭を持っていれば子供でも分かる話だった。
そして、ここで新たな問題がまた生まれてしまう。
この臨時パーティーにはリーダーと呼べる存在がいないのだ。
リーダーが居ない、全体の指揮を取る人間が居ない為、誰が探索の日程を決めるのかという話になってしまう。ティアとアリアは赤石級で俺は青石級。常識的に考えれば経験がより豊かで階級も高い彼女達のうちのどちらかがリーダーとなり指示を出すべきだ。
(独りで考えても仕方ないか)
問題はパーティー全体に関わる事であり、俺ひとりの独断で決定していい話ではない。
なので、この階層を抜けた後に食事でもしながら数日の休暇とリーダーの選定について相談すべきだな。
そう結論付け、その後は探索に集中した。
第二十階層を境に吹雪は更に強さを増し、吹き荒れる暴風は轟音を発し仲間内での意志の疎通を大きく阻害していく。また、吹雪は視界にも影響を与える為可視範囲が直接的に射程に関わる魔法の使用にやや影響が出てしまう。ただでさえ暗闇の中をランタンの光を頼りに進んでいる為視界は最悪だ。
可視範囲が魔法の射程に関わると言っても手許に魔法を発生させて見えない位置に向けて放つ事事態は可能だ。ただし視界の向こう側に行ってしまうとコントロールが効かなくなり命中率が下がるし、魔法の種類によっては威力も極端に下がってしまう。なので視界を確保する為に魔法を使用→目的の魔法を使用という一見二度手間に思える方法を取るのがこの状況では最適になってしまうようだ。アリアはその点、氷の槍や水晶の槍を物質として構成した後に放つ事で射程は平常時以下だが威力を保つ事に成功している。
俺が一番驚いたのがこの水晶の魔法だ。
俺の居た世界では土魔法は夢物語と言われていたし、岩や土を使った魔法は主流から大きく外れていた。
だが、この世界では土ではなく水晶を生み出す事によって土魔法が主流になれない問題を解決していた。
魔法の行使において視界はとても重要だ。本来魔法に射程は存在しないと言われているが実際は視界による制限が生まれてしまう。見えないもの、全く知りようがないものには干渉するのが難しいのだ。
こっちの世界では以前その問題を妖精を間に挟む事によって解決している所を見た事があった。
黒牙と呼ばれるちょっと強いコボルドを討伐する際に魔術師ギルドのメンバーの一部が使っていて、地形を改変するというとんでもない魔法を行使していた。
それが人間とは異なる知覚を持つ妖精故に可能な技能なのか、妖精にはそもそも視界による制限自体が無いのかは定かではないが妖精は人間が受けている制約の外に居る存在なようだ。
それで、人間の身で土魔法として夢想されていた魔法を実現する為に編み出されたのがアリアが使って見せた水晶を生み出す魔法だ。水晶は透明度が高いから視界を阻害しにくい、それ故に魔法での行使に適しているようだ。土を如何にして操るかではなく透明で魔力による干渉の容易い水晶でそれを代用する、聞いてしまえば単純だが言われないと案外気付かない盲点だった。
ただ、どうしても透明になってしまうので建築物にそのまま転用するのは難しそうだ。
いや、土台だけ水晶で作って形を整え魔法によって強度の問題を解決した後に表面だけ色を変えれば即席の建造物を作れる気もする……。案外この世界のどこかにはそのようにして生み出された建造物があるのかもしれない。
『ふう、ようやく辿り着いたか』
「流石に中規模迷宮の半ばまで来ると大変になってくるわね」
「そうだねー、早く休もー」
氷壁に出来た大きな穴。
これが階層間を繋ぐ階段へと続いている。
その大穴からは最下層から吹き寄せているのか大量の吹雪を吐き出している。
大穴の上部の縁には人の腕ほどもある大きなつららが垂れ下がっていて、運悪く落下した物に突き刺さってしまえば最悪死んでしまいそうだ。
外套を靡かせながら大穴に入っていく。
この迷宮では階段もかなり危険な地帯だ。
何せ床は氷で出来ていて、雪も大量に積もっている。
足を踏み外せば滑落し、命を落としかねない。
壁に手を付き横移動で慎重に進んでいく。
この迷宮の有情な所は階層間を繋ぐ階段の中ほどに踊り場が存在する事だ。
これは迷宮によってあったりなかったりする。
結界石を置く前に除雪し、スペースを確保する。
結界石は俺独りで迷宮に潜る際には四隅にひとつずつ。
計四個で事足りたのだが人数が多くなれば必然必要なスペースが大きくなり結界石の数も増やす必要が出てくる。本来俺達三人だけなら八個もあれば事足りそうだが、この迷宮の踊り場はそれなりに広かった為十二個の結界石を使いかなり広めにスペースを確保する事にしている。
除雪はアリアが魔法によって行う。
余分な雪を魔法で溶かして水にしてしまうのだ。
今回の迷宮のような特殊な床で形成された迷宮の場合結界石を置くスタンドは非常に効果的だった。
俺は今回の迷宮に挑むに際して購入したが、色々種類があった為店員に言われるがままにお勧めの物を買った。スタンドはそのシンプルな見た目に反して人造のしっかりとした魔道具で、魔力を込める事によって床面にぴたりと吸着し結界石を決して動かないように固定してくれる物だ。これが安物だと迷宮の特殊な石材に対応出来なかったり傾斜角によっては不安定になってしまったりするらしい。そんな事なら安物を買う人などいなそうなものだが、むしろ逆で迷宮に潜る迷宮探索者以外はこういったものにまで大金を払う気が起きないもののようだ。
確かに、自分のように仕事に使うわけでもなければハイエンド品を買おうとは思わないかもしれない。
料理人は生活に直結する為金に糸目をつけずに高い包丁を買い揃えるが、一般人はとりあえず料理できれば良いとお財布と相談しながらそれなりの代物で妥協するだろう。それと同じ感じなんだきっと。
俺のテント、そしてその隣にアリアとティアの女二人住まいのテントを並べて設置する。
これが大規模なパーティーであるなら治安の関係で斜向かいに設置したりするものらしいが、たった三人だけのパーティーなので隣り合って並べている。俺の個人用のテントよりアリア達のテントの方が収容すべき人数が多い為必然大きい。自分のテントを早々に張り、作業を続けているふたりのテントの設営を手伝った。
確保したスペースの真ん中に俺が街灯柱を建て、アリア達が火鉢型のマジックアイテムを設置して大まかな野営の準備は完了する。
この街灯柱というのがドレッドノートの魔法調合を駆使して生み出したマジックアイテムのひとつだ。
ダイモスの迷宮で手に入れた深海宝石と売らずに取っておいた数多くの魔石で生み出された大きな炉心。
錬金術師ギルドのマスター、ファビアンが直々に作成してくれた柱の部分はやや芸術的な曲線を描いて美しい花弁を垂らす花のような形の台座によって構成されている。この台座の部分に手を触れ魔力を込める事によって穂先の炉心部分が光を生み野営地を青くやわらかく、されど力強い光が照らし暗い迷宮内である事を忘れさせてくれる安息地を生んでくれる。中々手間は掛かったが、満足のいく仕上がりになっていた。
アリア達の火鉢型の魔道具は俺が第三夢幻回廊で手に入れた財宝を仕分ける際の作業を手伝った報酬で買ったものらしい。何と火鉢に魔力を込めるだけで燃料いらずで火が生まれるのだ。俺の持っている黒火石で出来た加熱プレートと似たような用途だが、火力と大きさはこちらの方が上なようだ。料理が出来るこのふたりならこちらの方が適しているのだろう。
「えっ、リーダーってバルくんじゃなかったの?」
「私もバルがリーダーだと思ってたんだけど」
『いや、そんな話一度もした事無かっただろう』
テーブルに料理を並べ、食事中に気になっていたリーダーの話を切り出した。
すると、彼女達は俺がリーダーだと認識していたらしい。
「うーん、でも私達あんまりリーダーってガラじゃないよねー?」
「私とティアのどちらかがリーダーになると諍いが起こると思うけど」
『それは確かに……』
アリアとティアは流石に迷宮内ではいつものノリではなかった。
ただでさえ慣れないアイゼンを履いての探索をしているのに、カンガルーの様に肩を組んで喧嘩でも始めようものなら俺も流石に見限っていたとは思うけど。
ただ、アリアとティアは基本的にいつも喧嘩したりからかいあったりしている。
どちらかというとティアがアリアを加減知らずにからかって喧嘩になるので割と一方的とも言えるけど。
それに対して冗談の域を超えた反撃を度々繰り返すアリアも悪いと言えば悪いので結局両方悪いのか。
ともかく、この二人のどちらかをリーダーにした場合どっちかから不満の声が聞こえてきそうだ。
それなら俺がリーダーをするのが一番纏まるのかもしれない。
(まあ、今回は臨時的なパーティーだ。面倒だが一度ぐらいリーダーとして指揮してみるのも案外悪くない経験かもしれない)
俺もいつかは本格的なパーティーに入るはずだ。
その時リーダーをやるのか、それとも副リーダー的な立場、もしくは気楽な一般メンバーになるのかは定かではないがここで培った経験は後に役に立つ可能性もある。
リーダーや副リーダーをやるなら直接的に経験を積める。
一般のメンバーとして活動する際もリーダーの指示や考えの元となる思考を推測したり、時には反対意見を示す際に説得力のある内容を考える材料を得られるかもしれない。経験はきっと財産になる。
ふたりが俺をリーダーだと言うのなら思い切ってやってみるのも良い。
ずっとは面倒で嫌だが一度限りなら勉強代と思えなくも無かった。
『じゃあ、俺がリーダーをやってみてもいいか?』
「おーけーだよ!頼りにしてるよリーダー!」
「消去法でどうしてもそうなるし、任せたわよ」
俺がリーダーであると元々認識していた二人は俺の提案をあっさり了承した。
そうと決まればまずやるべき提案は決まっている。
『そうか、ではまずしばらく休息を取ろう。休みを全く取らずにこれ以上進むのは危険だ。一度大きめの休みを取って身体を休めよう』
「え?休んでいいの?」
「いつも、話を聞く限りでは迷宮で休みとか取って無さそうだものね?」
そうか、確かに俺はいつも迷宮で休みなんて取らない。
寝食などの最低限の休みだけだ。その話を聞いていたふたりは三十五階層まで休み無しで行くと思っていたらしい。
……白状すれば、俺はそうしようと考えていた。
だけど、パーティーで動く以上全体の疲労度も鑑みなければならない。
そもそもこのふたりは普段は迷宮探索以外の仕事がメインの冒険者だ。
しかも華奢な女性でもある。
光源が一切無く、足場も悪い。
前方からは強烈な吹雪が常時襲い掛かってきて、その吹雪く風音に紛れるかのように集団で魔物も襲い掛かってくる。少なくても俺が今まで攻略してきた迷宮の中では最悪の環境だ。
そんな環境で休息無しでずっと戦い続けてきたのだから動きの精細さが落ちてくるのは当然だった。
むしろ、ここまで大きく調子を崩さなかったのは彼女達のポテンシャルの高さを示している。
よくよく思い返してみれば俺は初めて依頼を受けた際にも疲労を考えずに森を探索していた気がする。
あの頃の反省が生かせてないとすれば今度こそ猛省すべきだ。
今でこそ大きな損害を出さずに探索できているけど、いつか取り返しのつかない事故を招きかねない。
もっと適度な休息を取り万全の態勢で探索する為の計画性を身につけるべきだ。
『三日……いや、思い切って五日ほど休養して体調を完全に戻すか』
「そんなに休んでいいの?」
「食材とか足りる?」
『そこらへんは大丈夫』
休息に関しては何にも学んでいない俺だったが、そんな俺でも学び教訓とした経験があった。
それは第三夢幻回廊に潜った際の話だ、想定外の迷宮探索で食品が底を尽き掛けたのだ。
せっかく魔法の袋と言うアドバンテージがあるにも関わらず必要最低限の食材しか持ち歩かなかったのは非常に馬鹿げた話だ。アレ以降迷宮をひとつふたつ多めに攻略する嵌めになっても大丈夫なように食材を買い込む事にしている。五日程度想定より滞在が増えた所で大した痛手でもなかった。
『では、五日後にここを発つまで各自存分に休息を取って英気を養ってくれ』
「おっ、何かリーダーっぽい発言」
「冷やかさないの! 分かったわ、さっさと寝ておきましょう」
軽口を叩き合いながらふたりは食器を手早く片付けテントの中に引っ込んでいった。
今日の疲れ具合から行ってすぐに就寝するだろう。
(俺も寝てしまうか、明日以降はどうするかな)
不意に空いてしまった時間をどのように過ごすか。
鎧を脱ぎ平服に着替えた後に寝袋の中でそんな事をぼんやり考えていたが、気付けば闇の神に導かれ眠りへと落ちていった。
◆◆◆◆◆◆
翌日、俺は久々に流星の能力を確認する事にした。
俺の記憶が確かならそろそろ区切りの良い攻略階層数に至ったはずだ。
であれば必然特殊性能が増えているはずだ、俺は流星を掲げ能力を見たいと願った。
名前『流星』
【迷宮攻略歴】
迷宮攻略総階層:百五十階層
迷宮攻略回数:二十九回
【性能】
鋭さ:B
重さ:D
頑丈:A
【特殊性能】
・その剣は生きている <ランク:なし>
・その剣は壊れる事を知らない <ランク:なし>
・その剣は所有者に不可視の存在を見通す力を与える<ランク:なし>
・その剣は不思議な力を込めるのに適している <ランク:なし>
・その剣はあなたの意思に呼応する <ランク:なし>
・その剣は血を啜り切れ味を増す<ランク:なし>
・その剣は所有者に敵対する者へ破滅をもたらす<ランク:なし>
・その剣は敵意ある不思議な力を食らう<ランク:なし>
・その剣は所有者に身体強化・猫を与える <ランク:7>
・その剣は所有者に知識強化・悪魔を与える <ランク:7>
・その剣は所有者に身体強化・雷霆を纏いし者を与える<ランク:7>
・その剣は所有者に魔力強化・緋眼の魔女を与える<ランク:7>
うん、迷宮攻略総階層数がちょうど百五十階層になったので一個増えている。
「その剣は敵意ある不思議な力を食らう」という特殊性能が増えているな。
俺は増えた特殊性能についてより詳しく知りたいと願った。
【特殊性能・詳細解説】
・その剣は敵意ある不思議な力を食らう <ランク:なし>
【詳細】
特殊性能「その剣は生きている」によって迷宮攻略総階層数が百五十に達した際に得た特殊性能。
その力は、この剣の所有者に害をもたらす魔力・聖気・剣気・霊気を代表とする不思議な力をその剣身によって打ち消し取り込む力。また、本来切り裂く事の出来ない不思議な力を切り裂く事を可能にする。その効果範囲は非常に広く、不思議な力に由来する物の多くがその対象となる。ただし、切り裂く際には何を切ろうと試みているのかを所有者が認識する必要がある。執筆担当:アーロン 82歳
なるほど、大まかな概要は理解出来た。
要は魔物が使う魔法などを切り裂けるようになる力を得たという事か。
実は似たような力を持つ剣や槍の形をしたマジックアイテムは多く存在する。
なので、何となくどんな感じの力なのかは簡単に分かるのだ。
ただ、取り込むという部分が微妙に意味が分からない。
「その剣は血を啜り切れ味を増す」のように相手の使った魔法を取り込んで何らかの力を得るのか。
それとも相手の放った魔法を剣身に宿した後に自由に放出したりする事が可能なのか?
ここら辺は実戦で試してみるしか無さそうだな。
流星の能力を一通り確認し終えたので、次は手持ちのマジックアイテムの中でも迷宮探索に有用な物の効果を確認する作業をした。以前幸運剣で痛い目を見たのでこのような時間を定期的に取る様にしている。
うーん、やっぱり無理に引っ張り出す必要があるマジックアイテムは無いな。
俺は運が良いのか悪いのか武装系のマジックアイテムをあまり拾えて無い。
武器にも防具にも満足している。なので生活の質が向上するマジックアイテムのほうがありがたくはあるんだけど……。
やっぱり冒険者なんて仕事をしている以上新しい武器や防具、腕輪や指輪も手に入れてみたいという気持ちもある。迷宮で手に入れた新たなマジックアイテム。その効果によって今まで苦戦していた魔物を簡単に屠れるようになる。そういった展開に少し憧れがあったりするのだ。
今自分が欲しいと望む物があるとすれば……幸運剣のような特定の魔物に効果絶大な武器だろうか?
特に剣で相手をするのが難しいゴーレム用のメイスみたいな武器とかがあると嬉しいんだけど、そう都合良くピンポイントで自分の望んだマジックアイテムが手に入ったりはしなかった。
◆◆◆◆◆◆
意外な事に五日間の休息期間はあっと言う間に終わってしまった。
早々に流星の効果確認を終わらせ、調子に乗って聖遺物や魔道具作成に手を出したのが不味かった。
キリの良い所まで中々いかず、出発する前夜に大慌てする事になるとは……。
ともあれ、迷宮探索の方はかなり順調に進んでいる。
長い休暇を経て調子を取り戻したふたりは向かう所敵なしと思えるほどに出会った魔物を屠っていく。
休暇を取る前が如何に調子を落としていたのかを実感する戦いぶりだった。
これからは五階層ずつを区切りに一日以上の休暇を挟む予定だ。
疲労度合いや難敵との遭遇に合わせて適宜休息期間は延長する事も予定している。
隊列も少し弄ってみた。
俺とティアが前に出てアリア、ホーくんが真ん中。
後方警戒はドレッドノートとみんなには見えてないと思うけど妖精ちゃん達がついている。
そう、妖精ちゃん達なのだ。しばらく姿を見ないと思っていた妖精ちゃんはいつの間にかお友達を呼んできたようだ。
銀髪の長い髪に綿毛のような髪飾りを付けた新しい妖精がいつの間にか増えていた。
もしかしたら、この迷宮の近くにもベアヘッドの地下のような妖精の棲家があるのかもしれない。




